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2010/05/26

「食の本つまみぐい」と「料理研究家」とレシピ。

悩ましい。まず、きのうの肉体労働で身体のアチコチが痛む。考えごとをしていても、なかなかまとまらない。このあいだから、仕上げなくてならない企画書があって、そのタイトルが、なかなか浮かばない。どれもイマイチで、それをまたきょう考えるのだが、浮かばない。身体中がズキズキする。すると、なにか別のことをやりたくなる。なので、ザ大衆食のサイトの、「書評のメルマガ」に連載の「食の本つまみぐい」のリンクをいじった。

「食の本つまみぐい」は、「書評のメルマガ」編集陣の1人、南陀楼綾繁さんに声をかけられて03年8月13日始まり、編集陣が一新する、きょねん09年12月で終わった。隔月で、途中2、3回は休んだような気がする。全部で35回。

かなりいきあたりばったりに本を選び、かなりいきあたりばったりに書いていた。「書評」なんてのは、つまらないものが多いとおもっていたので、好き勝手に書いていたのだが、ふり返ってみると、なんとなく、おれが選んだ本の感じではある。内容的には、もう少し「書評」なるものについてオベンキョウをしておいてもよかったかなとおもわなくはないが、かなりテキトウで、そのへんもおれらしいとおもうのだが、自分としては興味津々で読み返している。

テキトウというのは、なるほど、かなりトンデモなおかしいことだらけではあるけれど、なかに一割あるいは一言でも、きわめて重要な指摘が含まれていることがある。脳みそが、編集者や読者の顔色や、自分の気取りや常識など、なにものにも縛られず、ぐわあああああと暴発、自由に沸騰しているなかでしか浮かばないだろうことがある。

それらを拾い集めてみると、それはそれは、たいへんおもしろいことになる。そうやって、自分では楽しめる。これからの企画や文章を書くときのネタになりそうな「宝庫」であるのだな。

とにかく、この連載は、ザ大衆食のサイトにタイトルなどを一覧にし、「書評のメルマガ」の掲載号にリンクをはるだけだったが、これを全文、ザ大衆食のサイトに転載し収録した。

「食文化本のドッ研究」にリンクがある…クリック地獄

この「食文化本のドッ研究」のページも、もう少しなんとかしたいのだが、手が回らず、ダッサイままだ。

このなかに、いわゆる「料理本」に分類される本が3冊ある。有元葉子さんの『有元葉子の料理の基本』と、瀬尾幸子さんの『簡単!旨いつまみ』と『ちゃぶ台ごはん』だ。

『簡単!旨いつまみ』は07年10月の掲載。瀬尾さんのレシピに、「スピード感とリズム感」を強く感じたので、タイトルに「スピード感とリズム感のある料理」とつけた。

そのとき、料理研究家によって異なる、レシピの表現が気になった。それは、作り方がちがえば、ちがうのはトウゼンなのだが、それだけではない。たとえば、興味があるひとは、サバ味噌煮のレシピをネットで検索してみよう。じつに、たくさんのレシピがある。そして、おなじような作り方なら、レシピの表現もおなじようであるかというと、なかには「盗作」のようなものもあるが、必ずしも、そうではない。

前にも、チョイと書いたが、レシピを「文学」としてみると、おもしろいことがみえてきそうだとおもった。とにかく、「料理研究家」という肩書をつかうなら、レシピがイノチのはずであり、そのレシピは、じつに文学的なシロモノではないのかと、気になっている。

今回、『みんなの大衆めし』では、瀬尾さんは、2回目の校正の段階になっても、かなりの直しをしている。その付箋がたくさん貼られた校正紙を、編集の佐々木さんに手渡すところは見てはいるが、直しの中身は見てない。その段階になって、どこをどう直したのか、気になっている。ただでさえ、瀬尾さんのレシピは、これ以上直しようがないだろうとおもわれるほど、シンプルなのである。だけど、たとえばレシピが、俳句のような性質を持っているとするとならば、推敲は、いくらあってもおかしくはない。レシピが俳句と大きくちがうのは、料理をする身体の動きを導かなくてはならないことだ。

レシピは、料理を言葉にして伝える表現形態であることには、ちがいない。叙情性の必要はないとはいえ、身体の動きは感覚をともなうし、言葉や文章の持つ、さまざまな感覚が含まれるのは、当然といえばトウゼンなのだが。

ま、きょうは、ごれぐらいで。

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