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2012/05/27

23日、ウッドデッキ塗装と浅草・木馬亭のこと。

順序が逆になってしまったが、23日水曜日のこと。

朝起きたら晴れていたので、梅雨がくる前にと、狭い猫額庭のウッドデッキの塗り替えをやることにした。最低でも一年に一度はすべきところ、昨年は大地震があったのと『大衆食堂パラダイス!』の発行作業で、なにかと落ち着かなくて、やらないできていた。

8時すぎに作業開始。まずはデッキを水とブラシで洗う。こびりついた土の汚れを落とす激しい肉体労働。スグのどが乾くから、熱中症にならないよう麦茶を飲みながら。洗い終わって乾燥を待つあいだ一息入れ、腹ごしらえもする。昼頃から塗装開始。おれがハケで塗ったあとをさっちゃんが、塗りむらが残らないように布で拭き伸ばす。

で、一回塗って乾燥を待ってもう一度塗るのであるが、なんと、2回めの塗料が足りないのだ。クソッタレ。近くにドイトはあるが、ネット通販で買ったものなので、すぐには同じものが手に入らない。ってことで、また日をあらためて、もう1度塗ることになった。

ほんとうは、それで助かった。というのも、そのあと、浅草木馬亭へ行くのである。2012/05/21「祝!玉川奈々福の初CD記念浪曲会「悲願千人斬の女」一挙口演。」に書いた、奈々福さんの浪曲だ。木馬亭も浪曲もひさしぶり。19時開演に間に合うように駆けつける。

木馬亭は満席で、予備の折りたたみ椅子を出す盛況。いやあ、独演会で、こんだけ集められるだけでも、たいしたものだ。いつもの木馬亭より年齢層も若い。おれは、最前列のかぶりつきで、タノさんとシノさんにはさまれて陣取り、缶ビールを飲みながら観る。

もちろん、奈々福さんは一段と上手になっていて、会場をよろこばせうならせ、最後は拍手喝采だった。あまりに拍手が鳴り止まず、浪曲の場合はアンコールはどうなるのだろうと思ったほど。

すでに何度も当ブログで紹介したように、「悲願千人斬の女」は、小沢信男さんの同名の評伝を奈々福さんが脚本にした。全4話を、これまで別々に口演してきたものを、一挙に。なのだが、時間的にも、それは無理。第1話は省略して、残り3話を中入り15分はさんで、1時間半ぐらい演じるのだから、大変なことだ。曲師(三味線)は、奈々福さんとはお馴染みの、「悲願千人斬の女」を最初のときから一緒にやってきた、沢村豊子さん。お二人で、最後まで、見事にやりぬきました。

途中にあほだら経も入って、エンターテイメント性も豊かな口演だが、今回気がついたのは、舞台になっている、幕末から明治にかけての江戸深川や隅田川の風景、そこに暮らす人々の様子が、当時の浮世絵や錦絵などから浮かび上がるように、情緒豊かに表現されていたことだ。

現役作家としては85歳で最高齢クラスの小沢信男さんが、最後に奈々福さんに紹介されて立ち上がり、「悲願千人斬の女を、文学にしてくれました」と挨拶した。ま、もちろん、原作も十分文学なのだけど、それをさらに奈々福さんが豊かにした。ということだなと同感だった。

もしかしたら会えるかなと期待しながら、もう高齢だから来てないかも知れないとあきらめてもいた小沢さんに会えて、うれしかった。小沢さんとは、数年前に東中野ポレポレ座における「悲願千人斬の女」初回を一緒に観ている。そのことや、昨年5月6日の古書ほうろうにおける「小沢信男・大村彦次郎トークイベント「本の立ち話」 」のことなど、あれこれ立ち話。しかし、小沢さん、昨年と変わらない元気で、おどろいた。小沢さんに会うたびに、60歳すぎてからのほうがいい仕事ができるよと言われたことを思いだし、励まされる。

この日は、奈々福さんの師匠、玉川福太郎さんの若すぎる突然の事故死から5年目の命日だった。そして、奈々福さんの初めての浪曲アルバム「ほとばしる浪花節! 玉川奈々福の寛永三馬術 曲垣と度々平/大井川乗り切り」(武春堂、定価2500円)の発売日だった。CDを買って奈々福さんのサインも貰った。いい夜だった。

マッスンさんや車地さんなど経堂組の方たちも来ていて挨拶。21時半頃木馬亭をあとにして、タノさんシノさんと、とにかく飲もうと、目指す店へ行ったが、休み。次も休みで気がついた。水曜日、浅草の古い店は休みが多いのだ。ならば、いっそのこと、めったに行かない「つぼ八」へと。タノさんは、これから深夜バスで関西へ取材出張なのだそうで、その発車時間まで、あとはシノさんと電車の時間まで。あまり泥酔することなく帰宅。

翌24日は、筋肉痛が激しかったが、「オレの酒買い日記」の原稿が締切りだったので、仕上げて送った。

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