画家のノート『四月と十月』27号、ほかいただきものや気になること。
今週9日火曜日は、秩父へ。町立病院に寄って、厚生省の審査会で差し戻しになった特別疾患の申請に添付の医師の書類を渡す。ちょうど、受付のところで、通りかかった医師にも会って話ができた。もう一度出し直しということになると、申請が通っても申請日からの適用なので、一番費用のかかっている手術代が出ないことになる。とにかく、福祉予算がどんどん削られているように、特別疾患の医療費補助も、どんどん厳しくなっているのだ。そのうち「生活保護」費みたいに、難病になるやつが悪い、直そうという意志がない、怠け者、精神がたるんでいる、なーんてことになりかねない。
秩父に一泊し、翌日10日に帰宅。東京新聞の締切日なので原稿を仕上げて送った。
きのう12日。16時に須田さんたちと四つ木で待ち合わせだったので、早めに出て、15時に立石のゑびすや食堂へ。4年ぶりぐらいか。メンチカツとビール大瓶と焼酎ハイボール。駅にもどって、隣の四つ木に行く前に念のため須田さんに電話すると、取材が早く終わったので立石にいると。駅で合流、須田さんのほかに恩田えりさんと山崎義高さん。四つ木の大衆酒場ゑびすへ。16時の開店早々。5年ぶりぐらいか。大いに食べ、大いに飲み、大いに語り、楽しかった。また何か新しい企画が動き出す。
恩田えりさんのお囃子は、6月の読売銀座落語会のときに聴いているわけだけど、いろいろ共通の知り合いがいることもわかった。
たしか19時ごろ解散で、おれは浅草へ。着いて吸うさんに電話、近頃彼がよく行っているという酒場で待ち合わせ、飲んだ。吸うさんとは、このあいだみとめで偶然会ったけど、一緒に飲むのは久しぶり。なんだかワイワイ盛り上がった。吸うさんのブログ再開、野糞でこんにちは、なるか。たぶん21時すぎごろまで。酔った。
東大宮に着いたら、すでに泥酔状態だったけど、ポン酒が飲みたくて、ちゃぶだいへ。さらに泥酔記憶喪失状態さ。目が覚めたら朝で布団のなかだった。今日は夕方まで、頭に靄がかかったまま。
この間に、いただいた本などがある。
毎号いただいている、久住昌之さんの切り絵が表紙の『TASC MONTHLY』10月号。先日飲んだとき、この切り絵の苦労話を聞いた。『孤独のグルメ』や『花のズボラ飯」とは、チョイと違うというか、違わないんだけど、見えにくい顔というか。現代を生きる 第26回(最終回)は、「生きることの作法 真の自立を身に付ける」のタイトルで、鷲田清一さんが書いている。「国が滅んでも生き延びていく力」について。 チョイと首を傾げるところもあるが、共感するところもあって、おもしろい。
盛岡の「まちの編集室」から、てくり別冊『いわてのうるし』と『馬と人』と『てくり』14号を頂戴した。いつもいただくばかりで恐縮。ありがとうございます。パラッと見ただけだが、『いわてのうるし』は、たくさんの写真が、どれも素晴らしい。よく読んでから、紹介しよう。
著者の小沢信男さんから、ちくま文庫から10日に発売の『東京骨灰紀行』をいただいた。単行本の時にもいただいて、当ブログで紹介している。たくさんの人に読んでほしいね。小沢さんは銀座生まれで東京本も何冊かあるけど、東京人が書く東京本にありがちな東京に寄りかかった「甘え」がない。いつも、しっかり「場所」と向き合っている。2009/09/09「小沢信男さんの新著『東京骨灰紀行』筑摩書房から」
さてそれで、おれの「理解フノー」の連載が載っている、美術系同人誌、画家のノート『四月と十月』が発売になっています。表紙は、めきめき売り出し中のミロコマチコさん。
おれの理解フノーは9回目で、「十年後」のタイトル。ま、おれのような野蛮人にもある「老化」のこと。同人の稲村さおりさんの文章も「老化」がらみ。連載陣の有山達也さんも、「老化」とは違うが、「老人」の父上のこと。そういう年頃の方がいるのだな。編集長の牧野伊三夫さんも、40代後半で、マガリカド。
あいかわらず、久家靖秀さんが、「6分間クッキング」のタイトルで、しゃくにさわるほどかっこいい文章。なにより「文学の尻っぽ」(五木寛之の若い頃の言葉)をぶらさげていないのがいいし、料理のレシピも明快だ。久家さんの「料理シリーズ」は、四月と十月文庫にしてほしいね。
近頃は同人の新人に若い女の進出が目立つ四月と十月だが、若い男が出現!作村裕介さん。「画家、左官屋」の肩書き。プロフィールがおもしろいので、そっくり以下に引用。
「1986年富山県生まれ。近年はモーレツッ!にグッと来た風景や、人をそのその場でスケッチしている現場主義の画家、野性的にギラギラ生きる人間の姿に魅せられ、下町の大衆酒場、銭湯、八百屋など時代から段々と淘汰されているくものをモチーフにすることが多い。スケッチと文章はブログ『作村裕介のうっ~ん、モーレツッ!!』に連載中。http://mo-retsu.jugem.jp/」
ってことで、作品のページの文章にも、「僕はギッラギラに光るネオンやパチンコ屋や、風俗街の看板の明かりが大好きだ。/特に、「テレクラ」の看板なんか見てるとグッとくる。上手く言えんけど、欲望とか情とかそんなもんが見えんほうが、かっこよくて生活しやすいんやろうけど、こういう人間の欲望とかが野性的にギラギラした看板とかネオンて堂々としていて、かっこいい」と。
いやあ、気になる方だ。
気になるといえば、いま一番気になって、発売が待ち遠しいのが、岡崎武志さんの、この本、『上京する文學』だ。
http://d.hatena.ne.jp/okatake/20121012
『大衆食堂パラダイス!』は、上京者であるおれの「上京」と「望郷」が大いに関係しているしね。ま、文学といえるほどのものじゃないが。
| 固定リンク | 0