『汁かけめし快食學』は画期的だねえ。
ひさしぶりに「味噌汁ぶっかけめし」について書く原稿を頼まれて、『汁かけめし快食學』を読み返した。自分が書いた本なのに、自分で、いやあ、これこそ「名著」というにふさわしいと思ってしまった。ま、日本の料理や味覚、料理史や食事史を語るなら、やっぱ、この本を読まねば、ダメだね。
ちゃんと、「料理とは」といったことや「料理と味覚」「食事の様式」など、基本的なところを、シッカリ押さえている。時代や社会の変化と食文化と味覚の関係への目配りもできている。これを読めば、「丼」チェーン店が、なぜイマ支持されるかの必然も明らか。もちろん、「汁かけめし」については、もうバッチリ。とかとか。
だけど、前にも書いたような気がするが、この本は、チョイと複雑な書き方をしているもんで、そのう、嫌われるところもあるだろう。某氏は、「戦略的書き方」なんて評したけど、それほどのものじゃない。国営放送やマスコミが流す言説にまどわされず、「真実」を探究する興味があれば、ふつうに理解できるはずだとおもう。ある一面、この本は、江原恵さんの『庖丁文化論』や、江原さんの主張である「生活料理学」の、ブレイクダウン解説のようなところもあるのだな。
それはともかく、「ひさしぶりに「味噌汁ぶっかけめし」について書く原稿を頼まれて」と書いたが、ふりかえってみると、汁かけめしについて、テレビやラジオの出演はあったし、週刊朝日の「猫飯特集」や新潟日報の「卵かけご飯」特集で、能書きコメントをしたことはあるが、味噌汁ぶっかけめしをテーマに書くチャンスは、これまでなかったのだ。まったく無視された数年間、わったしはいつも無視されても耐えています。
これほど丼物やカレーライスなどを好んで食べながら、それほどまで「汁かけめし」に無関心であり、おれの『汁かけめし快食學』は信用されていないということだろうな。そりゃまあ、そうかなと、この日本のアリサマを見れば、おもう。でも、もちろん、ありがたいことに、ちゃんと理解してくれている読者もいる。
ま、とにかく雑誌に、「味噌汁ぶっかけめし」について書くチャンスが、初めてまわってきたのだから、ハテ、うまく書けるかなあ。掲載誌は、締め切りまでに原稿を書き上げ、無事に校正がすんだら、告知します。
| 固定リンク | 0
この記事へのコメントは終了しました。
コメント