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2015/06/02

地下酒場。

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コンテンツのテーマやカテゴリーあるいはジャンルというのか、あらゆる分野で細分化がすすんでいる。酒場の分野では「コの字酒場」なんてのもあるぐらいだから、「地下酒場」ってのもあるだろうと思ったら、ざっとWebを見渡したところでは、「専門家」はいないようだ。

だから、なにかイッチョウ売りだしてみたいと思っている方は、やってみたらどうか。と書けば、山っけのある人は、必ずやるに違いないし、そもそも特集のテーマぐらいにはなってもよいと思う。

ニュー新橋ビルの地下の飲食街のように、「街」として独特な風情のところもあるし、たとえば、バーなんてのは、地下に降りていく階段からして、物語になる店がある。

ということを思いついたのは、じつは、写真を整理していて、この写真が出てきたからだ。

このバーは、間口1間半ばかりの細い狭いビルの地下2階にある。階段も狭く急で、地下1階のバーの入口のあたりだけ、階段の幅二つほど平なところがあるが、一直線で地下2階まで続く。穴倉に落ちるようだ。ときどき、入る前、出る時に転がるやつがいると、マスターが言っていた。

古いジャズバーで、棚には煙草の煙で変色したビニールカバーがかかったレコードが、えーと何百枚だったか、いや4ケタだったか。ひとくせもふたくせもありそうな常連が、カウンターに座り、煙突のように煙草の煙を吐く。そういう客を相手にするマスターも、ジンジョウじゃない。

店の雰囲気、マスター、客、明るい地上は似合わない。地下酒場ならではだと思う。ジャズバーは、地下にあるべき。地下に降りる階段、「地下」という言葉が、その感じを、ますます強くする。

そんな酒場が、ほかにもありますなあ。地下ならではの人間がうごめくところ。地下ならではの酒の味わい。

ま、そんなことを思ったわけです。

この写真は、昨年11月、たまたま開店早々にSさんと入ったときに、Sさんが撮ってくれた。日頃は、地下のジャズバーのマスターらしく、気難しいところもあって、写真どころではないのだが、この日は、まだ客がいない時間だったこともあってか、撮影に気軽に応じてくれた。マスターとのバカ話も、すごく楽しかった。

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