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2012/05/01

『四月と十月』4月号。

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牧野伊三夫編集長の美術系同人誌『四月と十月』26号が発行になった。今年の4月号であり、昨日届いたので、無事に4月中に発行になったのだな。

今回は、同人の皆様の作品と文、それにおれのように同人ではない連載陣だけで、シンプルにまとまっている。

同人の出稿者。石田千さん、イソノヨウコさん(柳家小春の名でご存知の方もいるでしょう)、稲村さおりさん、加藤休ミさん、久家靖秀さん、白石ちえこさん、鈴木安一郎さん、瀬沼俊隆さん、田口順二さん、早川朋子さん、福田紀子さん、牧野伊三夫さん、松本将次さん、三梨朋子さん、ミロコマチコさん。

連載陣は。鈴木伸子さん「東京風景」18回「「スカイツリー入り」の新風景」。有山達也さん「装幀のなかの絵」18回「余白」。堀内花子さん「父のこと」4回「学校がはじまる」。言水ヘリオさん「画廊の外の展覧会」14回「活字」。蝦名則さん「美術の本」22回「異色の画家たち 其一」。そして、おれは「理解フノー」8回「五〇年目のタワゴト」。

おれは、今年の春で、上京あるいは出郷50年。その後の「横ズレ」人生をふりかえり、当ブログ右サイドバーにある言葉「それゆけ30~50点人生」などについて書いた。

それにしても、まいど、シャクにさわるほど上手で、うなってしまうのは、写真家の久家靖秀さんの文章だ。おれは、(フリーライターという商売柄)イチオウいくつか使い分けられる文章を持とうとしているが、基本は、あまり修辞的な方法は用いないで表現することだ。その場合、文章のリズムやスピードのコントロールが大事になると思っている。久家さんの文章は、まさにそういうもので、シャクにさわるほど、うまい。

今回は、「ちょうどいい人数」のタイトルで、このように書き出す。

「映画は二人でも楽しいが、スーパーマーケットは一人に限る。広い売り場を快適に効果的に巡るには、それなりのリズムとスピードが必要なのだ」

久家さんの文章そのものも、リズムとスピードがほどよい感じである。久家さんとは「余暇」の付き合いだけだが、そこでもいつもほどよいリズム感とスピード感を持っているから、きっと仕事でもそうなのだろう。こういう文章を読むと、ヨーシ、おれももっと勉強するぞ、という気になる。

とにかく、この『四月と十月』は、さまざまな表現に取り組んでいる方々であり、みなさん現場で活躍中の方ばかりなので、とかくありがちな抽象的観念的な「美学」や「表現」の「論」はないから、とても刺激になる。

表紙の絵は、松本将次さん。この絵について、表紙デザインを担当している内藤昇さんが「表紙の作品について」書いていることも、おもしろく、四月と十月らしい。

  飾らない、作らない、
  かっこつけない素晴らしさ。

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