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2015/01/09

面白いことになっている中野の昭和新道。

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2014/12/29「レンガ積みとトークで年暮れる。」に書いたように、昨年末は、中野北口の昭和新道へ行った。

この通りの、ここ数年の変わりようは面白い。

数年前までは、うす暗い湿った感じの、まさに「昭和」な通りだった。それが、いまでは大にぎわい。大きなショップができて変わったのではなく、もとからある古い小さな建物が並ぶ通りはそのままに、店だけが新しくなっている。

しかも、カネかけて、ドーンとファッショナブルな店ができて変わった、ってことでなく、どことなくDIY風に変わっていて、好ましい。いかにも自分たちの自力で街をつくっているという感じがあって、共感がわくのだ。横丁感覚の通りともいえるか。ちょいと入ってみたくなる飲食店が並ぶ。若い人が始めた店が多く、通りにも若い人が多い。数年前とは、えらい違いだ。

入ったのは、「麦酒(ビール)工房」。いわゆる「規制緩和」のおかげなのか、店の中にビールの製造装置を設置し、できたての生ビールのうまさが楽しめる。店の奥にはガラスごしに、ビールの製造装置が見える。

この店は、昭和通りから細い路地に入ったところにあるのだが、その路地に板が敷いてある。なんだろう、ちゃんと舗装もされているのに、思わず足がとまる。路地には、麦酒工房のほかに、スナックやタイ屋台がある。

そして、麦酒工房はDIY感タップリの店舗なのだ。セルフサービスで一部立ち飲みなので、導線だけは考えられているが、きっちりデザインされ、キッチリ施工したというものではない。おれたちも、DIYのレンガ積みをやったあとに行ったので、テーブルや腰板あたりをみながら、おれたちのほうが腕が上だな、なーんて冗談を言いながら飲んだ。

すみずみまで「プロの仕事」という感じではなく、どことなくアマチュアのDIY感があるというのは、これから何につけ面白くなる気がする。

中野は、警察学校跡地の再開発から駅周辺の再開発が続き、中野のシンボルだった中野サンプラザの解体計画も進んでいるなど、ようするに建設不動産バブル状態であるのだが、しかも、戦後の中野の振興を担った個人商店が代替わりの時期とあって、店の入れ替わりも激しい。

駅周辺は、しだいに大資本や大企業の手にわたるかも知れないが、この昭和新道のような生き方ができる街は面白いと思う。中野は新宿文化とも、いわゆる中央線文化ともちがう。

中野北口 昭和新道商店街のサイト(このサイトも中途半端でDIY感がある)
http://www.sinmichi.com/index02.html

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