『dancyu』7月号「酒場はここだ。」に北浦和・居酒屋ちどり。
去る6日は『dancyu』7月号の発売日だった。特集は「酒場はここだ。」ということで、昨年の1月号「いい店って、なんだ?」の酒場編のようなものだ。
おれは、ときどき行っている北浦和の「居酒屋ちどり」を書いた。
編集さんからは、「「酒をのんでええ気持ちになれればそこは酒場」という、広いポリシーで臨みたいと思っておりまして、居酒屋に限る必要はありません」というメールをいただいた。
そこで、店名に「居酒屋」がついているが、一般的な居酒屋とはチョイと違うし、まだ店に立って1年ほどの28歳の店主が何から何までやっている素人くさい酒場で、これまでのdancyuの範疇では取り上げられるのは難しいだろうが、ココこそおれにとっての「いい酒場だ」ということで押したら通ったのだ。やったね、の気分。
取材は、ライブのある日ということで、ちょうどうまいぐあいに、以前一緒にトークライブをやったことがある原田茶飯事さんの誕生日ワンマンがある日になった。
写真は、大森克己さん。
いい写真。
取材が終わった頃、編集長の江部拓弥さんと副編集長の神吉佳奈子さんがあらわれた。平河町の会社からわざわざ来て下さった。お二人は、この号が最後になる。
狭いちどりは一杯なので、駅近くの居酒屋で終電ギリギリ駆け込みセーフまで、にぎやかに飲んだ。
そして、江部編集長最後の本号が出来上がった。
居酒屋ちどりのタイトルは、「歌に酔う」だ。
おれは、まいど述べているように、「作家」クラスをめざす気はなく、脇役端役の小銭稼ぎのフリーライターだが、このページが、江部編集長を送る花の一輪にでもなれたら幸いだ。
江部さんの前は、町田成一さんが編集長だった。おれは町田編集長時代の2011年2月号で初めてdancyuの仕事をした。編集部に知人がいるわけでなく、突然メールをいただき、その号で終わりかと思ったら、ぼちぼち仕事をいただいた。
とくに積極的に絡むこともなく、とくに親しくするわけでもなく過ぎ、編集長が江部さんにかわったのは、2012年の末か13年の初めごろだったろう。デザイン一新でデザイナーさんはかわったし、いろいろウワサもあって、それまでの写真の人も文の人も変化があった。
おれは相変わらず、とくに積極的に絡むこともなく、とくに親しくするわけでもなく、流れに身をまかせていた。あいかわらず、ぼちぼち仕事をいただいた。そんな感じで、江部編集長の4年数か月が過ぎた。
雑誌は、誰が編集長をやっても、難しい時代だ。新聞や雑誌の仕事など、泥船に乗っているようなものだと言えるだろう。
江部編集長、お疲れさまでした。まだ先がありますが。
と、「送辞」のようになってしまったが、この特集、さまざまな意外な人、意外な酒場が登場し、おもしろい。
従来の飲み物と食べ物と人物の「物」イズムにとらわれた話と、一つ一つが違い、人の数ほど「酒場観」があるのだなあとあらためて思った。デザインもタイトルごとに違う。
雑多がいい、おもしろい。
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