東京新聞連載「エンテツさんの大衆食堂ランチ」62回目は、浦和・いこい食堂。
12月19日の掲載だった。すでに東京新聞の東京新聞のWEBサイトでご覧いただける。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyoguide/gourmet/lunch/CK2017121502000197.html
今回は、地元のさいたま市浦和の食堂だ。さいたま市の食堂の登場は、大宮のいづみやだけだったから、2軒目ということになる。60回をこえる連載で2軒だから、地元を優遇していることにはならないだろう。
とにかく、ひさしぶりに、ジャンクヘビー級の登場といってよい。
大衆食は、「B級グルメ」などといわれ消費主義の娯楽や趣味の対象となってきたが、もとはといえば労働食であり生活食なのだ。その原点を、店のたたずまいからメニューにいたるまで、ブレることなく真っすぐに貫いている。
浦和駅と県庁を結ぶメインストリートの県庁に近い所にある。あたりは、目下再開発の真っ最中だ。この食堂は、その大きな力に寄り切られそうになりながらも、まだ寄り切られずにいるという感じだ。
メニューについては、本文にも書いたが、ボリュームで攻めている。客たちもボリュームを攻めている。それが、潔い。
食べたのは日替わりサービス、ヤキソバと半チャーハンにみそ汁で550円だ。
小賢しい食べ歩き趣味や娯楽の連中など、寄せ付けないような威力のチャーハン。こういうチャーハンは、初めて見たが、ゴロッとしたたまご焼きなどを、ざっくり混ぜ合せただけの、有無をいわせない力を持っていた。
考えてみれば、チャーハンとはね、とか、エラそうにしているのが、おかしいのだ。そういう風潮を笑い飛ばし蹴散らし、生活は突き進む。
20代30代の男たちが(意外に多かった)、もりもり食う姿に、未来の可能性を感じた。
こういう食堂については、ごたくを述べるほど、自分の浅はかさが浮かんでくるようで、嫌になるからこれぐらいにしておこう。
ジャンクヘビー級に打ちのめされながら、いつも感じることは、大事なのは「おれはおれでちゃんと生きているぜ」ってことであり、時流だの成功だのは小さなミミッチイことなのだ。
それにしても、このコシのある細い麺の焼そばは、チョイとクセになりそうだったな。
| 固定リンク | 0