「不況に強い、と言われる粉もん」ってわけで、粉もん焼もん。
発売中の『ミーツ・リージョナル』5月号は、「関西ナポリ化進行中。 ザ・ピッツァ!」特集だ。その編集前記は、「関西人の新たなソウルフードがナポリピッツァだ。」の見出しで、「不況に強い、と言われる粉もん。そして、関西人は粉もんが好きだ」という書き出し。
はっきりどこに書いてあったかの記憶はないが、確かに、粉もんは不況に強いといわれてきた。「貧乏人は麦をくえ」といった大臣もいたぐらいであり、米を作りながら、米をくえない貧乏人は、粉もんを食べてきたということもある。不況とか、関西とかに限らず、粉もんは貧乏に強いといえるか。
それとは直接関係ないが、お好み焼、広島焼、どんどん焼、ちぢみ、フライ・・・どんな名前がどれだけあるか知らないが、近頃そのたぐいが気になって、折あるごとに、あれこれ作ってみている。これが、やりだすとおもしろくてたまらん。
基本は、溶いた粉を、フライパンの上にのばし、その上に具をのせて焼くか、溶いた粉に具を混ぜて焼くか。その具を、あれこれ変えたり、組み合わせたりする。これに味付けやソースとの組み合わせが加わるから、やりようはいろいろあって、切りがない。
おもしろさの一つは、焼き方で、かなり味や食感が変わることだ。その微妙なこと、焼きあがって窯から出すときのコーフンが病みつきになるといわれる、陶器などの、「焼き物」に似ているかも知れない。おなじように焼いたつもりでも、いちいち微妙にちがうのだ。
あれこれやってみながら、うーん、料理のおもしろさは、やはり熱の利用の仕方かも、と思ったり。
きのう、仙台で被災後、初めて来京した言水ヘリオさんを囲んで「路地と人」で飲み雑談した。正しくは「新年度会」なのだが。それはともかく、地震のあと、電気だけ先に通じたし、米が手に入らないこともあって、しばらくのあいだ、名前はなんていうのか、粉をセットしておくとパンが焼きあがるやつで、パンを焼いて食べていたそうだ。このパン焼き器は失敗することなく、うまく焼きあがるとか。
とにかく、やっぱり米を食べないと落ち着かない新潟の米どころ育ちのおれだが、うまい米が貧乏に強いということでないと、「米は主食」の行方は、農業の行方とも関係し、じつにおぼつかない。と、おもいながら、こんどは、どういう具で、どんな風に焼くか、アレコレ考えているのも楽しい。
それに、もし粉もんが不況に強いとなれば、これから大いにやっかいにならなければならない。
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