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2015/10/24

アート展ハシゴ。その2 Arflex×ミロコマチコ「たいようのねっこ」展。

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前のエントリー、スソアキコさんの「古墳と山高帽展」の会場を16時過ぎに出て、向かった先は恵比寿。アルフレックスジャパンで、この日オープンのミロコマチコ「たいようのねっこ」展を見るためだが、18時からライブペイント、続いてレセプションがあるから、これに参加しようと、同行1名、Arflexと取り引きがある会社のインテリアコーディネーター。

恵比寿に着いたが、時間が早すぎる。会場へ向かう途中、ワインバーだの、こじゃれた店ばかりのなかに、昔のまんまの「村さ来」があった。かつては、都内どこにでもあるという感じだったが、いまではなかなか見かけることもない村さ来。まわりじゅうがこじゃれていくからこそ、生き残ったか。こういうところへの需要も普通にあるのだよな。

80年代は、よく千駄ヶ谷の村さ来で飲んだ。ワニの肉やカンガルーの肉などを初めて食べたのは、この店だった。そのたぐいのメニューも健在。ま、でも、軽く、簡単なつまみと生ビール2杯だけにして、会場へ。

さて、村さ来とは格差ありすぎ、こんなことでもないと縁がない高級家具のブランドのショップ。ミロコさんは、2012年に『オオカミがとぶひ』で日本絵本大賞を受賞してから、『てつぞうはね』講談社出版文化賞絵本賞、『ぼくのふとんは うみでできている』で小学館児童出版文化賞を受賞、最近は『オレときいろ』が2015年ブラティスラヴァ世界絵本原画ビエンナーレで金のりんご賞を受賞した。ネームバリューについてはArflexに負けてはいないが、Arflexとの組み合わせはどうか、昨年は伊勢丹のクリスマスディスプレイのメインヴィジュアルを担当し大反響だっただけに、興味津々。

ま、とにかく、写真を見てもらいましょう。エントランスの横に、ミロコさんの絵が描かれたソファなどがあり、もう壁だけではなく天井からつるしたり、足元の植木にも、高級家具が並ぶショップのなかは、ミロコジャングルという有様だった。

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いいねえ、あいかわらず、のびのび、おおらか、力強い。食にたとえるなら、ぶっかけめしのような。あはははは、Arflexの家具でぶっかけめしも悪くないかも。自由な生命力と愛ですよ。

18時からのライブペインティングもよかった。横長のスペースの中央上部に、いきなり黄色で、太陽らしき、塗りつぶしから始まった。ミロコさんが『ホロホロチョウのよる』に黒い太陽を描かないと落ち着かない、というようなことを書いていたのを思い出し、太陽を黄色にするのだろうか、いや最後に黒く描きこむかも、と考えているうちに、音楽と共に、どんどん描きすすむ。オオカミらしき姿があらわれてくるまで、どんな絵になるのか、まったくわからなかった。

もう描かなくていいんじゃないかなと思っていても、どんどん描きこむ、どんどんよくなる。そして、音楽の演奏が予定していた全曲終了と同時ぐらいに描き上がった。「おはよう、たいよう」のタイトル、太陽は最初に描いた中央上部に黄色く残った。

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音楽の演奏もよかった。とくに、ボーカルの神田智子さんの声が素晴らしく、スキャットなのかどこかの原住民の言葉なのかという感じのものもよかったが、「My Favorite Things」に聴きほれた。ミロコさんのリクエストもあって、最後に、もう一度アンコールで聴いたのだが、帰りに口ずさんでいるうちに、ウチにもテープかCDであったはずだと思いだし、帰ってから探して見つけた。

レセプションはワインなどをいただきながら、会場をウロウロ見て回る。ミロコさんと同じ「四月と十月」の同人の方も何人か来ていた。スソさんの会場からハシゴという同人もいた。あれこれ、おしゃべり。

そうそう、会場に着いたころ、ミロコさんは、せっせと絵を描いていた。会期中にも描き足していくのだとか、「○曜日までにはおわらせたいのだけど~」。

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ミロコさんは、絵本大賞をもらって一躍有名になる以前、2011年9月に四月と十月文庫から画文集『ホロホロチョウのよる』(港の人)を出版している。黒くない太陽を描くようになったけど、人となりは、その本のままだ。『ホロホロチョウのよる』をまだ読んでない方、この会場にも足をお運びください。そこでも売っています。

会期は11月3日(火・祝)まで。
案内は、こちら。これからもライブペンイントやワークショップがある。
http://www.arflex.co.jp/mirocomachiko/

おれは同人ではないけど、「理解フノー」の連載をしている、美術同人誌「四月と十月」については、こちら。
http://4-10.sub.jp/

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