「ワインブーム」と「日本酒ブーム」なるもの。
「まち」の資料と共に、「酒」の資料もあれこれ、見ている。
米の自主流通米制度の導入と、ワインブームが、その後のあることに関係するんではないかということで調べてみたら、ドンピシャ、という感じだった。
1969年 自主流通米制度
1972年 第一次ワインブーム(本格テーブルワイン市場開幕)
1978年 第二次ワインブーム(1000円前後のワインが人気)
1981年 第三次ワインブーム(地ワインブーム)
1987~90年 第四次ワインブーム(ヌーヴォー&高級ワイン)
1994年 第五次ワインブーム(ワンコイン低価格ワイン登場)
1997~98年 第六次ワインブーム(赤ワインブーム)
2012年~ 第七次ワインブーム(低価格輸入ワイン市場拡大)
これに、日本酒や焼酎のブームをからめてみるのは、これからだが、ワインブームについては、その根拠になるデータが消費数量からも明確で、上の推移はキリンのサイトにも載っている。
http://www.kirin.co.jp/company/news/2014/0903_02.html
焼酎ブームも、あるていどは、数量的な裏付けが可能だ。
ところが、最近、「日本酒ブーム」といわれたりするのだけど、こちらのほうは、少し事情が複雑なようだ。
SAKETIMESのサイトに、「日本酒ブームの光と影。消費量から見る日本酒業界の現状」という記事があって、なかなか興味深い。
http://jp.sake-times.com/think/study/sake_g_promlem_on_boom
著者の内藤酒造の内藤俊さんは、「私の持論となってしまいますが、特定名称酒が普通酒に比べてより優れているなどという考えを皆さんにはしてほしくはないのです。それぞれに個性があり造り手の思いが入ったお酒に違いはないのですから。場所や状況に応じて普通酒がベストなシーンがどこかに眠っているかもしれません」と述べている。大いに同意したい。
「純米酒ブーム」をもって「日本酒ブーム」といえるか。なにかというと、なにごとにつけても、ありふれた大衆消費レベルより上位文化にスポットをあてて語りがちだが、とくに日本酒については、いろいろハッキリしないことが多いから、注意が必要だと思う。どこに根があるかを見極めないと、上滑りに終わる。
煽られず、煽らず、あたふた流行の言説にふりまわされることなく、ゆうゆうと食文化を楽しみたい。
ってあたりで時間がなくなったので、これまで。
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