GWは、東大宮がオススメです。
そりゃまあ、いろいろ行くところがあるでしょうが、まだ行き先の決まっていない人には、東大宮がオススメです。
東大宮のおもしろさや魅力は、「昭和」もない「平成」もない、「都会」でもない「田舎」でもない、ただ「まち」であるということなんですね。こういう「まち」は、いくつかあるような気がするけど、東大宮は、その特徴がきわだっていて、とてもおもしろい。「まち」考現学的価値が高いと思います。
まず、この「まち」には、まちをシンボライズするような、施設も建物も構造物も、文化も歴史もない。見方によっては、「なにもないまち」「中途半端なまち」ということになるだろう。
そこなのだ、おもしろいのは。ここには、「個」が集まって「まち」を成す、が息づいている。ようするに、駅と道路はつくられたが、あとは大きなビルやマンションが建つわけでなく、それぞれが好き勝手にやっている。だから、「まち」としては昭和も平成もないが、すごい昭和な店もあれば、平成な店もある。駅から歩いて10分圏内に、なし畑やぶどう畑もある。
メディアから飛び出したような、コギレイなオシャレだけで個性もなければ生活臭のない店や人とはちがい、味わい深い個性が、万華鏡のようにキラキラ輝いているのではなく、のんべんだらりんと混在しているまち。誰も「地域の発展」や「ブランド」や「イメージ」なんか考えていそうにない、とても得がたいのんびりな雰囲気が漂っている。
過剰な自意識の集合のような祝祭やアートや文化がでしゃばったりしない、普通の勤労者のまちなんだな。いつも、とても日常的なまちである。
ところが、このまちは、なかなか「グルメ」なまちで、いまやラーメン激戦地なのだ。インド料理アジア料理も競い、居酒屋ときたら低価格帯から中価格帯にひしめきあっているのが甲乙つけがたい。焼肉屋、韓国家庭料理、中華も個性的な店だねえ。とんかつ屋もうなぎ屋も、なかなかよい。そうそう、東大宮といえば、ホルモンセンターもある、ホルモン系をはずすわけにいかんな。うまいパン屋も菓子ケーキ屋もあるねえ。寿司屋も何軒か、おやきの店もあるな。「エコ見沼」の無農薬有機栽培などの店も人気だ。とにかく大賑わいはなくても、個人や小規模経営の路面店が元気だ。
そして、東西の駅前広場に面して「松屋」「すき家」「なか卯」があるほか、マクドナルドもモスバーガー、サイゼリヤ、バーミンヤン、牛角、銚子丸、はなまる、ぎょうざの満州などのチェーン店。ま、たいがいのものがある。
大学や私立の中高もあるせいか、若者も多いし、若いファミリーも多いし、老若男女のバランスがよいようだ。それから、なんといっても、東京から続く家並の「まち」が、ここ東大宮まで続いて途切れる「都鄙臨界地帯」の様子も一見の価値がある。
ま、こういう、「なんにもない」が、ひどく寂れているわけじゃない「まち」を散歩しながら、「普通のまち」について考現するのも、よいんじゃないかと。とくに東京の人は、東京に人を集めるようなことをしては、周辺から東京に集まるのがアタリマエという「まち」を考えやすい、自分中心のまちの見方が染み付いているようでもあるから、自分から周辺に足を運ぶという意識を持つことも意味があるだろう。
と、ほんとはジョーダンのつもりだったが、マジメな話になってしまった。
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ほか、右サイドバー→カテゴリーの見沼区・宇都宮線・東大宮
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