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2014/12/15

遅くなりましたが、「非公式物産展〈非公式物産展の地球のあるき方2〉」in space dike@日本堤。

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この1年、ブログをさぼりがちで、気になっていながら書き落としていることがいくつかある。このspace dike(スペース・ダイク)@台東区日本堤で2014年9月28日(日)に開催された「非公式物産展の地球のあるき方2」も、その一つ。

東京での「物産展」の1回目については、2014/07/01「「非公式物産展〈地球の歩き方 初回オリエンテーション編!〉」のち「俺とエロと手拭と私」トーク。」に書いた。

これは大村みよ子さんの、一つのアート活動で、「アサヒ・アート・フェスティバル2014」参加プログラムでもあるのだが、実際に参加してみないと、何をやっているかわからないことが多いだろうし、参加しても「想像力しだい」のものといえる。

前回に続き今回も、なるほどなあ、「アート」だの「芸術」だのというのは、本来こういうものなのだと思うことしきりだった。

001とかく、「アート」だの「芸術」だのというと、床の間や壇上にあるような、リッパな「いいもの」を鑑賞することであり、「作者」は、それに耐える「作品」を提供し、鑑賞する者は、それだけの知識や教養が必要とか、思い込んでいるフシが多いが、元来は違うのだな。

「物産展」は、「旅にまつわるなにかを持ち寄り集う会」を謳い、同じ空間に集まった人たちが、同じ床の上で、あったはずの、あるはずの、体験した旅についての興味や関心をつなぐ、するとそこにひとつの「絵」が生まれる。「絵」といっても目視できるものではない、ひとつのイメージであり、それを紙などに定着し可視化すれば、よく言われる、絵や文章になったりするのだが。大いに刺激になる活動で、おれは、いろいろなヒラメキを得ている。

ともあれ、今回の会場、space dikeも前回の会場同様、手づくり感あふれるもので、まだコツコツ、do it yuorself中であり、会場自体が、「旅」のように、非日常感覚のものだった。

前回入場料と引き換えにもらった「会員証」を入場料と共に出して、大村さん手製の判を押してもらう。

おれは、大村さんが、8月に北九州市小倉の旦過市場にある大學堂で「非公式物産展」をやったあとだったので、西日本新聞社から発行の「雲のうえ」縮刷版『雲のうえ 一号から五号』を持って行き提供した。それは、すぐに、古い各地の絵葉書などが置いてある一角に並べられたが、その古い絵葉書が、なかなか楽しかった。昔は、本当に「絵葉書」だったしね。いろいろ記憶が発掘され、記憶と記憶がつながっていく。

004大村さんは、「キッチンうろ覚え」というのをやっていた。これは、8月の北九州で、「枝光商店街の床屋のおばあちゃんにもらった菓子の再現の試み」なのだが、「赤飯まんじゅう」というものだ。「調べてみたら北九州と全く関係のないお菓子らしいのですが、そんなことはどうでもよくて「あれ、もう一度食べたいから作ってみる」という感じです。」

埼玉県には「いが饅頭」なるものがあり、これは、大雑把には饅頭を赤飯でくるんであるが、大村さん体験のものは、饅頭の皮の中に、饅頭の皮にのっかる感じで赤飯があるもの。似たようなものが各地にあるし、八戸のせんべいで赤飯をサンドした赤飯サンドなるものなど、なかなかおもしろい。

やはり問題は、饅頭の皮の部分であり、大村さんは、「キッチンうろ覚え」であれこれやって、記憶に近いものを作り上げていた。

ほかに、近所の古本屋、東浅草の古本カフェFUGAKUさんが、山や旅の本を揃えて売っていたり、1回目のときに韓国料理を再現しながら韓国旅の話をしていた方が、今回は2階の会場にダクトを設え焼肉をやるという。2階へ行ってみたら、まだダクト工事中で、ようするにダクトを作りたくて、焼肉をやるのだと。おもしろいなあ。

ほかに陶芸家の方が「等高線入り山岳箸置き」を作って販売していたり、小さな空間に、いろいろなことが詰まり、いろいろな人が集まっていた。

近年SNSなどの普及もあり、「つながり」がブームのようだが、「功利的」な「つながり」を求める傾向も少なくない。どんな企画も、功利的になってしまったら、企画としてのおもしろさは失われるし、消費に流れてしまう。そもそも、そういうところに集まってくるニンゲンからして、「つながり」にガツガツして、いわばビジネスチャンスの拡大を狙っているだけで、あざといというか、おもしろみに欠けることが多い。

その点、この「物産展」は、記憶や感覚などを自由に動かしながら興味や関心をつなげ、なにかを発見するのであり、「カウンターカルチャー」とも一脈通じるところがあって、大いに刺激になる。

また次回が楽しみだ。

この28日は、おれの71歳の誕生日だった。会場で野暮連と待ち合わせ、飲むことになっていた。えーと、誰がいたかなあ、男3人に女2人だったかな、女は3人だったかな。

日曜日だったので、日本堤周辺の店は休みが多く、上野へ出て飲んだ。上野では、さらに男2人が加わり(もっといたかな?)、カラオケもやって泥酔したのだった。野暮連も非公式物産展のようなものだなあ、「非公式野暮人間展」か。

非公式物産展
https://note.mu/hi_bussanten

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