« 京浜東北線蕨で「泥酔会」。とうぜん泥酔、深夜バス帰宅。 | トップページ | 入谷コピー文庫『続 浅草時空漫遊記』。活字と大衆酒場や大衆食堂。 »

2012/02/16

初めてのこと新しいこと珍しいことの多かった一日、渋谷、恵比寿、新宿、経堂。

Dscn0262きのうは、14時から、新しい企画の件で、渋谷の大きな建物を訪ねて、初めてなかに入った。あらためて見ると、まるで官庁のような建物だ。そこの食堂兼喫茶室のようなところに入るのも、もちろん初めて。打ち合わせをあれこれ。なかなか愉しい話、おもしろいことがやれそう。

終わって、恵比寿へ。どうなるかわからない、まったく新しい分野の企画について意見と情報の交換。「こづち」近くなのに、そこではなく、こじゃれたカフェで。おれはもちろんビールを呑みながら。

終わって、恵比寿駅近くのガード下まで来ると、見たことのある男が携帯電話中。あれまあ、有山達也さんじゃないか。目の前で手をふると、オッと気がつき、片手をのばしハイタッチ。どうやら電話はすぐ終わりそうなので、待つ。見ればそばには、編集者や写真家らしい人が。仕事中のようだ。電話は終わり、やあやあ。先月、有山さんの初著作、四月と十月文庫『装幀のなかの絵』の出版記念会に行けなかったから、会ったのは、一昨年の年末の牧野伊三夫さんの個展以来だ。でも、ゆっくり立ち話をしているわけにはいかない。お互い簡単に言葉を交わして、別れる。

しかし、一年に一度行くか行かないかの恵比寿で、一年に一度会うかどうかわからない有山さんと、ばったり出合うとは、なんと珍しいことだと思いながら新宿へ。

16時半頃だったかな? 改築後初めて入る、新宿西口思いで横丁の「つるかめ食堂」。はあ、だいぶ変わったのだなあ。建て替えといっても、本建築ができる場所じゃないからだろうか、仮設のような造り。それにしても、すっかり変わってしまい、以前はカウンターだけだったが、テーブル席が中途半端にあって、落ち着かない感じだ。でも、一杯になれば、にぎやかなのだろう。

カウンターに男が5人ほどいた。奥のスーツ姿で競馬新聞を見ているおやじと、昔から新宿じゃめずらしくない無職風の生活やつれが顔に出ている老人、といっても、おれより少し上ぐらいだろう、その間の椅子に割り込むように座る。天丼が食べたいのだ。天丼とポテサラと瓶ビールだ。

ここで天丼を食べると、いまから50年前、1962年の春に上京して、初めてここに3、4人で入って天丼を食べたことを思い出す。いつ誰と入ったかは、思い出せないが、その天丼のショックは、よく覚えている。どろどろした油を含んだうどん粉のカタマリのようなもの、たぶんかき揚げだろう、それがのっかり、濃いタレがかかっていた。食べると、下痢をした。それでも、何度も食べた。その上京のころを思い出す「儀式」に、天丼を食べる。あのころは、40円ぐらいではなかったかと思う。いまは600円。エビやナスなど6種類ぐらいのタネを使って、油はやや重いが気になるほどではなく、からっとあがっていてうまい。ずいぶん「進歩」したものだ。あのころの食べ物は、ひどかった。どうして、あの昭和30年代ごろの食べ物が良く、現在が最悪のようにいわれるのか、まったく解せない。

先があるから、簡単に書く。経堂へ。経堂のさばのゆでは、やどやゲストハウスのまりりんこと山本真梨子さんが、バックパッカー体験とゲストハウス経営を語るトークイベントがある。19時オープンで19時半スタート。おれは、先に太田尻家で一杯やってから行くつもりだ。しかし、太田尻家は19時開店なのだ。それまで、ひさしぶりに、1960年代後半によく行った「鳥八」へでも行こうと、農大通りをふらふら行く。

以前に入ったことがある古本屋に、引っかかった。ここで、トレヴェニアンの『バスク、真夏の死』(角川文庫)を見つけて買った。この本、真剣に探していたわけじゃないが、なかなかなかったのだ。とやっているうちに、なんと、タノさんがあらわれる。二人とも同じさばのゆを目指して経堂に来たとはいえ、さばのゆとは反対側のここで会うなんて。そして、二人で「鳥八」へ向かったのだが、鳥八があったはずの場所がわからなくなるほど、新しい建物が建ち、変わっていた。数年前に入ったのが最後になってしまった。

ならば、さばのゆへ行く途中に開店した「笑和堂」へ、まだ入ったことがないから行ってみようと駅の反対側へ。着いたら、ちょうど開店したばかり。名前からは、まったくイメージできない、白木の洋風のおしゃれな造り。おれは、天丼が効いて腹が空いてないので、オリーブのピクルスでビール。タノさんは、カボチャとサツマイモのサラダ。どちらも、うまい。なかなかよい感じ、また来たい、19時すぎに出る。

タノさんは以前に太田尻家に注文した、太田尻智子さん特製のTシャツをまだ取りに行ってないというので、一緒に行く。タノさんは、一杯呑んで、一足先に、さばのゆへ。おれは、ゆっくり家長と話しながら、ひさしぶりの太田尻家を味わう。初めて食べる、さんまの燻製のマリネってのを頼んだら、尾頭付きの一匹だったのでビックリ。うまかった。

Dscn0271智子さんから、前日のバレンタインのために作った、魔除け?のチョコをもらう。さっちゃんの分と二つ。しかし、なんで、彼女が作ると、こうなるのか。型で抜いて、表側半分だけ抹茶をぬった、こったものなのだが。カワイイぶりぶりバレンタイン騒動を笑いのめす破壊力がある。大笑い。

持って帰るあいだに、チョコがちょこっとだけはがれてしまった写真を載せる。

けっきょく21時ごろ、さばのゆ。山本さんの話も終わりに近づいていた。おれも口をはさんだりして、あとは呑むだけ。書くのがメンドウになったので、この件は省略。

さばのゆを23時ごろ出て、赤羽で宇都宮線最終にギリギリ間に合った。いろいろなことがあった長い一日。疲れた。

| |

« 京浜東北線蕨で「泥酔会」。とうぜん泥酔、深夜バス帰宅。 | トップページ | 入谷コピー文庫『続 浅草時空漫遊記』。活字と大衆酒場や大衆食堂。 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 初めてのこと新しいこと珍しいことの多かった一日、渋谷、恵比寿、新宿、経堂。:

« 京浜東北線蕨で「泥酔会」。とうぜん泥酔、深夜バス帰宅。 | トップページ | 入谷コピー文庫『続 浅草時空漫遊記』。活字と大衆酒場や大衆食堂。 »