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2012/07/08

大阪・天満、限界低価格競争か飲食天国か。

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昨日の続きになるが。大阪行きは、昨年1月6日の、ミーツの天満取材以来だった。新大阪に着いたのは12時半ごろ、天王寺駅で16時20分の待ち合わせまでは、まだ時間がある。とりあえず大阪駅へ出てみた。すると、大阪駅の変わりよう。そういえば、ずっと工事中だった大阪駅は、去年の5月に生まれ変わった姿をあらわしたのだった。まさに「大変身」。とはいえ、そこに入った店からして、とくに大阪らしい個性があるわけでなく、ただただ雑踏に辟易し逃れ、JR環状線で一駅先の天満へ脱出した。一年半ぶりだ。

昨年の天満取材では、天満駅の北側で天神橋筋の東側の市場が中心だった。昔から天神橋筋は何度も歩いているが、北側の天神橋筋5丁目あたりから西へ曲がる天五中崎通りを行くと、たこやきで有名な「うまい屋」がある。そして、その隣に、『力餅食堂』があった。関西には、同名の食堂がたくさんあるが、まだ一度も入ったことがない。そこで昼めしでも食べようと向かった。

天神祭の旗がならぶ、天神橋筋は相変わらずの混雑だ。しかし、その雑踏が、大阪ターミナルのようにわずらわしくないのは、何故だろう。昔ながらの商店街のよさは、人の雰囲気も変えるにちがいない。なごみがありますなあ。

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しかし、飲食店の競争は激しそうだ。市場が近いこともあってか、寿司屋も多く、にぎり一貫65円75円を競っている、ビール大瓶350円は、めずらしくない。確か天満駅前の立ち飲みでは320円のはずだ。

まだ平日の1時すぎというのに、立ち飲みはもちろん、たいがいの居酒屋が営業している。入り口の提灯の灯りをつけ、天満酒場などは、戸をカラリと開け払って、白木のカウンターで楽しそうに飲んでいる客たちが見える。うーん、引き込まれそうだ。しかし、夕方からの4軒ハシゴ酒取材に備えるため、飲むわけにはいかない。

天五中崎通りに入ると、すぐ左側に『うまい屋』。おにいさんが焼いて、客が2人ばかり立っている。その隣…力餅食堂、が、無い。無くなっている。新しい、なんだかよくわからないマッサージ治療のような店舗になっていた。

Dscn0870もう近頃は、こういうことに遭遇しても驚かなくなった。ただ、いつも思うように、シマッタ、このあいだ前を通ったときに入っておけばよかったと、少しガッカリして歩を進める。

おなじ左側の並びに『堀内酒店』、その先右側に『稲田酒店』。このあたりでは「角打ち」とはいわないで「立ち飲み」のようだが、いずれも魅力的な佇まい。稲田酒店の前には、自転車が止まって、中では4人ほどの男たちが飲んでいた。おれは、がまんがまんで見送る。

天神橋筋界隈は、一日中いても飽きない、「大人のテーマパーク」。うまい安いは、あたりまえ。大阪は、やはり、ヘタな「維新」や東京の後追い「都構想」などより、どこも真似できない、高級本格グルメまで備えた、裾の広い飲食天国で、日本はもとより世界中から人を集められる力を持っている。いや、ほんと、あまり政治に狂わないで、食い道楽に狂ったほうがよいと思うよ。大阪は都は都でも、「食都」をめざすべき。と、妄想をたくましくした。

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見よ!これが『ミーツ・リージョナル』3月号「天満特集」の表紙だ。

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