酒は裸で飲むがよい?
内田百閒『第二阿房列車』(旺文社文庫)を読んでいる。
「雪中新潟阿房列車」に「面倒だからお風呂は省略して、しかし襯衣(シャツ)を著てゐるとお酒がまづいから、素肌になつて宿の浴衣とどてらを著た」とある。「どてら」は漢字だが、パソコンには無い。
言われてみれば、確かにそうだ。シャツを着ているとまずくなるってほどじゃないが、素肌に浴衣のほうが、うまいのは確かだ。と、思い当たることがある。なぜだろう。シャツを着ていると窮屈だからだろうか。
素っ裸で飲んだほうが、解放感があって、さらによいかも。
なにはともあれ、内田百閒は、酒の味そのものについては、あまりとやかく書かないが、飲み方や食べ方のことになると、飲み食い始めるまでの流れ順序も含め、けっこうウルサイ。
モノに頼らない自分なりの楽しみ方を持っているのではないかと思う。
モノについて、とやかく言う人には「文化」を感じないが、こういう人には「文化」を感じる。内田百閒は付き合ってみたい人物ではないが。
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