秋深し、泥酔のち呆然…。
「泥酔論」の会場、下北沢のスローコメディファクトリー(スロコメ)は、今月で一周年を迎えた。新規商売、なかでも外呑み市場は不況の影響で縮小傾向が強いなか、下北沢の「場末」のような場所で、よく続いた。とくにスロコメのばあい、これまでの飲食店とはちがって、単なる客側のカネと店側の飲食サービスの交換の場ではない。また、貸しイベント会場ともちがう。そこが、おもしろいのだが、一面おそらくそういうおもしろさには習慣的に慣れてないひとも少なくないだろうから、経営的には難しい。店長の須田泰成さんの人徳とプロデュース力が、なにかと仲間内や業界内のカラにかたまりやすい近頃の傾向を打ち破りシャッフルし、楽しい「異人種交流」が実現していることが大きいのだろう。
スロコメは、須田さん共訳の『ファンキービジネス』実践編であるような気がする。『ファンキービジネス』については、以前に何度か紹介した。わかったふうな非実践的な間違った「解釈」も少なくない。ようするに自分が「ファンキー」にやる選択をしないまま、この本を「解釈」したところで間違うに決まっている、なーんにもならんわけだ。
とにかく、須田さんお得意の「ゆる~い」路線は、『ファンキービジネス』が指摘する「すでに粉々にされた社会」「焼け跡のような状態」に、新しいつながりを生んでいる。スロコメは、あるいはスロコメに集まる人たちは、焼け跡の「ファンキーヴィレッジ」になるにちがいない。ってわけで、もう始まっている次の1年も、スロコメに期待したい。また、もっと自らのカラをやぶって交流を深め、ファンキーにやりたいものだ。…以上、スロコメ一周年にあたっての祝辞でありました。
ところで、去年のスロコメ開店の11月4日の少し前の10月21日に、ウチはココに引っ越したのだった。で、なんだか「新築引っ越し1周年」ってことで呑むことになった。ま、おれは呑めればよいから名目なんかなんでもよいのだが、誕生日や開店などは、毎年のように記念日を重ねていくが、家屋のばあいはどうなんだろうかとおもった。新築7周年記念とか、30周年記念とか、あまり聞いたことがない。そもそも「新築祝い」はわかるが、1周年って、何がめでたいのか、1年間ローンを払えてよかったね、ということかな。2年目は2年間ローン払えてよかったね…。
ようするに呑めればよいのだ。そして、ようするに呑んだ。開始予定の16時ちょうどに来たのはおくちゃん。くらちゃんとダヴィちゃんは、遅れる。がまんできないおくちゃんとおれは、ただちにビールを呑み始めた。明るいうちから呑む酒は気持よいね~と、すごい早いピッチ、どんどん呑める。
1時間ほど遅れて、くらちゃんが、トウゼン清酒一升を買ってきたので、ただちにこれにする。もうあとは、まいどのごとく怒涛のごとく呑むだけ。なんだか、すごい早いピッチで、一升瓶があいてゆく。ウチでも清酒は用意していたが、足りなくなりそう、あとから来る、アライちゃんに電話する。トウゼン買ってあると。そのアライちゃんが着いたのは19時ごろだったかな。ほかの連中は、この日休みなのだが、彼女だけは出勤で、しかも都心の会社から仕事が終わってから、この遠~い東大宮まで来て、そして、また自宅のある都内に帰るのだ。そのご苦労さんのうえに酒まで持ってくる。もう女神様ですね。いや、持っていなかったら、買ってこさせようという動きでもあったのだが。で、2人が忙しくて来られなくなり、参加予定者全員の顔が揃った19時ごろ、おれはもう泥酔状態だった。
なんだかわからん状態のなかで、酒の燗だけは緊張して、しっかりやっていたので、よく覚えている。酒によって適温がちがうのを、ちゃんとあげて、われながらうまくできた燗の状態だったと記憶する。清酒は、燗の状態で、かなり変化するので、ほんと、おもしろいし楽しめる。
とにかく、よれよれ泥酔状態だった。なんだかよくわからないうちに、電車がなくなる時間が近づき、トツジョみな去って行った。ああ、よく食べ、よく呑んだなあ~とボーゼンとするおれまで撮影している。写真は、ダヴィちゃん提供。
おくちゃんは、いまごろバリ島で休暇を満喫していることだろう。みなさん、どうもありがとう。なんの記念日に関係なく、いつでも酒を持って来てください。
秋深し、呑んでファンキー、正気でファンキー、ってセンで年末を乗り切るか。
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