地震で印刷が危なかった、『四月と十月』4月号Vol.24発行。
今回の号は、あいおい古本まつりに間に合わせるため、早めに進行した。で、まさに印刷にかかろうかというときに、11日の地震だった。
あいおい古本まつりに、印刷を担当している大洋印刷の営業の方が来ていて、話を聞いたのだが、とにかく紙が入らなくなったので、あるだけの紙で刷ったのだそうで、いつもより刷部数が少なくなったとか。だから、ちかごろ人気上昇中のこともあって、前号も残りわずかになっているのだけど、この号は、たちまち入手困難になることも考えられる。
とにかく、この表紙だけでも、500円出したくなるでしょう。久家靖秀さんの写真。「帽子というか彫刻?」と久家さんも書いている。スソアキコさん制作の帽子を、モデルごと、大胆なシルエットで撮影。
なかを見ると、なーんと、同人の方が、それも若い女子が増えている。初登場の面々をあげると。イソノヨウコさん、イラストレーター・音曲家は、柳家小春さんでもありますね。加藤休ミさん、クレヨン作家。白石ちえこさん、写真家。早川朋子さん、セラミックアーティスト。福田紀子さん、画家。
そして、これまでのメンバーは。石田千さん、エッセイスト・小説家。稲村さおりさん、画家。川原真由美さん、グラフィックデザイナー・イタストレーター。久家靖秀さん、写真家。鈴木安一郎さん、アーティスト。瀬沼俊隆さん、美術家。田口順二さん、画家。立花文穂さん、アーティスト。牧野伊三夫さん、画家。松本将次さん、会社役員。ミロコマチコさん、イラストレーター・絵本作家。
以上のみなさんは、「アトリエから」に美術作品と文章を載せている同人のみなさんです。たぶん、初めて、女子の方が多くなったのではないのかな。なので、なんとなく、とくに文章の感じがちがうもので、雰囲気が変わった感じがした。加藤休ミさん、ミロコマチコさん、名前も楽しい方も。
とにかく、久家さんの文章が、スッゴク、かっこいいのだ。もう表紙と、この文章で、500円は安い!という感じ。「今日のつまみ」のタイトルで、「鶏の骨付きもも肉が目に入ると、どうしても買ってしまう。」と書き出し、それを料理する。その料理も、レシピにもなる文章も、かっこいい。クーッ、にくたらしいほど、かっこいい。かっこよすぎるぞ~、久家さん。
ま、買ってみてください。
牧野さんが訪ねて書く、「仕事場訪問」17回目は、「湯町窯の画家 福間貴士」。
特別読物?のようなものがあって、「きのこ対談」。『四月と十月』の2、3号前の表紙を飾ったきのこの写真は、鈴木安一郎さんの作品だが、鈴木さんは大のきのこマニアというか、きのこ採集家というか、なんというのか、そうなのだ。そして、いまをときめく、写真家評論家でありながらきのこ文学研究家として聞こえる、飯沢耕太郎さんの対談。これを、南陀楼綾繁さんが構成している。おもしろまじめあそびな楽しさ。
連載、有山達也さんの「装幀のなかの絵」は、「入院はヒマ?」のタイトルで、有山さん、スキーで、かなりヒドイ骨折をして、手術入院したのです。
連載、言水ヘリオさんは、仙台にいて、地震でどうなったかと思ったけど、大変な中で無事に過ごしているようだ。この原稿は、とうぜん地震前のことで、仙台の文化横丁のバー「smoke」が登場する「タバコに火をつけるとき」。
みなさんかっこよくやっているなかで、おれの泥臭い野暮な連載「理解フノー」の6回目は、「あとをひく[つるかめ]の感傷」。建て替えで消えた新宿ション横のつるかめにあわせ、当ブログに以前書いたものをアレンジした。
まいどのことながら、充実の見応え読み応え。
四月と十月オフィシャルサイト(まだ、この最新号は掲載されてないようだけど)
http://4-10.sub.jp/
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