「カニコーセン」初体験。
カニコーセンのうわさは、関西の人にきいていた。AZUMIさんのアルバム「夜なし」にも入っている「播州平野に黄砂が降る」は、カニコーセン(堤雅彦)の作詞作曲で、知っていた。
製鉄所の煙突は、粉塵をまきちらして
ガンメタリックな空の下、砂利運搬車はゆれている
国道沿いの風景は、中古車販売の輩が
さびた鉄パイプ、振り回し 朝からヨサコイの節回し
播州平野に黄砂が降る
ふらへんか、あっ、やっぱふるか、どっちでもええか
百均がねじこまれた あきらめムードの空き店舗
シャッター通りのマネキンが、目線を来世に向けている
国道沿いのシネコンは、どでかい映画をからまわし
どてらいバーガー店の波
安直な和解で受け入れた
播州平野に黄砂が降る
ふらへんか、あっ、やっぱふるか、どっちでもええか
やっと、そのライブに行けた。カニコーセンは、夫妻で子供を連れ、関西から新幹線でやってきた。
場所は、北浦和の居酒屋ちどり。きのうのブログ「「文化の日」なんだって」を書いてから出かけた。
19時スタート、立ち見もギュウギュウな混みよう。
予想以上にクソ刺激的な破壊と愛しさに満ちたライブだった。
「ヤギアキコのおまんこふやけるまでシャブりたい」
これが、新作CDのタイトルで、その文字をアレンジしてデザインしたトートバックも一緒の売り出し。
もちろん、ライブでも、「ヤギアキコのおまんこふやけるまでシャブりたい」もやって、このフレーズのリフレインは、一緒にうたわされた。みな小さな声で口ずさむようにあわせていたが、小さな声でも揃えば、波になる。
といっても、タイトルのどぎつさとちがい、大人になって幼い初恋を思い出すような、ほのぼのやさしさがただよう曲なのだ。
だけど、どのうたも、一筋縄ではいかない。アナーキーでパンキッシュ。コミカルだが、皮肉も痛烈。ブラックもホワイトもあります。酔ったり醒めたり。
気取った文化の日の綺麗事の文化を破壊しまくるようなライブ。いいライブだった。
「酔いがさめたらうちにかえろ」が最後だったような気がするけど、酔いがさめないうちに狸穴へ行ってさらに飲み、酔いがさめないうちに帰った。
今日、『雲遊天下』に堤雅彦さんが連載しているのを思い出し、引っ張り出して読みなおした。
「カニコーセンの事件は現場でおきてます」(「ます」は、正方形に斜線の絵文字)
日常のなかの事件事故。事件事故がなくても、事件事故になってしまう日常。
今週は、11月になって1、2、3と3日続けて北浦和へ行った。
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