王子、赤羽、東大宮、泥酔帰宅。本屋は何業?ライターは何業?
先週28日の土曜日は、T書店のYさんに声をかけていただき、赤羽16時集合で飲んだ。
おれとYさんのほかに、M出版社営業のWさんと、某印刷会社社員で本屋ファンにつき大手出版社のWEBで本屋巡りの連載をしているKさん。野郎ばかり4人。Kさんは、少量で酔うタチ、Wさんはかなりイケル口。
出版関係ではあるが、編集関係ではない。出版業と流通業の両方から、本を見られるところが、面白い。編集者たちとの話とは、だいぶ違う。流通業は、おれも長いあいだ関わってきたが、フィールドと直に接し、取引しているからだろうか。なんといっても、ひとに頭を下げるのがシゴトということもあり、ニンゲンとしても面白い。
Kさんは印刷会社だけど、彼はキャンペーンやイベントの運営を請け負う仕事が中心。子供相手のものが多いのだが、ずいぶんいろいろあるものだ。どこの業界も、子供のうちに囲い込んでしまいたいのだな。
WさんのM社は、創業10年弱の会社で、小さいながらも良作佳作で話題になる本の連打で成長、大手流通を通さない書店と直取引中心にユニークな経営で注目されている。話を聞くと本社の建物も、かなりユニークだ。Wさんは、大手流通から転職。
Yさんは、自分の書店をはみだすような手書きの紙ツブテを発行して、垣根を超えどんどんシャッフルする、Wさんにいわせれば「クレイジーな存在」。
ま、4人とも、なにかしらからはみだした、クレイジーな存在であるがゆえに、いまここで顔を合わせて飲んでいるという感じで、かなり有意義かつ楽しかった。
それぞれのイマの仕事や関心事。官僚的について。商品開発、つまり立ち上げからつくることの苦労と面白さ。残る本、必要な本、欲しい本など。店舗の規模と立地と品揃え、いわゆるセレクトショップと本屋の位置。富山県の「特殊性」。生活史と政治史の表裏の関係とモンダイ。そういう整理ができるか、などなどが記憶に残っているのだが、たぶん半分以上は酔って覚えていない。
前にも書いたが、インターネット×紙メディアや本、という捉え方で紙や本は「終わる」というハナシを、「出版不況」と重ねて語るハナシが、メディア上では多く話題になるが、実態把握から間違っている面がある。
そういう視点から、「危機感」を持ち、「紙」や「本」への「愛」を共有して生き抜くようなハナシも多いが、これじゃ、間違いの上塗りになる。こういう傾向は、どちらかというと編集サイドに多いようだ。
ライター稼業は、フィールドと直に接しているにも関わらず、編集サイドからだけ見ている傾向もある。直に接していても、取り引きは流通業まかせだからだろうか。出版社編集に寄らなくては仕事にならないからだろうか。自己愛と本に対する愛が、ごちゃまぜになっていることも少なくない。それが一層、観念的に「危機感」を深める。
難しい状況はあるし、あらゆることに共通するが、危機感で何かが解決することはない。危機感から企画されたことは、より危機を深めかねない。いまの「出版不況」は、そういう側面もあるのだな。そんなことを考えた。「出版不況」は見る人の立場によって、違ったものに見える。
ところで、28日は好天気で、16時赤羽集合だったが、すでに酒場はどこも満杯状態だった。王子の山田屋ならハコが大きいし開店まもなくだから4人でも座れるだろうと行ったのだが、なんと、すでに満杯。いったい日本はどうなっているのだ、こんなに酒を飲んで浮かれているバヤイじゃないだろうと思いながら、酒場難民になる危機感を持ちながら移動、串の介に落ち着く。
のち、再び赤羽へ。20時すぎだったか、やはりどこも一杯で、人も多く、街中が酔っぱらいでうなっている感じ。桜商会のイス席なら座れるだろうと思って行ったら、やはり一杯、だが4人席に掛けていた、見るからに地廻りの兄貴と弟分みたいな二人の兄貴が、「ここ空けるから」と残っているツマミを大急ぎで口に放り込み立ってくれた。地廻り様さま。
で、まあ10時半ごろまで。かなり酔って出て、それがもとで、東大宮に着いて、もう一軒となり、ヨレヨレ泥酔帰宅だった。
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