きのうの続きと、下諏訪のすみれ洋裁店から春の便り。
富津の古墳を見に行ったのは、今回で2回目だ。前回は2006年1月。四月と十月古墳部の5回目の旅で、おれはその時が初参加、スソアキコさんとも初対面だった。富津岬荘に泊まり、富津の弁天山古墳、木更津の金鈴塚古墳、千葉の加曾利貝塚などを巡った。
その時は全コースクルマだったが、今回は電車と徒歩であり、そうでないと気がつかないことがあった。それは、内房線に乗ると、立っている客も少なくないほど人が乗っているのに、すごく静かなのだ。われわれだけが、普通に話しているのに、大声に聞こえる。まわりの人たちは、話していないわけじゃないが、声が小さい。自分の声が気になる。なんだか妙だなという感じはあったが、気にせずにいた。
ところが、昼めしで入った中華屋〈大公〉でも、一杯の客がいるのに「静か」なのだ。家族連れが多かったが、静かである。われわれだけが普通に話しているのに、声が大きく店内に響き渡るので、気になる。と、誰かが、千葉の人たちって、声が小さくない、と言った。そういえば、Sさんも千葉だけど、声が小さいよね。でも、○さんは、千葉だけど声は大きいよ。あの人は根っからの千葉県人じゃないから。外房と内房でもちがうんじゃないの、外房の人は大きい声している。とかとか、話がはずみ、内房の人は声が小さい傾向があると。耳がよいのか、発声法がちがうのか。科学的に証明されたわけじゃないが、ひとまずそのように納得した。
それはともかく、古墳を見るのに、とにかく歩くのであり、すると、風土や生活を感じる。今回は、海がない北関東在住のおれと北関東出身の木村さんと、だだ広い関東の感じは同じだけど、荒っぽさがちがうねとか話す。同じ、荒涼とした冬景色であっても、やはり千葉は温暖であり厳寒の時期は短く、北関東の厳しさはない。人びとも、どことなく、おだやかである。(しかし、ハマコーのイメージは、だいぶちがうなあ)
そんな話をしながら、比較的新しい家が多い住宅街を行くと、突然、「バカ貝むきこさん募集」の看板があらわれた。「バカ貝」に対して「むきこさん」というのがいいね。「バカ貝むきこ」さんとも読めて、笑った。埋め立てで海岸線は遠くなり、すぐ近くに海が見えるわけじゃないのだが、地面は砂だらけだし、海に近い町を意識するのだった。そういう気分の遊びが、また楽しい。
きのうは書かなかったが、副葬品の須恵器を展示していたプレハブ作業小屋のような所に入ったら、発掘作業をするおばさんたちがかぶる、帽子があった。発掘作業場では、よく見かけて、あれは、麦わら帽子の上からスカーフのような布を巻いているのだろうと思っていたが、そうではない。いや、当初のころは、そうだったかも知れないが、ここで見たのは、ちがうのだ。
麦わら帽子を半分に切って、布を縫い合わせてあるのだ。麦わら帽子一個で、ふたつできる。なるほど~、こうなっているのかと、やけに感心して、写真を撮った。古墳部長であるが、帽子デザイナーのスソさんは、私もこういう帽子を作ってみようと言っていた。さすが、帽子デザイナー。縄文土器をモチーフに帽子を作ったスソさんだが、こんどはどんな帽子を作るのか楽しみだ。
話は、あちゃこちゃとぶ。昼めしを食べながら、青森の三内丸山遺跡は、また行きたい、諏訪も、また行きたいねという話になった。いつも、諏訪の話が出るのだが、以前に古墳部の旅で諏訪に行ったとき、諏訪大社の前のトコロテンもうまかったが、諏訪には、何かある、それが何だか、もっと探求してみたいという思いを、みなが持ったからだろう。
そして、泥酔記憶喪失で帰って、寝て起きて、きのう気がついたのだが、下諏訪のすみれ洋裁店さんから、立春の便りが届いていたのだ。なんというタイミング。
立春の挨拶に、いつものように小さな手芸品というのかな、それに「すみれ洋裁店の おまかせBAG small or big ?」の案内が入っていた。この「おまかせBAG small or big ?」だが、「あなたの印象を今日ある材料でBAGにします」というものだ。しかも、即日渡しもできるというもの。
すみれさんは、たしか毎年新しい挑戦をやっているようで、毎日一枚のハンカチを作った年もあったし、毎日袋物をひとつ作った年もあった。おれは巾着を買って気に入って重宝している。
しかし、今回は、店に来た客のイメージで作るのだ。言ってみれば、毎日、トツゼン会った人をモデルに、文章を作るようなものではないか。おれのような自堕落な人間は、とてもやる気になれない。
でも、作ってもらうほうは気楽だ。なにやら秘密のチケットもいただいたことだし、これは古墳部活動をそそのかし、古墳の旅もかねて、行かなくては。あのトコロテンも食べたいし。そうそう、うなぎも・・・。温泉銭湯もいいし、酒もうまいんだよなあ。
すみれ洋裁店のブログ「おまかせBAG small or big ?」
http://sumire-yousaiten.blogspot.com/2012/02/bagsmall-or-big.html
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コメント
先日は、ありがとうございました。諏訪、ぜひ行きましょう。できたら、やはり、新緑のころかな。
投稿: エンテツ | 2012/02/07 15:36
諏訪への旅、わたしも行きます!誘ってください。前に行きそびれた遺跡で
行きたいところもあります。
投稿: スソ | 2012/02/07 09:18