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2012/03/31

ミーツ5月号と『花のズボラ飯』。

Dscn0534きのう、北九州市が発行する『雲のうえ』16号と、京阪神エルマガジン社発行の『Meets Regional』5月号をいただいた。いつもありがとうございます。

雲のうえの特集は「ラーメン」でありミーツの特集は「パスタ」であり、どちらも「麺」がらみだ。きょう、雲のうえを後回しにして、ミーツを紹介するのは、レギュラーページの井口啓子さんが執筆の「コミック珍遊記(「珍」は◯で囲ってある)」で、『花のズボラ飯』を取り上げているからだ。

『花のズボラ飯』は、『孤独のグルメ』の久住昌之さんが原作で、『エレガンスイブ』(秋田書店)に連載中のもの。けっこう話題になっており、そのレシピ集まで本になり(レシピ通りに作るのでは「ズボラ」でなくなると思うが)、単行本は2巻目だ。

「ズボラ飯は、いわばリピドーの解放なのだ!?」のタイトルで、井口さんは、このように書き出す。大事なところだから、長くなるが、引用する。

「マクロビに男子料理、社員食堂、ルクエ、そして空前の塩麹ブームが巻き起こり、趣味嗜好の細分化が進んでいる家庭料理という分野において、「時短」や「ちょい足し」といった手抜き料理は、いまや立派なジャンルとして定着した感がある。スローライフブーム以降、「料理は上質な素材を使って丁寧に作るべし」といった呪縛が広がる一方で、「食いもんぐらいラクして好きに食いたい」という、ごく当たり前の発想が、料理界でもようやく市民権を得たということか。」

井口さんは、『花のズボラ飯』の人気は、「そんな気分も追い風になり?」と見る。

この指摘は、なかなか大事なところを突いていると思う。いわば、日本の料理界、料理史上の大きな変化というか。ようやく、ごく当たり前の発想や、これが普通だよという話が、市民権を得てきている。

この背景を考えると、なかなかおもしろいものがあり、これからこの流れはどうなるか、気になるところなのだ。

「料理や食の嗜好は、決して万人共通のものではなく、その人の育った環境や性格や、ひいては性格が出る…とは、よく言われていることだが」その当たり前のことが、当たり前とみられるようになったのか。

それにしても、「(自宅マンションの)密室の中、女ひとりむさぼるズボラ飯は、美食というよりは悪食に分類される、フェティッシュな「背徳な味」だ」。おれも、そんな感じを持った。

それについて井口さんは、こう言って結ぶ。「かつての団地妻は昼下がりの情事に走ったが、今どきのマンション妻はひとり汚部屋でズボラ飯を満喫する。ロマンの欠片もないハナシではあるが、これはこれでひとつのリピドーの解放であり、性をその他の娯楽へと変換する術を身につけた現代人のリアルなのかもしれない。」

うーむ。

娯楽といえば、「食こそエンターテイメント」を掲げる『dancyu』さんの仕事を、「食は生活」を掲げるおれが手伝いながら、近頃は、娯楽もエンターテイメントも、ずいぶん変わってきている印象を持っている。それはまた「生活」も変わってきているということなのだが。リアルは、いつも複雑だ。

それぞれのひとが、それぞれの「当たり前」や「普通」を語り出して、それが市民権を得て、なにやら面白いコントンが生まれつつあるというか。そこに、「格差」や「不況」や「貧困」も、からみ。この列島で1億人が食べていくのは、容易なことじゃない。しかも、ただ食えればよいのじゃない、ひとなりの食の楽しみが生きる喜びとして必要だ。

とにかく、これまでのそこに目をつぶった話や、杓子定規な話は、ひとことで言えば、タイクツになっている。このことを、ますます意識せざるをえなくなるだろう。

ところで、ミーツの特集、「パスタをなめんなよ!」は、そういうコントンに切り込んでいく迫力が、もっと欲しい感じがした。「日本生まれのソウルフード! ナポリタン教室、開講」が、おもしろい。

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2012/03/30

激しい泥酔の翌日は厳しい二日酔いでロケハン。東京交通会館の「とりめしぼん」閉店。

きのうは、dancyuの編集さんが東大宮まで来てくれて、ちゃぶだいでガンガン呑んだ。おれは開店早々の17時に行き、彼は17時半頃到着。

素早く打ち合わせをすませ、とにかく二人ともポン酒好きだから、ちゃぶだいの大将がセレクトのうまいやつを、水を呑むように呑んで、とどまるところを知らず。これからの企画アイデアなどで話も盛り上がり、たちまち泥酔状態に。途中で記憶喪失。朝、目が覚めたら、ベッドに中にいた。ほんとうは、東大宮の飲食店のレベルの高さを確認するために、もう2、3軒行きたかったのだが、泥酔でそれどころではなかった。

寝起きは、軽い二日酔いという感じだった。きのうのその打ち合わせにより、西麻布の某店で、彼と11時25分の待ち合わせ。東大宮を10時ごろの電車に乗った。電車は走る、すると、どんどん二日酔いが悪化。立っているのもツライ。これでは、現場へ行っても仕事にならんのでは、と思いながら、なんとか到着。六本木駅から西麻布まで歩いているうちに、少しよくなった。

それでも、揚げ物を食べ始めると厳しくて、3分の1ていど味見をして、あとは編集さんに食べてもらって、なんとか任務を完了。

じつは、4月6日に発売のdancyu5月号に登場するのだけど、続いて、無事に取材と原稿が終わればだけど、5月発売の6月号にも登場することに。

そうそう、5月号だけど、肉特集で、おれは新橋のニュー新橋ビルの中の2店と、有楽町の東京交通会館の中の2店、それに大井町と上野の肉屋立ち呑み2店を取材して書いた。全部で6ページ。

その東京交通会館の「とりめしぼん」という店。4月中頃に閉店という話だったが、でも記念碑的存在の店だから、雑誌に記念として残し閉店を見送るとしようと取り上げ、文章もそのように書いた。ところが、工事の関係で閉店が4月5日になったのだ。つまり雑誌が発売になる6日には、もう閉店していることになる。残念。

さきほど西麻布で編集さんに聞いたばかり。編集さんは、急ぎツイッターに書いていた。以下。
https://twitter.com/dancyu_mag
次号の肉特集でご紹介しているのですが、有楽町駅の目の前、交通会館B1Fの「とりめしぼん」が4月5日で閉店してしまうそうです。ぼんのとりめしファンの皆様、お早めに!(さ)
2012.03.30 11:22
とはいえ、実はぼんファンの方々には閉店の話は広がっておりまして、夜はもう大盛況なのだそうです。昼はまだ少し余裕があるとのこと。タイミングを見計らっていただけたら幸いです。(さ)
2012.03.30 11:25
弊誌で取材させていただいた時は、4月中ばくらいまでは営業される予定でしたが、店内の工事の関係もあって前倒しになられたそうです。誌面には4月中旬に閉店予定と書いておりますが雑誌が皆様のところに届く頃には閉店となっております。申し訳ありません。(さ)
2012.03.30 11:30
女将さんもすでに80歳を超えるご高齢なので、非常に残念ではありますが、あの名古屋系とりめしを食べおさめておきたいところです。。。(さ)
2012.03.30 11:37

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2012/03/28

東京・中野の「YADO・MAP中野」。

3月になってもイジョーと思うほど寒い日が続いていたが、きのうの日中は晴れてあたたかだった。午後、上野へ行くと、平日というのに、すごい人出。昼酒も大にぎわいで、大統領支店なんぞは、長いカウンターも外のテーブルも、ほぼ満席。しかも、その9割方は、おれのような前期高齢から上という感じだった。

上野公園の桜は、広小路側入口の階段のところに、なぜか一本だけ満開の木があったが、ほかはまだ蕾。だけど、花見客受入の準備は万全で、ごみ収集所や仮設のトイレがあちこちにできていた。どのみち花なんぞはどうでもよさそうな、たぶん若者学生たちが、宴会をやっていた。

Dscn0531さてそれで、街歩きMAPのこと。北九州の『雲のうえのしたで』のMAP(2012/03/22)、盛岡の『てくり』のMAP(2012/03/23)に続いて、三つめは、おれも経営に関係している中野のやどやゲストハウスが作った、「YADO・MAP中野」だ。

これは、やどやの女将、まりりんと、帽子デザイナーでイラストレーターにして古墳部長であるスソ・アキコさんがイラストを担当してくださって、一年以上かけて作った、まさしくお手製のMAPだ。

A4ペラのコピー印刷のようなもので、写真では左上に色付き桜模様があって、2色刷りに見えるけど、桜模様は後でハンコを押したという、涙ぐましいお手製。

「やどやゲストハウス」という安宿に泊まるバックパッカーのために、バックパッカーとして10年近くも世界を歩いてきて、またまもなくやどやゲストハウスの女将として10年になろうする、まりりんの目線で作ったもので、宿の周辺、中野に滞在の旅を楽しんでもらい日本を知ってもらいたいという心。その目線と心が、すみずみまで光っている。

地図にもとづいて、曲がりくねった細い道まで、スソさんのフリーハンドで仕上げ、お店を巧みにカテゴリー別けし、やはりスソさんの手でアイコンを作って地図上に落とした。そのあいだに、街を徘徊するネコのイラストがあったりして。ほんと、心憎い出来栄えなのだ。

Dscn0529地図側にはアイコンと番号でお店を表示し、裏側には、お店の情報がコンパクトに整理されている。例えば、めし茶碗に日の丸の丸を描いたのは「japanese」のカテゴリーであり、ようするにjapanese foodのこと。ここには、tenpuraやokonomiyakiやtraditional unagiの店などが分類されているのだが、その中に、beef bowlの吉野屋や松屋が、ちゃんと入っている。カテゴリーには、「ramen」もあるし「fast food」や「izakaya」もあるが、蕎麦やうどんは「noodle」になっているのは、まだ「soba」「udon」が国際語として通用しにくいという事情があるらしい。

なかでも中野らしいのは、「otaku」の項目があることだろう。このアイコンは、丸眼鏡である。やどやゲストハウスのゲストにもおたくやおたく好きがいるようだが、中野をおたくの聖地として訪ねる外国人が、けっこういるのだ。「Nakano is very famous for otaku shops and places.You will find something if you are fanatic liking for something,especilly,Japanese Anime or Manga.」と説明にある。主には、中野ブロードウェイの中にあるが、やや大人な路地にもあり、その一つには、「spesial adult toys shop」もある。「play spot」のカテゴリーには、「Maid cafe&bar」もありますよ。いやはや、まりりんには脱帽。

Yadomap03


日本人が見てもおもしろく、スソさんのフリーハンドの地図とイラストも楽しくて、いい味わいだねえ。これを手に散歩したくなる。中野のへんは細い道がいりくんでいて、だから、フリーハンドでも元の地図に近いものが必要だし、ちゃんと「about 100m」を示す縮尺も入っている。歩いているうちに、エッここにこんな…という発見があって、それがまた楽しい。もちろん「karaoke」も載っています。銭湯=public bathもある。

Yadomap02_2

いやあ、こういう地図は、めったにないでしょう。中野はよく行っているのだけど、なんとも中野が新鮮で楽しくなるMAPだ。

MAPは、カネをかける前に、作る側の考え方や目線をシッカリさせるべき、の、見本のようなもの。それから、作るのに一年以上かかったのも、カネがかけられない、忙しいってこともあるけど、よく自分で街を歩いて時間をかけているのが、わかる。

スソさんに聞いたところでは、これで終わりではなく、この地図の北部になる新井薬師方面も、これから作るのだとか。まりりんとスソさんのコンビ、大いに期待。しかし、スソさんには、お世話になります。スソさんのようなクラス?のイラストレーターになると、こんな紙や印刷では作品のクオリティが発揮できない、なーんてことをいうクリエイターとか芸術家とかもいるようですが、ありがたい。

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2012/03/26

盛況御礼。野暮酒場@小岩、帰ってきた泥酔論。

一昨日は野暮酒場で初めての泥酔論トークだった。木村衣有子さんと「酒飲み本礼賛」というお題で、居酒屋本や飲酒に関する本について、あーでもないこーでもない語り合おうというものだ。

2012/01/22「ありがとうございました。スロコメ@下北沢、最後の泥酔論で泥酔。」にあるように、泥酔論は、須田泰成さんが主宰する下北沢のスローコメディーファクトリーで続き、スロコメが大阪の福島へ移転し「さばのゆ」として開業するにともない10回目で幕を閉じた。

その最後のゲストが木村さんで、トークの終わりのほうで、居酒屋本で盛り上がった。今回は、その継続のようなもの。意外に早く「帰ってきた泥酔論」ができたのは、野暮酒場があったからこそ。

じつは、やっても、野暮酒場自体が東京の東の端にあって、看板も出てないし不定期開催の秘密クラブのような仲間内飲み会みたいなものだし、その常連である野暮連のコアなメンバーが集まるぐらいだろうと思っていた。ところが、意外や意外、ほぼ満席の大盛況。東京の西の端や、東京の西の神奈川や、東京の南の川崎、東京の北の端の赤羽など、遠路各地からお集まりいただいた。なかには、結婚式のあと、バレーボールの決勝のあと、というハシゴの方もいた。ありがとうございました。

しかし、なんてまあ、モノズキが多いことか、こんなモノズキがいるから、世間も人生も楽しくなる。

おれは、17時少し前に着き、コンビニ弁当で腹ごしらえしてから飲み出した。トークのスタートは18時すぎ。20時少し前に、一応トークは終わり、あとは勝手に飲み会。みなさん、にぎやかに呑んでいた。さらに、小岩に来てもらったからには、独特な小岩の街の空気にもふれてもらおうと、地蔵通りへ。その頃には、おれは泥酔状態で、なにがなんやら、レバ刺しを食べたこと以外、ほとんど記憶がない。上野から宇都宮線最終に乗って、無事に帰宅したことだけは確か。

翌日、つまりきのうツイッターを見たら、参加された方の感想があった。テキトウにまとめておく。

面白かったが、残念だったのは、いつもより早く動き出し、いつもより早く飲み出したので、9時過ぎには酔いと共に眠くなっていたこと。披露宴は良いものだったが、ハシゴは厳しかった。(椿山荘での結婚式→二次会?のあと駆けつけてくれたマキノさん)

エンテツさんと木村さんの泥酔論を見にいきました。なんだか楽しい夜でした。なにが楽しかったのかは分かりません。とりあえず、アディオスアミーゴウ。なんだか楽しい夜でした。普段話す機会のない方々と会話できました。特に瀬尾さんの話は色んなヒントを頂いたような気がします。(この日、人生で二番目の勝穴を当てたのに100円しか買ってなかった、競馬中毒のタダさん)

バレーボールは優勝致しました。ごひいきの選手は、最優秀選手。表彰式も観て、拍手拍手。その後、小岩へ。エンテツさんの泥酔論(居酒屋本話)はほぼ終わっていた・・・。でもその後の飲みは、楽しかった!また行きたい! (この通り、16時半からのバレー決勝を観戦してから来てくださった、酔仙亭さん)

木村さんは、このように書いていた。「昨日。小岩『野暮酒場』での「帰ってきたエンテツの泥酔論」にいらして下さった皆さま、どうも有難うございました。「酒」について書くのと「酒場」について書くのは違うということ、居酒屋本というジャンルが成立したのはいつ、などなど、話し手と聞き手が入り乱れてたいへん有意義な会でした。 」

以上。泥酔論トークの特徴が、集約されているように思う。もともと泥酔論は、イイ話や役に立つ話を聞かせるものとして対象を「ナントカ好き」にしぼって「編集」されたトークを聞かせ、聞きにくるほうもそれを期待して参加するという、型にはまったやり方に対して、それじゃテレビやラジオや本の語りの、ナマの公開を見ているだけのことじゃないかという「抵抗感」があって始めた。せっかく、「同じ場」にいるのだから、提供する側と受ける側という関係ではなく、もっといろいろな楽しみ方があるのではないか、ということを模索し続けているわけだ。

おもしろいことをやろうという熱意の出合いというのかな、そういう意味では、今回は、コレどういう人たちの集まり?というぐらい、あまり共通項がなく雑多で、よかった。

東京の東の端、その東の端の小岩のなかでも、東の端に近い野暮酒場まで、わざわざ足を運んでくださった方は、ほんと楽しいみなさんでした。まだまだ泥酔論は続けますから、よろしく~。

いつも、野暮酒場では、店主が厳選の安酒を用意するのだが、この日は「越後辛口」。泥酔で味を覚えていないのだが、新潟の酒らしく、スッキリした辛口だったような気がする。

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2012/03/23

岩手・盛岡の『てくり』14号のマップ。

Dscn0513きのうの続き、マップのこと。『てくり』は、当ブログで何度か紹介し、2010/11/24「「ふだん」を上手に語る『てくり』の魅力。」のように、ほぼ絶讃という感じで、惚れている。

『雲のうえ』は、フリーペーパーであるが、いわゆるシティ・プロモーションのために、市の財源でスター級の有能なプロが編集に関わっている。端的に言えば「観光客誘致」の一環でもある。北九州空港を利用するスターフライヤーでも配布され、発行部数も万単位で多い。

『てくり』は、おそらく零細経営の「まちの編集室」が編集・発行し、一冊500円で販売される。B5サイズ、本文36頁だから、ほぼ『雲のうえ』のボリューム。各号は、「観光客誘致」というより、表紙の肩書きにあるように、「伝えたい、残したい、盛岡の「ふだん」を綴る本」である。

その意味では、きのう引用した「日々の暮らしや街の表情からみれば、北九州は、方々で急速に消滅しつつある土地のにおいや陰影といったものを、まだ残している。地理や歴史がつくるひときわ濃い風土が、血や肌に熱を感じさせる。他に類のないこの風貌のなかに酸素を送りこみ、魅力的な未来を築く方法はないだろうか」という牧野さんの言葉は、この雑誌にもあてはまるように思う。むしろ、『雲のうえ』の最近の何冊かより、『てくり」の方が、「らしい」と思ったりする。市の予算や「観光客誘致」といったことに縛られずにすむこともあるのだろう。自立的な編集で、地域の生活と読者にドッカリ根を張った仕事が魅力的だ。

で、最新の14号は、この雑誌にしては、めずらしくベタな観光特集という感じであり、めずらしくマップ付きのガイドページがある。題して、「盛岡カルチェラタン」。

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盛岡市の中心部は、北上川に近い盛岡駅から離れ、北上川の支流の中津川沿いにある。その中津川の両岸を、パリのカルチェラタンに見立てる「大胆なこじつけ(?)のもと、「盛岡初心者」さんが、半日でこの界隈を満喫するためのエリア別ガイドブックです。」

おれは、盛岡へ行ったとき、一人でこの地域の半分ぐらいはブラブラした。その時は、たまたま、市の中央部に鮭が上り白鳥が来る川がある県都なんて、めずらしいから見ておこうぐらいのものだった。それが、なかなかよかった。盛岡好感度が、ドーンとアップした。これからは、この川沿いを中心にした街が、盛岡の魅力とにぎわいになっていくのではないか、そうなるとすれば…と、岩手公園にある盛岡城址でボンヤリ妄想したものだった。

Dscn0516ところが、あとで、右岸地域にある古い飲食街の桜山再開発問題が起きたとき、盛岡市の都市計画を調べたら、「お城をシンボルとした、風格とにぎわいある魅力都心」を標榜する「「お城を中心としたまちづくり計画」案」なるものがあって、これがモンダイの根源だな、中津川を中心に発想しなきゃ今日的でも未来的でもないだろうと思って、毒づいたこともあった。(2010/10/20「「まちづくり」、もっと「毒」や「菌」を吐きたいのだが。」)ついでだが、桜山再開発計画は白紙撤回となった。でも、「お城を中心としたまちづくり計画」は、生きているらしい?ま、それなりの事情があるのだろう。

Dscn0517今回『てくり』がこの中津川を中心にしたエリアを取り上げたのは、直接的には、川沿いにてくりがプロデュースする「shop+spaceひめくり」をオープンしたことがあってのようだが、そもそもそのことも含め、エリアマップの中心に城跡があるより、中津川があるほうが、はるかに自然だし未来性があると、あらためて思った。マップの中心に何を置くかは、大事なことなのだな。仮に市としては「お城を中心としたまちづくり」であったとしても、中津川を中心にしたマップは、ますます必要とされるに違いない。

『てくり』には常設ページもあって、その一つ、「東京ではなく、富良野でもない。/盛岡で働き、暮らす理由。/あなたはなぜ/ここにいるのですか?」は、この本の顔、つまりは盛岡の顔でもあるように思う。

Dscn0518最近、表4を飾る連載、はやしみかんさんのエッセイ「なんだりかんだり、のんだりくったり」が、すごくおもしろく、『てくり』の楽しみの幅が一層広がったような気がしている。

ま、とにかく、手にして見てもらわないことには。
http://www.tekuri.net/

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2012/03/22

『雲のうえのしたで』と「マップ作り」の効用。

Dscn0508

最近入手して、よく眺めている地図がある。いづれも、観光や散歩がらみのものだが。

一つは、「伝えたい、残したい、盛岡の「ふだん」を綴る本」である『てくり』14号。市の中央部を流れる中津川の両岸をカルチェラタンに見立てたお散歩コース「盛岡カルチェラタン」が特集だ。もう一つは、おれも絡んでいる東京・中野のやどやゲストハウスが、ゲストのために作った、A4ペラのコピー印刷のような「YADO★MAP NAKANO中野」。そして、「北九州の情報誌『雲のうえ』を応援するファンクラブ会報誌」である『雲のうえのしたで』だ。これはB4サイズの一枚で、片面が「雲のうえあしあとMAP 若松編」になっている。

それぞれ特徴があって、おもしろい。今日ここに紹介するのは、『雲のうえのしたで』だ。というのも、一昨日、『雲のうえ』16号「北九州ラーメン」特集が発行になったばかりだからね。まずは、16号、よろしく~。

で、『雲のうえのしたで』は、B4を折りたたみ、文庫本より一回り小さいサイズ。ファンクラブ会報誌だけど『雲のうえ』編集委員の牧野伊三夫さんも制作に協力し表紙上段のイラストなどを描いているほか、発行責任者の林舞さんはデザインやイラストを仕事にしている方だから、B4ペラとはいえ、なかなか凝った作りで、手にしただけで魅了される。

Dscn0509表1表4を裏返すと、観音開きになっている。「私たちは『雲のうえ』を応援します」の声と名前がある。その観音を開くと、「『雲のうえ』取材後のお店や人のこと」で、「雲のうえのその後を追う」。今回は、『雲のうえ』3号に登場した山福印刷さん。その横に、「『雲のうえ』にまだ載ってない銘店案内」ということで「ここもいいちゃ!」。創業から120余年の豆屋さん?宇崎商店。

そして、全部開ききると片面が若松編のマップになっている、というわけです。「『雲のうえ』が取材したお店や場所を辿ってお散歩してみました」。マップ上に『雲のうえ』に登場した店や場所をおとしこんで、コメントや解説を加えたもの。

Dscn0510

「歩いてみなくちゃわからない「若松」という街のすばらしさ!実際に街を歩いてみて私たちもいろいろ発見しましたよ」とあるのだけど、その発見がイマイチよく伝わってこないのは残念だけど、自分たちで歩いてマップを作ることで、街について新たな発見があるのは確かだと思う。それが、これから街を育てる力になるに違いない。

そんなふうに思いながら、この地図は空白が多いから、『雲のうえ』に載った店や場所を糸口に、自分の目で見て書き込み、自分のマップを作るのにもよいと思った。そうすることで、より若松が身近になるだろうと。そして、自分と街との関係が、より鮮明になるだろう。

おれの場合、このあたり、けっこう歩いているので、そこここの場所を思い出して、若松を感じ直しながら、楽しんでいる。そして、ああ、また北九州へ行きたいなあ、と思うのだった。

おれは、かつて「プランナー」の肩書きで、いわゆるマーケティング・リサーチというオシゴトをして、白地図をもとにエリア・マップを作るということを、わりとよくやっていた。地域を歩き回りマップを作るのである。そこに地域の地理はもちろん、歴史も書き込めるし、書き込んだものを見て、未来も想像できる。ま、もっといろいろなことが見えてくるのだが、マップ作りの力は、すごいのだ。

かつて、『雲のうえ』の創刊号を見てコーフンし、2006/11/16「北九州市「雲のうえ」の素晴しさ」を書き、そこで牧野伊三夫さんの文を引用している。「日々の暮らしや街の表情からみれば、北九州は、方々で急速に消滅しつつある土地のにおいや陰影といったものを、まだ残している。地理や歴史がつくるひときわ濃い風土が、血や肌に熱を感じさせる。他に類のないこの風貌のなかに酸素を送りこみ、魅力的な未来を築く方法はないだろうか」

その方法の一つが、『雲のうえ』だろうし、それでは不十分なことはもちろんで、『雲のうえのしたで』のように歩いてマップを作ることで、その場所の記憶を掘り起こし発見し、その場所の魅力的未来を想像し、その場所で何をすべきか何をやりたいかを探し当てることにもつながるだろうと思っている。

なんにせよ、『雲のうえ』は、よいファンクラブ会報誌を持ったというわけだ。で、だけど、この会報誌は、みなさんが払ってくれる会費で印刷費を捻出しているのでありまして、会費が集まらないと発行できない。ぜひみなさま、1口1000円以上の会費を払って、『雲のうえ』と『雲のうえのしたで』の応援、よろしくお願いします。北九州の方に限らず、『雲のうえ』や『雲のうえのしたで』のようなものがあるだけで、人生は楽しいし、うれしいじゃないですか。

詳しくは、こちら「雲のうえのしたで」のサイトをご覧ください。
http://kumonoue-fanclub.net/

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「アートの力を信じる」…地域とは、好きでもないやつと暮らす場所。

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2012/03/20

野暮酒場@小岩での泥酔論は今週の土曜日。

さきほどツイッターで、小岩の野暮酒場の店主が、泥酔論トークライブを告知していたのを見て、それが今週の土曜日だと気がついた。まだ何も準備してないのだが、毎日泥酔だけはしているから、なんとかなるだろう。

野暮酒場店主の告知を、ここにまとめて転載します。

「帰ってきたエンテツの泥酔論」3月24日(土)18時~。下北沢「スローコメディファクトリー」でカルト的人気を誇っていた伝説のトークイベント「エンテツの泥酔論」は、今年1月に涙のフィナーレを迎えましたが、コアなファンの声に応え、早くも復活が決定しました!
復活第1弾は、いま『もの食う本』が話題の随筆家・木村衣有子さんとの対談。テーマは「酒飲み本礼賛」です。チャージなし、投げ銭制となります。営業は17時~。
なお、当店の場所につきましては、メールにてお知らせいたします。まことに恐れ入りますが、tano_yabosakaba@yahoo.co.jp にご連絡下さいますようお願いいたします。
当店の場所につきましては、ツイッターのダイレクトメールでご連絡いただいてもけっこうです。イケてる街シモキタから暗転、野暮な街コイワへ。復活泥酔論、こうご期待! みなさまのお越しをお待ちしております。

・・・ってことで、よろしく~。

話は変わるが、以前に小学館のサイトで連載していて、『みんなの大衆めし』として刊行された「わははめし」の文章が必要になったのだが、パソコンを壊したりがあったせいか、パソコンやバックアップのドキュメントフォルダーでは見つからない。

ザ大衆食のサイトから「わははめし」に貼ったリンクをたどると、『みんなの大衆めし』の告知になっていて、「わははめし」にたどりつけない。検索で、みつかったのだが、最終回(10回目)だけが『みんなの大衆めし』で告知あり、そもそも最終回は、どんな文章を書いたかも覚えがないし、書いたのかどうかもはっきりした記憶はないのだが、とにかく見つからない。

ま、でも、1回目から9回目までは、小学館のアーカイブにあることがわかって、よかった。
http://bp.shogakukan.co.jp/wahahameshi/01/index.html

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2012/03/19

みちくさ市のち新宿ゴールデン街クラクラ寄席。

Dscn0501きのう、わめぞ一味が主催する鬼子母神商店街での『みちくさ市』。ようするに昨今ハヤリの古本市なのだが、なぜかここは、あまり文化的消費主義のニオイがしないので気になるから行ってみたくなる。で、行った。

王子からチンチン電車に乗って鬼子母神前で降りるコースを選んだ。

なんといっても、エロ漫画屋の塩山大先生が出店していて、脳梗塞に倒れて以来、初めて会えたのがうれしかった。もうダメ、治っても後遺症で元のようには罵詈雑言を吐けないという「死地」から、その後遺症もなく復活、元気そうだった。おれも、そのようにありたいのだが、憎まれっ子、簡単にはくたばらず、大いにはびこりたいものだ。

のち、新宿ゴールデン街の『クラクラ』へ。チョモさんが席亭のクララク寄席。10数名で満席の会場で、ひさしぶりに生落語。

出演は桂才紫さん。前座はアマチュアながら芸が達者な立命亭八戒さんがやり、才紫さんは中入をはさんで二席。才紫さんは、二つ目とは思えない余裕。

クラクラは5、6年ぶり。終わって、懇親会にも参加。

あらためて気がついたのだが、クラクラのある通りは、70年代によく行った、『花の木』や『石の花』があるのだった。ああ、懐古。

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2012/03/16

上野の大統領で快飲、泥酔記憶喪失帰宅。ちゃぶだいのポテサラ。

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かねてから懸案だった呑み会が、やっと実現した。なにしろ、呑もう呑もうといいながら、誰が忙しいのか、みんな忙しいのか、のびのびになっていて、一ヶ月ほど前に、とりあえず日にちだけ決めておいたのが、きのうだった。

上野駅で17時待ち合わせだったが、早めに行って16時に着いた。ひさしぶりにアメ横をぐるぐるゆっくり見た。印象では、水産系の店が減り、若者カジュアル系アウトドア系ファッションの店が増え、全体的に明るくなった感じ。高架下も、一時は暗く衰退はなはだしかったが、活気があった。中国人観光客のおかげもあるか?日本人の若いカップルの姿も多い。店を冷やかしてまわっているうちに、たちまち1時間経過。上野駅の待ち合わせ場所に行くと、スソさんがあらわれる。

ところが、15分経過しても、来る予定の佐々木さんと阿久根さんが姿をあらわさない。と、スソさんの携帯に阿久根さんから電話があり、大統領の前にいるし、佐々木さんは遅れると。スソさんと大統領支店に行くと、すでに阿久根さんが1階のテーブル席を確保していた。最初頼んだ瓶ビールが一本空かないうちに、浜岡さんと続いて佐々木さんもあらわれ、これで面子が揃った。いやあ、よかったよかった。あとは、ただもう、ひたすら、呑む食うしゃべる。

ほんとにまあ、快活にして愉快な人たちで、こんなに快活で愉快な酒は、めったにない。話はとっちらかり、たいした話はしていなかったと思うが、とにかく笑い続けで、ドンドン酒がすすんだ。閉店の23時まで。勘定したら、一人3000円。大統領は、かなり呑んだつもりでも、3000円ということはなかった。こんなに呑み喰いしたことはないと思う。佐々木さんがしきりに、「安い」と感動していた。

店を出て浅草まで歩く阿久根さんと別れ、地下鉄に乗る佐々木さんと別れ、上野駅に着いて、たぶんスソさんと浜岡さんがいたと思う、別れて宇都宮線最終電車に間に合って乗り、そのあとは泥酔記憶喪失帰宅。

次は浅草へ行こうという話だったが、楽しみだ。上の写真は、上野駅不忍口を出たところにある、横断歩道の先の、立ち食い『つるや』。鈴本に来る落語家の姿も見かける。以前に、名前は忘れたが、高座のまえふりで、このつるやで「かきあげダブル」てなことをしゃべっていた落語家がいた。

今朝、やや二日酔い状態でメールを見たら、dancyuの校正が出ていた。最初4ページの企画が、途中で8ページになり、最終的に6ページになった。一部で3行はみ出していた部分があり、文章を削って調整し、メールで返信。無事に終了。あとは4月6日の発売を待つのみ。このままなら、これまでのdancyuでは、あまり見られなかった、誌面になりそうだ。はたして、dancyu読者の反応は? 楽しみ。

そのdancyuの昨年12月号のポテサラ特集は好評だったが、ここ東大宮のちゃぶだいは、ポテサラがなかった。ちゃぶだいは清酒がキホンの酒なので、板長が清酒にあうポテサラを模索していた。そして、ついに登場。先日、ふらりと寄ってみたら、突き出しに。うむ、マヨネーズ控えめで、サラリとしたさわやかな口当たり、それに枝豆を入れて、これは清酒に合う。

ちゃぶだいで近頃話題のメニューに、マルシンハンバーグのメンチカツというのがある。まだ食べたことがないのだが、なかなかおもしろいことをやる。先日は、マルシンハンバーグのダブルの間にチーズを入れて、メンチカツにしてもらって食べた客もいた。すごいボリューム。これと、どんな清酒が合うのか、首をひねりたくなるのだが、マルシンハンバーグだから、案外肉の脂が邪魔にならず、合うのかも知れない。と、思ってみたり。とにかく、一度試してみなくては。

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2012/03/15

安い酒、高い酒、どっちもうまい。

Dscn0490dancyuの原稿は、とりあえず書き上げた。本来ならレイアウトにあわせて書いたほうがよいのだが、時間がないので同時進行。だいたいの文字数の見当をつけて書き、編集さんに見てもらい、きのうレイアウトがあがった段階で、それに合わせ文章を調整した。あとはゲラで、微妙なところを直す。てな段取り。料理は、時間が短いなら、それにあわせた手数ってことになるが、文章の場合は、そうはいかない。かえって手数をかけながら、手を抜けない、最後はそれなりに仕上げなくてはならない。ま、そういうわけだ。

ところで、最初の写真は、立ち呑みだが、焼酎湯割りが210円だ。この店では、210円は一番安い酒だったと思う。ポテサラと串カツ2本にメンチカツを食べて、もう一杯湯割りを呑んでも1000円でオツリがくる。

Dscn0493一方、下の写真。これは、高いですぜ。自腹じゃないから値段は聞かずにドンドン呑んだが、場所が場所だし、グラス一杯、実質8勺ぐらいで、1000円をこえるだろう。そのうえ、お通しがある、最低、酒代のほかにお通し代が必要だ。さらに、肴も安物というわけにはいかない。ってことで、値段はドンドンドンと跳ね上がる仕組みだ。それが払えないひとは、ここには入れない。入らなくてよいという構えをしている。

もちろん、上の安酒だって、この値段でも払えないひとは、いるわけで、そういうひとは入れない。でも、最低酒代の210円あれば、入って呑むことはできる。誰でも小銭をかきあつめていらっしゃいという構えをしている。

このことのなかに、じつに、いろいろなことが含まれるておるのが、現実の社会なのだなあ。とにかく、おれとしては、どっちもうまく呑める。安酒には安酒のうまさがあるのさ。って、いつも安酒だもの。

あれこれ考えながら、dancyuの原稿を仕上げ、『四月と十月』の4月号の連載「理解フノー」の校正をやり、来月18日にスタートのNHKラジオの担当の方とメールで準備をすすめた。

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2012/03/10

取材は終わったが…。

Dscn0485きのうは雨の中のdancyu5月号のロケ。12時に新橋からスタート。つぎ有楽町。今週は、火曜日も水曜日も新橋と有楽町で取材だったから、ひさしぶりに都心で過ごしている感じだ。

おれが1965年ごろ臨時雇用を転々としたすえに、やっと正社員入社できた会社が、銀座6丁目にあったので、有楽町と新橋の駅をよく利用していた。ふりかえれば、新橋と有楽町の駅周辺のバラックがビルになる開発は、そのころ始まったのだった。

「1960年代に入り、市街地改造法、防災建築街区造成法が成立し、東京オリンピックに向けて都市整備が進められるようになると、これらも多くが整理され、バラック飲み屋街は消滅していく」と初田香成さんが『戦後東京におけるバラック飲み屋街の形成と変容』で書いている。それによると、有楽町駅前の交通会館は1965年、新橋駅前ビルは1966年、ニュー新橋ビルは1971年の完成だ。

おれは銀座のサラリーマンをやっていたころの記憶を思い出しながら、取材を続けた。しかし、忘れてしまったり、覚えていると思っていたことがアイマイだったり、あらためて、あのころは遠い昔になったと実感。

ともあれ、有楽町のあとは上野へ。新橋と有楽町は、サラリーマン・ランチの激戦地における肉食ぶりの取材だが、上野と、つぎに行った大井町は、肉屋における肉食立ち飲みの取材なのだ。

取材もあるが、おれはモデルでもあり、あれこれポーズをとって写真に写るのだ。ま、いつもすまして写真に写るのは苦手なので、はいポーズを勝手にしちゃう、その調子でやった。なかなかおもしろかったし、よい写真が撮れたようだ。編集さんカメラさんは、好評だった12月号ポテサラ特集とおなじだから、呼吸も合わせやすい。

Dscn0496_2大井町で全取材終了。では打ち上げだ。もう肉は食べたくない、編集さんの案内で恵比寿の日本酒と刺身の店へ。

しかし、4月6日発行予定のdancyu5月号肉特集の仕事なのだが、スケジュールに余裕がない。酒を呑んでいるテーブルで、編集さんとカメラさんは写真のセレクトと焼き付け。いつのまにか編集さんは、酒のコップを持ったまま居眠り。なにしろ、編集さんの仕事は、企画からお店のアポとり取材までが大きな山で、この間肉体も精神も休まる間がない。無事に取材まで終えて、よい写真も撮れたとなれば、一安心なのだ。ほっとしたのだろう。

日本酒を、かなり呑んだ。大いに呑んで食べ、泥酔記憶喪失帰宅。

きょう気がついてみれば、おれはこれからが、大仕事だ。原稿を書かなくてはならないのだ。しかも、この企画、当初は4頁の予定だったが、おもしろいということで8頁になった。原稿量も倍とはならないが、それなりに増量。本来よろこぶべきことだが、もう徹夜ができない老人の身には、ハードだぜ。でも、やってやろうじゃないか。いくつになっても鍛えられる人生は、悪くはない。

って感じで、わが身をふるいたたせているのだな。

それにしても、今回の取材は、よく降られた。最後の写真は、きのうの上野。この狭い通りは、アメ横の通りから大統領本店があるガードをくぐり、昭和通りへぬける。わずか100メートルほどの間に、以前は2軒しかなかった立ち飲みが5軒になり、大統領支店もできたし、とにかく安酒激戦地となっている。飲兵衛には、たまらん街だ。取材の店にも、川向こうの墨田から毎日通っているというじいさんがいた。おれも、このあたりへ飲みに行くのを楽しみに、はやく原稿を書き上げよう。

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2012/03/08

4月18日からNHKラジオ朝の番組に隔週水曜日出演。dancyu取材進行中。

先日掲載した下記の告知ですが、初回の出演「11日」というのは間違いで、18日からだそうです。つまり第1水曜日と第3水曜日ってことですね。よろしく~。(3月10日記)

4月2日の午前8時05分くらいからスタートするNHKラジオの新番組「すっぴん!」。

そこで隔週水曜日に放送される「VIVA! 大衆食堂」のコーナーにレギュラー出演することになりました。毎回午前9時15分から15分間くらい、全国生放送です。初回は11日18日です。

「すっぴん!」の司会を担当するNHKアナウンサーは毎日共通、藤井彩子さん。ほかに毎日変わるパーソナリティーは、フィフィさん、加藤紀子さん、ダイアモンド・ユカイさん、中島さなえさん、高橋源一郎さん。

おれが出演する水曜日は、ダイヤモンド・ユカイさん。

当番組の公式ホームページは、こちら。これから、だんだん詳しい情報が掲載されます。おれも、今日中には「抱負」を書いてメールしなくてはならないのだ。
http://www.nhk.or.jp/suppin/

はたして、どういう展開になるか。応援、よろしくお願いします。

Dscn0437それはそうと、今週、一昨日と昨日はdancyuの取材だった。取材は明日もある。4月6日発売のdancyu5月号は肉特集で、おれはサラリーマン・ランチの激戦地、新橋と有楽町の肉食ぶりと、大井町と上野の肉食立ち飲みをレポートします。

まいどのことだけど、取材から原稿仕上げまでタイトなスケジュール。雨と寒暖の差で体調管理が難しいなか、それなりに飲酒の量を「自粛」し、食欲全開で必死にやっておる。はあ、もう少し。ではない、これからが原稿書きの山場になるのだ。そのあとにある呑み会を楽しみに、老体にムチを入れ、がんばるとしよう。

一昨日の取材は午前10時、雨に煙る新橋でスタートだった。寒かった~、なのに午後はコートが邪魔な暖かさ。そうそう、一昨日発売のdancyu4月号は日本酒特集だ。いろいろな日本酒の楽しみが満載で、いいよ~。
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2012/03/07

小岩の野暮酒場で「帰ってきた泥酔論」木村衣有子×エンテツ。

迫ってきた、小岩の野暮酒場における3月24日土曜日の「帰ってきた泥酔論」。

新刊『もの食う本』(ちくま文庫)が朝日新聞で紹介されるなど絶賛発売中の木村衣有子さんとおれが、「酒飲み本礼讃」と題して、居酒屋本や飲酒に関する本をネタに、あれやこれやオシャベリする。

5時頃開場6時頃スタート。チャージなし、投げ銭方式。野暮を理解するひとのための厳選された安酒が用意されているし、隣にはフライ類やサラダがうまい「肉の津南」がある。

小岩は、安くてうまい店が多い、いいところ。ぜひ、おいでください。

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2012/03/04

岡崎武志さんがブログで『大衆食堂パラダイス!』のことを。うれし恐縮。

きのう、岡崎武志さんが、「okatakeの日記」に、『大衆食堂パラダイス!』のことを書いてくださった。すごくうれしい内容。
http://d.hatena.ne.jp/okatake/20120303
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「ビッグイシュー」に紹介するつもりで、メモを取りながら遠藤哲夫さんの『大衆食堂パラダイス!』ちくま文庫をガシガシと読んでいる。おもしろいなあ、いいなあ、文章うまいなあ、泣かせるなあ、詩人ですよエンテツさん、などと頭のなかでひとりごとを言いながら読む。無性に大衆食堂で、「とりあえずビール、それからポテトサラダとアジフライ」と注文したくなる。うちは家族で外食することが多いので、しかたなくファミレス系に行くが、まあ、うまいと思ったことありませんね、あの手のメニューで。なにか「ウソ」を喰ってる、という気持ちにいつもなるのだ。

たとえば、北九州「黒崎」の「エビス屋昼夜食堂」が二十四時間営業になったのは、客の都合から。「客に押され玉突きのような展開だが、客の期待に応える働きがあったから今日があるのだろう。食堂は、あるじと客の呼吸だ」なんて文章。過不足なくリズミカルで、表現の工夫がある。みごとな文章だ。
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いやあ、岡崎さんのような尊敬する書評家の方に、このように読んでいただけるなんて、うれしさ通りこして、ひたすら恐縮です。

岡崎さんと恐縮ということでは、数日前に、フェイスブックで激しく恐縮するメッセージをいただいた。この方は、本好きのみなさんの間では有名な書店の店員さんなのだが、このようにおれが岡崎さんと並べられていたのだ。畏れ多くて、誰に恐縮してよいのやら状態。
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雲のうえの食堂の号と、岡崎武志さんの女子の古本屋が
ぼくのなかで二大神本というか、ほれぼれ本です!
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50をすぎてから成り行きで「フリーライター」になって、中途半端なフリーライターのまま、もう70歳がスグそこなのだけど、大いなる励ましをいただいたと思い、精進します。ありがとうございました。

ところで、「ビッグイシュー」、前はよく大宮駅東口の階段下で買っていたのだが、最近は買ってない。まだあそこで売っているのだろうか。これからは大宮へ行くたびに忘れないでチェックしよう。

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2012/03/03

新橋、有楽町、浅草、上野、呑み疲れ。

Dscn0349ことしの2月は29日まで。新橋へ行き、パナソニック汐留ミュージアムで開催中の「今和次郎 採集講義」を見てから、もつ鍋を食べてドライ・ドックへ行く予定になっていた。

その29日の朝は雪が積もっていた。昼近くまで降り、14時すぎに家を出るころには小降りになっていた。電車は、やや遅れ気味だったが、15時半頃には会場に着いて合流。おれとさっちゃんと女子2人。今和次郎展は、以前に青森県立美術館で見ているが、初めてのものがたくさんあった。17時の閉館まで、ゆっくり見る。

Dscn0358腹を空かして、さあ、もつ鍋を食べよう。もつ鍋は、「がんこ」を、ここを得意としている新橋に本社があるAさんが、予約しておいてくれた。われわれは18時より15分ほど早めに着き、牛レバ刺しで、まずは乾杯。Aさんも来て、鍋のほか、あれこれ注文。ひたすら、呑む、食う。おれ以外は、バリバリ元気のよい女子社員たちで、話もはずむ。あとから、女子1名男子1名が加わり、総勢7名。もつ鍋は、最後はちゃんぽん麺で仕上げ、腹一杯。

Dscn03618時半頃だったか。つぎは「ドライ・ドック」だ。が、行ってみると満席で入れない。それならば、近くで呑みながらピークが過ぎるのを待とうと、「ニュー加賀屋」へ。ここは初めて入ったが、とにかく広い。しかも2階は全部、畳の部屋で、大広間がワンワンうなるようなにぎやかさ。やっと、7名分を確保できる混雑。

で、最後は、ドライ・ドックの2階席に座れました。もうかなり酔っていたが、とにかく、ここのポテトサラダを食べにきたわけで。それに人気のチキンバスケット。クリーミーな泡の生ビールを呑んで、おれは泥酔状態まっしぐら。よれよれゆらゆら。上野で宇都宮線終電に、なんとか間に合う。

半死状態だった翌日の1日をおいて、きのうは雨の中、有楽町へ。17時に用事が片付いて、一杯やるのかなと思ったら、みなは仕事が忙しく、おれだけ1人ぼっち。ならば、ひさしぶりに、有楽町駅近くの路地で路面店のまま生き残りの古い食堂2軒のうち、どちらにしようかと迷ったが、目下、カツ丼のカツの肉の厚さについて考えるところがあって、こちらにした。この食堂、母上の介護のため、1年の半分を郷里の高知で過ごす堀内さんが、東京に来るとたまに寄るという店だ。堀内さんのために、店内の写真を掲載しておこう。食堂のじいさんとばあさんも元気でした。

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Dscn0370_2カツ丼を食べ、18時ごろ有楽町駅で木村衣有子さんに電話をするとつかまった。浅草の「だっちゃ」で待ち合わせ、ビールのち北雪を一杯やって、上野の「大統領」支店へ移動。支店は、トイレしか使ったことがなかったが、広い店内は、イスに座って待っているひとがいる混雑。でも、客席数が多いから、2人だとあまり待たずに座れた。

しかし、先日の新橋のニュー加賀屋のような喧騒だ。おれがいつも大統領本店で見かけるような、キャップをかぶったおやじの姿はなく、若い男女、スーツ姿が多い。みな、きゃっきゃ元気よく語り合いながら、大いに食べ呑んでいる。金曜の夜という解放感か。それを見ているだけでも、うまいツマミになる。生ビールのち酎ハイ4杯のち燗酒何杯か覚えがない。

けっきょく、またもや終電になった。今日は疲れ切って、ツイッターに「1日おきに東京へ行って、あれこれやって、夜には大酒くらって、最終電車で帰ると、なかなか疲れがとれない。そういふトシになっているってことか」と、ぼやきつぶやきをしたら、やどやのまりりんから「それは若くてもキツイです~」という返信があった。そうかもな。

カツ丼については、あらためて書く。

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