報道の質、仕事の質、新聞の質。
一つのことに関して、新聞各社の報道がちがう例は、よくあることだ。それ自体は、悪いことではないだろう。だけど、それなりに、根拠や論拠の質が問われる。
それに、これだけ、真っ向反対に書かれてしまうと、いやがうえでも、比較をしたくなる。一方は、これを「小規模」とし、一方は「大規模」とする。
ヨミウリは、お得意の「?」つきの見出し。「参加者は警察発表で7万7300人、主催者側推計でも約10万人にとどまり、昨年1月に雇用拡大を求めて100万人以上が街頭に繰り出した時などに比べ、はるかに小規模だった。」と、切り捨てている。
しかし、これ、もともとちがう性質のデモであり、デモのテーマもちがう、いってみれば分母がちがうものを比較して、大小を論じている。それなら、少数民族問題にしては、デモ参加者が多かったという見方も成り立つはずだ。そこを比較の対象にならない数字を持ち出して、「小規模」だったからと切り捨てている。日本国内なら、警察発表の7万7300人でも、たいした数字ではないのかな。
「政権は自信を深めている」については、誰が、そう言ったのかすらもわからない。おそらく、取材もしてないのだろう。だって、「小規模」だったのだから。マイニチ会社の記事と比べたら、ヨミウリ会社の記者は、デモの現場に行っているかどうかすら、あやしいぞ。
こんな記事が、社内のチェック体制を経過して堂々と載るのだ。「?」付きで。食べられるかどうかわからない粗悪品だけど、イチオウ「?」付けて、あらかじめ自社を免罪し、読者の責任にしてしまいましょう、ということなのだろう。
いや、ヨミウリが何を報道したいかは、とてもよくわかる。つまり、ともあれ、「小」は、とるに足らないというヨミウリ会社の「姿勢」「価値観」を、報道している。それから、もしかすると「?」付きだけど、サルコジ政権に擦り寄りたい事情があるか、サルコジ的なことを積極的に支持したい。とにかく、「社会党など左派政党や労組、人権団体」などは大嫌いであるとか? そうした自社の報道機関としての質が問われる恣意的内容については、「?」付きで、当事者責任を回避する。
そう考えればよいのだ。それは、それで、アリ、なのだろう。それにしても、これは報道内容が正しいか、正しくないか以前の問題だ。よく調べ、よく吟味し、よく作る、どんな仕事でも基本だと思うが、その質に関わることではないか。ものづくりのメーカーなどではありえない粗悪が、新聞では、まかり通る。きっと、読者がバカなのである。そして、読者はバカだから、このていどでよいのだとヨミウリ会社は思っているように見える。
マイニチ会社だって新聞各社、おなじようなことをやるけど、とても、よい勉強になる、両者の報道だった。
いつも人様の傷をみつけては、傷口に塩をすりこむように騒ぎ立て、自分のことは「?」を付けて当事者責任能力のなさを露呈し逃げる、いやはや、こんなものが800万部だか1000万部だとか。活字文化の頂点に立つ新聞がこれなら、その衰退も、悲しいことだが、やむを得ないか。どう見ても粗悪品じゃ、支持しようがないもの。
◆ヨミウリ会社
(2010年9月5日21時55分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20100905-OYT1T00532.htm
(見出し)
「ロマ人追放」仏世論は容認?抗議デモ小規模
(記事本文)
【パリ=林路郎】フランス各地で4日、サルコジ政権が犯罪対策として進めるロマ人不法滞在者の送還に抗議するデモが行われた。
だが、参加者数は比較的小規模で、世論の大勢が送還を是認する実態を反映する形となり、政権は自信を深めている。
デモは最大野党・社会党など左派政党や労組、人権団体など約60の組織が呼びかけ、参加者は、「国による人種差別をやめよ」などと書かれた横断幕を掲げてロマ人追放への反対を訴えた。しかし、参加者は警察発表で7万7300人、主催者側推計でも約10万人にとどまり、昨年1月に雇用拡大を求めて100万人以上が街頭に繰り出した時などに比べ、はるかに小規模だった。
仏政府のロマ人追放に抗議するデモは4日、ベルギー・ブリュッセルやポルトガル・リスボンなど欧州各都市でも行われたが、やはり規模は限定的だった。
◆マイニチ会社
毎日新聞 2010年9月5日 20時33分(最終更新 9月5日 21時04分)
http://mainichi.jp/select/world/news/20100906k0000m030042000c.html
(見出し)
.フランス:ロマ追放で大規模デモ 移民排斥政策に批判
(写真キャプション)
サルコジ政権のロマ追放に抗議し、デモを行うロマの人々や支援団体=パリで2010年9月4日、福原直樹撮影
(記事本文)
【パリ福原直樹】フランス全土で4日、国内を放浪するロマ族の国外追放や、移民出身の犯罪者の「国籍はく奪」などを打ち出したサルコジ政権に対する大規模な抗議デモが行われた。欧州各地の仏大使館前でも同日、同様の抗議行動があり、「移民・外国人排斥」施策への国内外の批判の高まりを改めて示した形となった。
抗議デモはロマを支援する人権団体や労組が組織し、フランスでは、内務省によると7万7300人(主催者発表10万人)が参加した。うち5万人に上ったパリでは、サルコジ政権による不法キャンプ撤去で行き場を失ったロマも参加。「ロマ追放反対」「フランスは非人道的な政策を続けている」などの横断幕を掲げた。
また、ロンドン、マドリード、ブリュッセル、ベオグラード、ローマなどの仏大使館前でも仏政府に「人権擁護」を訴えた。
パリのデモに参加したロマの男性(21)=ルーマニア出身=は「サルコジ政権の政策は人種差別であり、このままだと暴動が起きる」と発言。支援団体「市民権と援助・団結」の幹部、シャバン氏(55)は「政府はロマを拒絶するだけで、受け入れ策を見いだそうとしない。(異民族排斥を訴え)ナチスが台頭した時代と似ているのでは」と話していた。
フランスでは7月、アラブ系の移民や国内を放浪する「非定住者」による暴動が発生。政府は(1)ロマなどの違法キャンプ撤去(2)移民出身者が警官を殺害した場合の国籍はく奪--などの方針を示し、イスラム教に基づく「一夫多妻主義」を実践する移民の国籍はく奪も示唆していた。
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それゆけ30~50点人生。

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