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2011/12/30

そら~、くも~。

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関東の空っ風、北からの強い季節風に吹かれ、流されながら散り散りにされたような雲。下の写真は、横から見た。一昨日、ウチの近所で撮影。風は冷たいが、陽射しは、春に向かっているようだった。

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2011/12/29

千葉県立中央博物館「古墳に眠る石枕」展に行った。

Dscn0056一昨日のことだが、ひさしぶりに古墳部活動に参加、千葉県立中央博物館で開催中の「古墳に眠る石枕」展に行った。

11時20分、千葉駅改札集合だった。余裕を持って9時前に家を出た。早く着きすぎたので、立ち食いそばなんぞを食べて時間をつぶす。部長のスソさん、瀬尾さん、宇田さん、畑井さんが揃い、まずは昼食ということで、少々歩いて「阿づ海」というそば屋へ。おれは立ち食いをやったばかりだったが、カツ丼をガツンと腹に詰め込む。古墳部は、よく歩くし、立ちっぱなしの時間が長いから、腹ごしらえは十分すぎるぐらいがよい。初対面の米沢さんが合流。

Dscn0059_3総勢6名、千葉駅にもどり、バスに乗る。千葉大病院前のバス停で降りて、10分ほど歩く。そこは、広大な台地の上だ。千葉の台地の上では、海の風と太陽の光を感じることが多いが、今回もまた。埼玉とは風土がちがうと思う。歩くと、右前方、住宅が切れて森林が広がる。「青葉の森公園」という、その中に、博物館はあった。かなり広い敷地に、石造りの平屋の建物。「千葉は無駄に広い」という感想で、贅沢に思ってしまうのは、日頃がセコイ環境にいるからにちがいない。

Dscn0067_2畑井さんの知り合いの学芸員さんとの待ち合わせに時間があったので、敷地内にある荒久古墳へ。とにかく無駄に広い、博物館の受付でもらった公園の案内図を見ながら行くのだが、途中で方向がわからなくなり、掃除のおじさんに尋ねる。すると、「その道を上がったところ」と指差す。そちらを見ると、まぎれもない古墳の姿が。誰からともなく、「あったー」と声が上がり、おじさんにお礼もそこそこに、われ先にと駆けだす。なぜか古墳の姿を見ると気分が高揚するのだ。古墳は初めての米沢さんが、「わかったぞ、この高揚感」とか言いながら早足、もう古墳にハマった感じ。

荒久古墳は、この公園でも最も見晴らしがよいと思われる場所にあった。一辺が20メートルほどの方墳(円墳という説もあるようだが)。この件については、日をあらためて、写真を掲載する。今日は、石枕。

Dscn0077_2石枕は、埋葬のときに、遺体の頭をのせた、まさに石の枕。西日本や北陸では石棺に造り付けや別に造ってはめ込んだものもあるが、千葉では、木棺から石枕だけが多く発見された。滑石という比較的柔らかい石を削って作られている。全国に「120例ほどありますが、そのうちの約半数は千葉県内から発見されており」というもの。

しかも、千葉では「5世紀前半頃に始まり、6世紀の前半頃で姿を消す」、約100年間だけのもの。もっとも、他の地域では、それ以前に多く、この時期には姿を消しているようだ。古代のセレブの流行現象か。それが、ズラリ展示されている。

Dscn0104千葉では、特定の地域に集中的に発見された。つまり、房総は、現在の水位が10メートル上昇すると島になるといわれるが、かつては島であり、海面の後退と共に現在の姿になった。古墳時代には、霞ヶ浦や印旛沼や手賀沼などは一つであり、銚子のへんで外海とつながる大きな内海を成していた。「香取海(かとりのうみ)」と呼ぶのだが、その房総側の海沿いの古墳に、石枕が集中的に発見されているのだ。石枕は、粗っぽい造りのものもあれば、かなり丁寧に造られ文様が入ったものもある。

石枕と共に、「立花」と呼ぶ石細工品が見つかっている。これは、石枕の周辺部にある小さな孔に立てられたものだとわかっているが、発見の状況や調査によって、埋葬の以前の「もがり」と推察できる葬喪の礼のときに、そのように使用されたあと、孔からはずされ、一緒に埋葬されたようだ。それも、孔の数と立花の数は不揃いなので、テキトウだったと思われる。

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Dscn0081立花は勾玉を平らに削って、背中あわせか向かい合わせに結んだような形をしている。これを枕石の孔にさすと、死者の首飾りのようでもある。生前の勾玉の首飾りを連想できそうだが、それなら、なぜ生前使用のものを、そのまま首にかけるなりして埋葬しなかったか。そもそも、これは花を模ったものなのか。謎だらけ。

おれが興味を持ったのは、立花と一緒に発見された石製模造品だ。これは石の斧や刃物などの道具や飾りのミニチュア。これらと石枕や立花と合わせて考えると、いずれも技術が必要な石細工のものなのだ。しかも、その石は、もともと房総地方では石の産出が乏しく、秩父や群馬など、よその地域から運ばれたもの。石は重いものだから、香取海を利用して舟で運ばれたのであり、石枕が発見された地域では、たくさんの玉作遺跡や石製模造品製作遺跡が発見されている。つまり、海運の海人や、石の工房があり工人がいたにちがいないのだ。香取海の海人そして石の工房と工人。

さらに、石枕が発見された古墳の多くは、数十メートル以下の比較的小さなものだ。強大な権力や、畿内とのつながりの強さを思わせる、埋葬品も派手な、大型の前方後円墳ではない。見ていても、強い「国力」を持った武人の面影は浮かばない。となると、古墳の主は、この地域の海人や石の工人の親方のような豪族の長か親族あたりだろうか・・・と、おれの妄想は、いま茨城つまり常陸と、千葉つまり房総の境目になる、この「常総」地域へと、どんどん広がるのだった。香取海、常総・・・、なにかありそうだ。香取神宮と鹿島神宮と、その周辺を、あらためて見直したいなあ、とか。

Dscn0074学芸員さん、すみません、スソさんは名刺交換していたけど、お名前を思い出せません。たしか、課長さんでした。2時間ほど、展示場を歩きながら、丁寧に説明くださり、お疲れだったと思う。ありがとうございました。

おれたちは、まいどのように遠慮なく質問したり自分の考えを述べたり。いま、ここに書いたのは、その話も含め、ほんの一部。いやあ、楽しかった。大いに刺激になった。古のことは現代に通じているし、おもしろい。いろいろ妄想もわいて、さらに行ってみたいところができた。

Dscn0103_2学芸員さんと記念撮影をして別れたあと、常設展の縄文弥生を見て、夢中から醒め気がつけば、喉はカラカラ、疲れた。16時がラストオーダーの喫茶室にギリギリ入り、みなさんはクリームソーダー、おれだけビール。

バスで駅にもどり、近くの沖縄料理店が17時開店というのを、無理矢理15分前に開けてもらい、カンパーイ。ビールがうまい、腹減った。沖縄料理スタンダードを次々に食べながら、大いに呑んで楽しい語らい。まいどのことだが、これが、いいんだなあ。はて、21時頃までいたか。家に帰り着いたのは23時頃だった。

いずれ、「ほぼ日刊イトイ新聞 スソさんのひとり古墳部」でスソさんの正確かつ楽しい報告があるでしょう。…クリック地獄

千葉県立中央博物館のサイトは見にくいが、この展示は2月26日(日)まで。…クリック地獄

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2011/12/26

「肉の津南」のうまさとおもしろさ。

Dscn0043きのうの続き。タノ野暮酒場の隣の「肉の津南」のことだ。津南は、おれの故郷の南魚沼市は六日町に隣接している。おなじ魚沼地方なのだ。そこの出身のおばさんがやっているというので、酒のつまみの足しになる買い物がてら行ってみた。

正確には、肉の津南小岩店だ。やはり津南出身の「津南」という肉屋さんが、同じ江戸川区のどこかにあって、そこからの暖簾分けらしい。

タノさんがいうには、牛肉は置いてなくて、豚と鶏だけ。マカロニサラダとポテトサラダが人気で早く売り切れる。肉屋なのにあじフライがうまい。ということだった。

なるほど、まだ18時前だったと思うが、マカロニサラダとポテトサラダは売り切れだった。精肉は、売り場の2、3割ぐらいか。揚げ物メニューが多い。あじフライをたのんだ。注文してから、衣をつけて揚げるのだ。揚げ物は、ほとんど、注文してから揚げるようだ。

Dscn0046待つあいだ、おばさんと魚沼の話などしながら棚を見る。「苗場のもち」というのがある。おばさんが、「苗場のほうが知られているからね」と言った。津南高原農産というところがつくっている。白、玄米、粟、草などが揃っている。

ほかに、「やまちゃん」という豆腐があった。江戸川区内の豆腐屋のものだが、このパッケージに「手づくりとうふ 清津峡」とあるのだ。清津峡、山をやるひとなら知っているひともいるだろう。「日本三大渓谷の一つ」といわれるが、津南の近くにある。やまちゃんも、おそらく、そのあたりの出身なのだろう。

これらが、どうしてここにあるのか。とにかく故郷の縁にはちがいないのだろうが、それは、東京の街の表層からは見えない、人のつながりが続いていることを意味しているようだ。おれの頭の中を「編集されざる縁の多様性」という感じの言葉がよぎった。

Dscn0047つまり、何者かによって、意図された意志や目的が明確な計画にそって編集されたものとはちがう情報の流れが、街の見えないところをつくっている。のではないか。だけど、美しい売り場や本あるいはテレビ番組やテーマパークのように、計画され編集された強い意志に働きかけられ、それを受身に消費することに慣れてしまった人びとにとっては、なんとも雑然とした程度の低いダサイものにしか見えない関係。この売り場では、逆に、そういうことが息づいているのだ。成り行きでメニューが増えた、個人店の大衆食堂のように。

東京の東のはずれ。東へ10分も歩けば江戸川で、その向こうは千葉県だ。しかも商店街からもはずれて。客が押し寄せるようなことはないのだろうが、おれがいるあいだに、誰かしら来て買って行った。細々とした商いだとしても、成り立っている背景は、けっこう深く広いようだ。

あじフライは、確かに、うまかった。揚げたて、ということもあるが、揚げぐあいがよいうえに、小ぶりで身が厚くて、あじの旨味がタップリ味わえるのだ。肉屋なのにあじフライがうまい。これは、また、そこに何か「編集されざる縁の多様性」があるような気がして、気になっている。

また出かけていって、もっと話を聞いてみたい。そもそも、このおばさん、60歳近くに見えるが、小岩あたりの津南のつながりも気になる。拙著『大衆食堂パラダイス!』の25ページには、さいたま市与野にある、津南出身の「あたりばちラーメン」のおやじが登場する。

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2011/12/25

酒のまにまに。小岩に野暮連の居場所ができた?

今月になってから休まず呑んでいる。よく続く。忘れないうちに主な泥酔だけ簡単に書いておこう。

12月14日は、地元のちゃぶだいとその常連さんたちとじょうじょうの忘年会だった。19時から、さいたま新都心の仁左衛門の吟亭。吟醸も含め純米酒15種が飲み放題という豪華豪快。えーと、立山、出羽桜、山形の男山、一の蔵、船中八策、上嬉元・・・思い出せない。とにかく5勺のグラスで一杯ずつ呑んでも7合5勺になる。まずは生ビールで乾杯。平成元年生まれの女子が最年少でおれが最高齢、総勢18名。呑んだ呑んだ。若い連中は、よく食べたし。22時すぎに終わり、おれも含め8名ほどで、東大宮のヒバゴンでさらに呑む。25時ごろかな、とにかく記憶がない、おれは眠くなって、お先に失礼。

Dscn075017日のさばのゆ@経堂での古墳ナイトは、すでに書いた。19日、先月『東京B級グルメ放浪記』(光文社知恵の森文庫)を出したばかりの鈴木隆佑さんと高田馬場で19時待ち合わせ。大活躍で忙しい鈴木さんとひさしぶりに呑むことができた。ほかに初対面の某出版社の編集さん。あとから初対面のカメラマンさんが加わる。駅近くの店の名前は忘れた。蝦夷鹿だの熊だのラクダだの鯨だの豚足だのを野獣のように食べながら、野獣のように呑む。みな山好きおやじで、もっぱら話題は登山のこと。とてもワイルドな愉しい呑みだった。23時ごろ、おれは電車の時間で、お先に失礼。

『東京B級グルメ放浪記』は、テレビの王様のブランチでも紹介され、発売早々に重版がかかる好調の売れ行き。うしろの「参考文献」には、おれの『大衆食堂パラダイス』『汁かけめし快食學』『大衆食堂の研究 東京ジャンクライフ』と、関係した『東京・横浜百年食堂』や『東京定食屋ブック』が載っている。鈴木さんは、食専門のライターではないし、鋭いジャーナルな視点が持ち味であり、この本も、単なるうまいもの巡りのB級グルメ本とはちがう。

21日。中野のやどやゲストハウス関係者の忘年会。早めに行って、やどやへ。ゲストたちがたむろする奥の部屋で、ボスとビールを呑む。同じテーブルにスペイン人と日本人だが日本には3年間ぐらいしか住まず今はニュージランドから来ているゲストが、買ってきた弁当や惣菜を広げて食べだす。刺身と天ぷらとおこわの混ぜごはんとやきそば・・・など。台湾からワーホリで来ている女子が、日本は4回目で岡崎も八丁味噌も好きだという。そのうちタイの黄色の僧服をまとった坊さんがあらわれフランス語をつかう。ホステルらしい風景だ。

沖縄へ遊びに行ったまま滞在してしまい1年以上すぎたか、元不動産屋のN氏が帰京して、彼の元部下のA氏と到着。ボスとまりりんと、19時ごろ駒忠へ移動。呑んだ、食った、しゃべったという感じ。途中で地元の不動産屋の社長も顔を出し、アクの強い不動産屋3人になり、じつにアクの強い呑み会となった。ほぼN氏の独断場。10時半頃、おれの電車の都合でおひらき。新宿でA氏と別れたあたりから記憶喪失帰宅。

昨日、24日。野暮連小岩支部長のタノさんが、居酒屋を開業するってんで、野暮らしくクリスマスイブにグランドオープンときた。こんな日に集まるのは、女にもてない野暮な男に決まっている。都内で用を足し、小岩へ。駅から10分ちょい歩き商店街から外れた、東小岩5丁目。着いたら、タノさんとコンさんのみ。野暮連のメーリングリストで告知しただけというから、ま、そんなところだ。

一軒家の住居兼店舗を居抜きで借りた物件。カウンターと小上がりと奥に、さばのゆぐらいのイベントがやれそうな広い部屋があって、なかなかよい。居酒屋開業たって、ライター稼業をやりながら週2日ぐらいの開店だそうで、つまみも乾き物中心に、ようするに角打ちのようなものだ。焼酎はキンミヤ、清酒は清龍、シンプルに安酒のみ。ま、やりながら、ゆるゆる楽しみながら整えていく感じか。こうやって、ひとが集まる場所をつくるって、なかなかけっこうなことだ。来年は、ここでイベントをやろうと話し合う。おもしろくなりそう。

Dscn0049ビール小びん350円、ホッピーセット350円、中150円だったかな3杯、清龍はいくらだったか忘れた150円か200円で9勺を3杯、これらを呑んで、酔いがまわったところで、駅近くの地蔵通りの居酒屋へ移動。レバ刺を食べた。何を呑んだか、思い出せない。とにかく、ベロベロだった。

なのに、いや、だからか、東大宮に着いてちゃぶだいへ行ってしまった。でも、もう呑めなくて、ビールと清酒を一杯呑むのがやっとだったと思う。朝目が覚めたら布団の中だった。

このタノ酒場の隣に「肉の津南」という新潟の津南のひとがやっている肉屋があるのだが、これがなかなかよい。その話は、明日にしよう。たぶん。

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2011/12/24

『大衆食堂パラダイス!』礼讃。

『大衆食堂パラダイス!』は、9月10日の発売から3ヶ月が過ぎた。版元の情報では、意外に好調の出だしだったし、最近も「売れ行きは引き続き順調」ということなのだが、まだ重版とまではいかない。

毎月新刊本がドサドサ出るなかでは、連載などで紙誌に登場する機会もなく知名度の低いライターの本は、簡単に忘れられる。しかもおれの周りは、おれの偏屈で人徳のなさもあって、呑むときの付き合いはあっても、本の応援にはいたらない野暮な連中ばかりだ。いや、そりゃ、本に魅力がなくて、人にはすすめられないということなのだろうけど。

ところが、このあいだ、ツイッターで「名著です!」とツイートしている方がいた。しかも、まったく存じ上げないひと。アカウントがnanseido(南西堂)さん

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2011年12月14日(水)

遠藤哲夫『大衆食堂パラダイス!』(ちくま文庫)読了。面白かった! 大衆食堂についての考察なのだが、それに関わるさまざまな人の人生までも感じさせ、都市と食にまで考察は広がる。著者は「大衆食堂の詩人」と自らを称すが、読み終わったあとには良質なエッセイを読んだ気分になる。名著です!
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http://twitan.jp/nanseido/status/146630265752662018

いやあ、このようにキッパリおっしゃってくれる方もいらっしゃるのだ。親しいひとでも、こう言ってくれるやつは、いない。なんにせよ、売れない孤独なライターにとっては、このうえない励まし。ありがたいことだ。

しかし、やはり、もっと売れて重版にならないと、次はない。
はたして、おれの来年の運命は?

あるひとにとっては名著でも、あるひとにとってはゴミにすぎないのが、本の運命。そして、ライターの運命。

先日、校正を終えたのだが、1月10日頃発売の『本の雑誌』2月号に、「めしと本の悩ましい世迷言」というタイトルで書いた。たぶん、何を言いたいかよくわからないというひとが少なくないだろう書き方をして、しかも「本好き」や「読書家」や彼らが好む、本を愛する書店のみなさまなどに嫌われそうなことを書いてしまった。これだから、ますます売れないライターになるのだ。がははは・・・。でも、愉快だね。勝負は、これからだ。

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2011/12/18

今年最後の古墳トーク、新年の最初は木村衣有子さんとのトーク。

昨夜は、さばのゆ@経堂で、まりこふんさんと古墳でコーフンナイトをやった。正直なところ、身内的なお客さんが10人も来ていただいたら上等と思っていたのだが、とんでもない。ぎっしり満員で、おどろいた。遠くから「上京」して駆けつけてくれた、初対面の「後輩」がいたり。お寒いところ、おでかけいただき、ありがとうございました。

トークは20時スタートだったのだが、おれは18時半から呑み始めるべく行くと、まりこふんさんと初対面の宮澤やすみさんが、機器のセッティングをしてリハーサルの準備をしていた。宮澤さんは、男性だが小唄扇派三味線師範で、三味線とうたをやる。お二人は、「石舞台」というユニットを組んで、近々、古墳ブルースのCDを発売するのだ。

おれはリハーサルを見ながら、焼酎の湯割りからスタート。なにしろ身体が冷えていたからね。シノさんに続いてコンさんも来て、四方山話をしながら。

湯割りを2杯ほど呑んだかな。身体もあたたまり、まりこふんさんのトークでスタート。用意したスライドを使って。宮澤さんとおれも、テキトウに口をはさむ。会場からも、質問があったり、積極的なよい雰囲気ですすみ、そのかわり時間が押してきた。

おれは今回のためのスライドは作らず、去年9月スロコメ@下北沢で初めてまりこふんさんと古墳ナイトをやった時のスライドと、東京カルチャーカルチャーでの去年12月と今年4月と先月の古墳ナイトで使用したスライドを持って、時間に合わせてテキトウにダイジェストをやるつもりだった。結果、スロコメでのものを大幅にカットしながらと、先月の「妄想編」を圧縮して、ちょうど時間となった。今回は、少しだけだが食にからめた話もした。

もちろん呑みながらで、生ビールを2、3杯呑んだか。妄想編のころには、けっこう酔っていた。そのあと、まりこふんさんと石舞台の古墳ブルース。3曲だったかな。おれは、もうトークが終わったから、清酒の獺祭にして、絶好調のまりこふんさんのうたを聴きながら、ますます酔いは深まるのだった。

22時少し前に終了。それから懇親的呑み会になった。が、おれは22時半に出ないと帰りが大変になるので、お先に失礼。24時ちょうどぐらいに東大宮着。

ところが、どうしたことか、足が勝手にちゃぶだいへ向かう。まあ、しょうがねえなあ。生ビール呑んで、清酒は1杯だけのつもりが、肴がうまくて、神亀を2杯も呑んでしまった。このうまい肴、鮟肝の旨煮というやつで、普通は酢醤油で食うものを、それじゃ面白くないという板長が旨煮にしたもの。これが、ほんとうまくて、その上、2人前もあろうかという盛りだった。おかげで泥酔記憶喪失ヨレヨレ帰宅。

さて、とにかく、これで、今年のトークは終わった。

新年最初のトークは、すでに告知したように、スロコメ@下北沢で、最後の「泥酔論」トークを21日土曜日にやる。今月、ちくま文庫から『もの食う本』を刊行したばかりの木村衣有子さんと、もの食う本、もの食うこと、料理などについてトコトン話し合うつもりだ。まちがいなく、面白く、濃い内容になるはず。みなさん、大いに参加してください。
2011/12/02
1月21日、木村衣有子さんをゲストに迎え、スロコメ@下北沢「泥酔論」フィナーレ。

来年は、たぶん古墳トークもやるでしょう。ほかにも、目下トーク企画が進行中。もしトークをやらせていただけるところがあったら、さらに積極的にやる、つもり。

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2011/12/14

やぶさい屋と牧野伊三夫展。

年末どんぎわ感が日々高まっているが、あわただしい中でも、のんびりやりたいもの。ってことで、今週スタートの展示が2つ。

明日15日から26日月曜日まで、谷中のやぶさいそうすけで、2回目の「やぶさい屋」の展示・販売。以前に当ブログに登場している知り合いが2人、参加します。縫物師?テラニシケイコさんのloosen upさんは、ガーゼ寝間着やベスト。佐倉の匡画廊の小迫愛子さんは、ガラスで。どんなものか楽しみ~。ほかに、バックや器や切り絵や帽子の作家さんたち。

「やぶさいそうすけ」さんは、こちら。
http://yabusai.net/

恒例の、表参道、HBギャラリーにおける「牧野伊三夫展」は、16日から21日金曜日まで。この初日に行って、牧野さんの絵と顔を拝見して、一緒に呑むと、ああ、今年も終わるのだなあという気分になるのだが、今回は初日に行けないのだ。でも、別の日に絵を見に行く。さて、今年は、どんな絵が?行ってみるまでわからないのが、また楽しみ。『四月と十月』や『雲のうえ』最新号など、牧野さん関係の出版物も置いてあるはず。

「HBギャラリー」さんは、こちら。
http://www.hbc.ne.jp/index.html

「のんびりやりたいもの」といいながら、あわただしいもので、本日は、これまで。

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2011/12/13

泥酔のまにまに。17日は、さばのゆ@経堂で古墳トーク。

胃の休まる間もなし。8日、16時に須田泰成さんと王子駅で待ち合わせ、山田屋へ。遅れて木村衣有子さん。とにかく呑んだ。高千代辛口も呑んだ。途中で、見たことがある客が入ってきた。多田正良さん。なんという偶然。おれも彼も、1年に何度も山田屋に来るわけじゃないのに、ここで会うのは3度目か?一緒に呑む。

Dscn074521時ごろか。かなり酔って、柳小路の福助へ移動。いまの経営になってから2度目だが、以前から山田屋と福助は泥酔コースだし、前回10月8日も泥酔記憶喪失帰宅だった。そして今回も。たしか須田さんは早めに帰り、あとは3人だったと思う。しかし、以前なら、福助で終わらず、さらにさくら新道のリーベへ行くのだが、近頃は、そこまでもたない。齡だなあ。

福助は、名前もそのまま、店内も壁の一部を取り除いただけで、前と変わらない屋台のような感じでやっている。

10日は、18時から、さばのゆ@経堂の十日町ナイト。大勢で、妻有ポークの鍋をタラフク食べながら、呑む。前にも参加したとき思ったが、この会は若い人が多い。つまり今後が大いに期待できるねえ。おれと同じ六日町高校出身の若い女子もいた。そうそう、十日町市長の関口芳史さんと奥さんもご来場だったが、若い。奥さんとは隣の席だったので、あれこれ話したが、快活な方だ。そうそう、TOTOの方も3人いた。TOTOといえば北九州、だけど2人は東京の方で「雲のうえ」はご存じなく、ところが、お一人よくご存知で2人に説明してくださる。この方が、なんと、TOTOの会長の木瀬輝雄さんなのでした。さすが会長、「雲のうえ」をご存知と、うれしかった。と、十日町から北九州まで、とにかくいろいろな人と話をして呑んだ。そうそう、埼玉の大宮あたりから経堂のさばのゆまで遊びに行くなんておれぐらいだろうと思っていたら、久喜の20歳半ばの女子がいて、埼玉はイイ話で盛り上がったり。

そしておれは、前半の2時間が過ぎた20時すぎに太田尻家へ移動。家長たちと、のんびりおしゃべりしながら、出羽桜を呑んで泥酔コース。たぶん終電一本前ぐらいの帰宅だったと思う。

翌11日。まだ酔いが残っている状態だったが、かつての上野地下食堂のグラミの常連たちのグラミ会が、上野駅で12時チョイ前の待ち合わせだった。えーと、11名ぐらいの参加だったかな。グラミの看板娘だったハナちゃんも、4歳と2歳の子どもを連れて。上野駅近くの、中華料理で、がんがん食べ、がんがん呑んだ。

やっと昨日のことだ。神田神保町「路地と人」で、『せんだいノート』わいわいに、16時から参加。『せんだいノート』のことは、ツイッターでつぶやいて、まだこのブログでは紹介してないが。「路地と人」の言水ヘリオさんが、去年の春頃からだったかな?仙台へ移住して、編集長としてまとめたものだ。ところが、まさに印刷に入ろうというタイミングで、3月11日の地震。ああ、これで、本としては世にでないのかという状況になったのだが、三樹書房という出版社から刊行の運びとなった、大いにいわくつきの、とても素晴らしい本なのだ。これを編集した言水さんの話をゼヒ聞きたいと思って行った。

いろいろな資料を拝見しながら、どんどん呑みながら話す。まあ、しかし、資料も、『せんだいノート』に載っているものや場所も、被災して失われたものがあるなか、みなさん無事でよかった。言水さんの話は、いろいろ参考やヒントになることがあった。

で、この会場に、野口英司さんがあらわれて、5年ぶりぐらいだろうか? さらに野暮連のタノさんもあらわれ、どんどん呑んで、ついに、野口さんとタノさんと三樹書房の方2人とおれは、近くの「酔の助」へ移動して呑み、泥酔帰宅となったのでした。

はあ、思い出して書くだけで疲れがまわる。

Dscn075010日、さばのゆへ行く途中、新宿のジュンク堂に寄って、四月と十月文庫『装幀のなかの絵』有山達也(港の人)と『東京B級グルメ放浪記』鈴木隆佑(光文社知恵の森文庫)を買ったが、呑むのと呑み疲れで、まだ読んでない。10日は帰宅したら、『装幀のなかの絵』が、牧野伊三夫さんから送られてきていた。ま、何冊あってもいい。鈴木隆佑さんとは来週会って呑むので、それまでに読んでおこう。

あ~、もちろん、この間に、ちゃんと仕事もしているわけだが、その件については、また。

さてそれで、今度の土曜日17日は、さばのゆで、まりこふんさんと古墳トーク。ま、おれは「付き添い」という感じで、気楽にやります。遊びにきてください。

来月21日は、スロコメ@下北沢で最後の「泥酔論」。木村衣有子さんと彼女の新刊『もの食う本』を語りつくす予定。18時スタート。
2011/12/02
1月21日、木村衣有子さんをゲストに迎え、スロコメ@下北沢「泥酔論」フィナーレ。

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2011/12/10

『dancyu』1月号の新刊案内に『大衆食堂パラダイス!』が。

Dancyu_book一昨日だったかな? 12月6日発売の『dancyu』1月号をいただいた。はて今回は寄稿してないはずだがと思いながら開いてみると、編集さんの手紙があって、新刊案内に『大衆食堂パラダイス!』が載っていた。ありがとうがざいます。

今号の特集は、「鍋」。昨日の午前は、関東でも雪がちらついたところがあるようだけど、このへんも雪が降りそうだった。やっぱり鍋ですねえ。料理研究家の瀬尾幸子さんも登場している。
http://www.president.co.jp/dan/

チョイとたてこんでいるので、とりあえず、これまで。
年末ですなあ。

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2011/12/08

大洋印刷も、創業80周年記念『消える紙、消えない紙。』も、すごい。

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きのう、二つの出版物をいただいた。一つは、北九州市の『雲のうえ』15号。もう、一つは、大洋印刷株式会社の創業80周年記念『消える紙、消えない紙。』だ。雲のうえについては、Facebookにファンクラブもあることだし、なにより『消える紙、消えない紙。』がすごいので、きょうはこちらを紹介したい。

大洋印刷さんは、雲のうえの編集委員でもある画家の牧野伊三夫さんが編集長の美術系同人誌『四月と十月』の印刷をしている。大洋印刷取締役の松本将次さんは、同人でもある。

Dscn0734おれは同人ではないが「理解フノー」の連載をさせてもらっている関係で、松本さん以外の大洋印刷さんの方も含め、何度かお会いする機会があった。会うたびに、熱く元気がよいだけではなく、なにかしら気概や信念なようなものを感じていた。『消える紙、消えない紙。』で、その背景と中身がわかった。

この本は、厚さ25ミリ、折丁ごとに違う紙を使い、表紙の紙の厚さ3ミリほど、の「豪華本」だ。しかし、単なる豪華ハッタリではない。まず、このタイトルと並んで、表紙のカバーとも腰巻ともとれるものに印刷された文言が、「わずか250名の印刷会社が、なぜ巨大印刷企業と競えるのか」だ。

最初の扉、社長さんの挨拶の前に文章があって、そこでは、「「消える紙、消えない紙。」の題名は/日本が誇る印刷の文化を絶対に消さない/という信念を表したものです。」と述べている。

Dscn0736_2ようするに、この本は、紙を生かすも殺すも、自分たちの印刷しだいであるし、自分たちは、これまでどう紙を生かしてきたか、これからどう生かそうとしているかをまとめたものだ。「紙の迫力を信じつづける、すべての人のために。」印刷からの熱いメッセージが、ぎっしり詰まっている。

もうしびれました。単に、印刷や出版のことだけじゃなく、「下克上」をしっかり見据えた人生や仕事、大きいだけや効率だけがすべてじゃない生き方、明日へ向かう姿勢、ともすると失われがちな情熱や闘志など・・・。ここにあるのは、能書きではない。

大洋印刷さん、創業80周年、おめでとうございます。

すごい大洋印刷さんのサイトは、こちら。
http://www.taiyo-p.co.jp/index.html

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2011/12/07

祝・木村衣有子『もの食う本』ちくま文庫、ってことで大酒飲んだ。

Dscn0725きのう、栃木の実家から都内に帰る木村衣有子さんが、東大宮で途中下車してくれた。できたての『もの食う本』と、とちぎの地酒「開華(かいか)」を、いただいた。

17時半に駅で待ち合わせ。休みだった、さっちゃんも一緒。西口の昭和酒場コタツ、18時開店前に入れてもらい、飲みはじめた。生ビールで乾杯のち、キンミヤ一本をペロリ飲んで、もう一本。それから、東口のちゃぶだいへ。おれはもう泥酔状態だったが、また生ビールを飲んでから、神亀を燗で、大とっくり3本あけただろうか?11時ごろ木村さんは終電になるので帰り、そのあとも飲んで、記憶喪失帰宅。今朝目が覚めたら、着替えないで布団の中にいた。思い切り飲んで楽しく話した。

Dscn0726そんなことより、この『もの食う本』だ、いやあ、素晴らしいねえ。まだ全部は読み終わってないが。カバーや各扉ごとにある武藤良子さんの絵。カバー・扉デザインは、盛岡の「てくり」の木村敦子さん。みな気合の入った仕事ぶり。

まだ酔いが抜けきっていないので、とりあえず、カバーにある紹介文を転載しておく。「食べることもごはんもつくることも好きな著者が、ものを食べるシーンに注目して、本を読む。宮澤賢治から江國香織まで、食のディープな現場を取材した本から、生活実用書、マンガまで。選んだ本の中から「これ!」と思うくだりを抜き出し、読みくだき、咀嚼し、思いを深める。40冊の「もの食う本」を、読みたくなると同時に、食うことについてのさまざまな感覚がそそられる本」

Dscn0730_3すでに評判の高い『猫の本棚』の「食」編ともいえるが、こちらのほうがやわらかなタッチ。「生活哲学を映したエッセイに定評がある」著者の筆が縦横無尽。いままでありそうでなかった、まっとうな、食の本のレビュー集、10日発売。まずはお手にとって見てください。

40冊を全部ここにあげておきたいが、いまは気力がない、のちほど。おれの『大衆食堂パラダイス!』も、まな板のうえ。

来月21日、スロコメ@下北沢で、木村さんをゲストに迎え、『もの食う本』を語り合います。
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1月21日、木村衣有子さんをゲストに迎え、スロコメ@下北沢「泥酔論」フィナーレ。

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2011/12/06

第54回全国味噌鑑評会優秀品。

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毎年恒例の全国味噌鑑評会審査会が11月1日、2日に開催され、その優秀品を3品、いただいた。

社団法人中央味噌研究所様、全国味噌工業協同組合連合会様から、毎年送られてきて恐縮なのだが、毎年食べてみては、味噌はこんなにも、いろいろな味があるのに驚く。じつに広く深い世界だ。これから食べてみるのだが、楽しみ。

今回いただいのは、画像、左から、新潟の奈良橋醸造有限会社の米・淡赤色系・辛口・粒「越後■味噌屋常七」→■は「久」の下に「二」を書く「キウニ」。熊本の株式会社山内本店の麦味噌・淡色系「とっておき 麦みそ」。大阪の村田味噌株式会社の米・甘味噌「むらた蔵白」。

このように、色形が違うように、味も違う。それぞれの特徴であり、同じものさしで、どれが一番なんて決められないし、同じように料理できない。おれは新潟の米・赤色系・辛口そだちなので、あまりにも違う味だと、指で一口なめてみて、さてどう料理するのがよいか悩んでしまうものもある。それがまた楽しい。

味噌は、酒や醤油のように国際的にも話題になるものと比べると、同じ醸造品でも地味な存在だ。もっと、日常的に味噌をいろいろ楽しみたい。

今年の受賞については、こちら「みそ健康づくり委員会」の広報サイトをご覧ください。
http://www.miso.or.jp/info/critique/index.html

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2011/12/02

1月21日、木村衣有子さんをゲストに迎え、スロコメ@下北沢「泥酔論」フィナーレ。

え~、ご存知の方もいると思いますが、須田泰成さんがオーナーの下北沢のスローコメディーファクトリー(スロコメ)は、大阪の福島への移転開業にともない、来春早々に閉店になります。
http://slowcomedy.exblog.jp/17104462/

ってことで、開店早々から約1年間、ほぼ毎月、「エンテツの泥酔論」というわけのわからない、それにしては力の入ったトークをやってきたおれだが、ここでの最後を飾るべく、泥酔論をやることになった。

これまでも、いろいろな方にゲストになっていただいたが、今回は、木村衣有子さんだ。きのうのエントリーにあるように、この10日には、ちくま文庫から『もの食う本』が発売になる。また7月に発行の『猫の本棚』が話題になるなど、大活躍中、のりにのっている。

じつは、木村さんは、何回目かの泥酔論のときに、途中で突発的に話に加わってきて、とても面白かったので、一度ちゃんとトークしたいなと思っていた。そして、2011/03/08「3月20日、木村衣有子×遠藤哲夫トークショー」と、わめぞのイベントで実現の運びとなったのだが、3月11日の大地震で中止。

こんどこそはの意気込みである。

え~、タイトルを何とするかな。木村さんと相談するの忘れたが、「スロコメ@下北沢『泥酔論』フィナーレ もの食う本を語る」ってなことにしよう。木村さんは何度も泥酔論に来ていただいたので、最後のほうで、これまで使用のスライドを10分ほどにまとめ、2人で思い出の「総集編」をやろう。

そんなわけで、1月21日(土)18時から、「スロコメ@下北沢『泥酔論』フィナーレ もの食う本を語る」木村衣有子×エンテツ、全力でよろしくお願い申す。ツイッターなどでも、大いに宣伝お願い申す。

まだこれからも、経堂で「さばのゆ」を続ける須田さんだが、下北沢にスロコメという面白い場所をつくってくれたことに、大いに泥酔して感謝を表し、また大阪での開業を激励したい。

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2011/12/01

今月の、木村衣有子『もの食う本』ちくま文庫ほか、気になること。

ツイッターは、いろいろあれこれつぶやいてみて、おれなりにあった使い方の見当がついてきた。

とくに3月11日以後は、なにかとツイッターにかまけすぎて、いただいた本の簡単な紹介や、気になるイベントなどの案内は、とりあえず、そちらですませることが多かった。本や案内をいただいたとき、「とりあえず」紹介するには、ツイッターは便利だ。しかし、その「とりあえず」が、そのままで終わって、こちらのブログには載らないままになることが多かった。これからは、なるべく以前のように、こちらで先に紹介するようにしたい。

ってことで、12月の気になること。

気になるどころか、大いに期待しているのが、10日発売予定、木村衣有子さんの『もの食う本』ちくま文庫だ。これは、筑摩書房のPR誌「ちくま」に、今年の8月号から12月号まで連載のものに、新たに加えてまとめたものだ。ほぼ書き下ろしといってよいか。あるいは、ほぼ書き溜めておいたもの?

2011/10/29「「場所」、そして郷土料理と家庭料理。」に、少しだけだが、ちくまに連載中のものについて触れた。

なんといっても、ありそうでなかった食の本のレビュー集でもあるが、単なるレビューをこえて、食べることや食べ物や、それを作る人と料理のあいだ、あるいはそれらを語る作者の考え方にまで、切り込んでいる。そこに見られる、木村さんの視点や、着眼点、切り込みの鋭さは、これまでのいろいろな食の本のレビューには見られなかったものだと断言できる。

以前にも書いたが、おれは江原恵さんの『庖丁文化論』にであって以来の、驚きと感動だ。食べることや食べ物や料理に関して、その世界が深まり、これまでと違って見える人も少なくないと思う。とくに男の場合。料理や味覚についての観念的なオシャベリであいまいにすごしてきた一つひとつが、俎上にのせられる。

木村さんは、7月に『猫の本棚』(平凡社)を出して、評判である。朝日新聞に載った、田中貴子さん(甲南大学教授)の評では、「べたついた甘さや過剰な感性の押しつけがないのだ」「引用を以(もっ)て作品の魅力を語らせるセンスに舌を巻く」とある。
http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2011091200014.html

おれは前にも、木村さんの何かの作品を紹介するとき、「据え物切りをするような」という表現で、木村さんの文章を語ったことがあったと思う。それは、まっすぐ対象を睨みつけ、無駄なく鋭く刃をふりおろす感じだ。しかも、その刃は、鋭いが、薄っぺらではない。こういう人に作品を読み解かれては、逃げも隠れもできないと思う。

『猫の本棚』のまえがきで、木村さんは、「この本は、猫のお話を読み解く過程を、ひたすら書き記したものです」と。『もの食う本』もそうなのではないかと思う。なんにせよ、食や食の本に関心のある人は見逃せない。それに、木村さんの本を読むと、本や物事や人間に対する「読解力」がつく。

ところで、おれの『大衆食堂パラダイス!』も、まな板にのせられた。「載せる」と聞いたとき、この人に切り刻まれたら、たまったもんじゃないなあと思いながらも、語るほどの価値もないと言われるよりは、うれしかったに決まっている。彼女は、飲み友達でも容赦はしないからね。気に入らなければ、顔を横に向けて「チェッ」と舌打ちされる。

そのあと、木村さんと会う機会があった。そのおれの本が付箋だらけになっているのを見て、恐怖した。こんなに切り刻まれては、ああ、もうダメだ。しかし、開き直るしかない。そのあとのことは、あとのお楽しみ。

つぎは、四月と十月文庫の第3弾のこと。

まだ入手してないが、四月と十月文庫(港の人)から、有山達也さんの初著書『装幀のなかの絵』が、4、5日前に発売になっている。『装幀のなかの絵』は、おれも「理解フノー」の連載をさせてもらっている、美術系同人誌『四月と十月』に有山さんが連載のタイトルだ。連載を、そのまままとめたものではないと思うが、詳しくは、こちら出版社の港の人のブログをご覧いただきたい。編集を担当されたのは、おれも北九州市『雲のうえ』5号でお世話になった、大谷道子さんだ。
http://d.hatena.ne.jp/miasiro/20111129

四月と十月の連載では、おれと有山さんが見開きに並んでいて、しかも有山さんの文章がうまいから、フリーライターのおれとしては、困ってしまう。おれは、毎回なんとか姑息な手段の話題で得点を稼ごうとしている。それが楽しい。

また本書の刊行を記念して、青山ブックセンターで、「有山達也トークショウ 「話したいことは何もないけれど……。バームクーヘン談義」」があります。有山さんのほか、ゲストは四月と十月編集長で画家の牧野伊三夫さん、四月と十月同人で写真家の久家靖秀さん。申し込みなど、詳しくは、こちら。
http://www.aoyamabc.co.jp/event/ariyama-baumkuchen/

ほかにもいろいろあるのだが、もう長くなったから、今日はここまで。

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