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2018/10/27

2001年9月11日、戦争と平和と食。

安倍首相は、来年10月から消費税を10%に上げると宣言した。その消費税がスタートしたのは、平成元年の4月1日からだった。

世間はすっかり消費税に飼い馴らされたかんじだが、どうなのだろう。いまでは1万円の食費に800円の税が1000円になる。かりにそれだけ収入が増えるとしても、かりに消費税が全額福祉に還元されるとしても、「食べる」ということに税が課せられる異常を、異常とする人の声はあまり聞かれない。

平成13年、2001年9月11日、いわゆる「アメリカ同時多発テロ事件」が発生。その前日の10日、農水省が千葉県内で飼育されていた牛にBSE発症疑いがあることを発表した。後にBSE発症が確定。

どちらも、テレビで繰り返される映像から、多くの人たちが大きな衝撃を受けた。マスコミや言論は、例によって騒ぎたてるだけ。

いいもの食ってりゃ、しあわせか。

その年の暮、菅啓次郎さんの一文がある。これは、あまり一般の人の目にはふれない企業PR誌に載った短文だ。

「9月11日、世界が変わった。こうなると、食についての幸福なおしゃべりは、いかにも些細なことと思える。それよりも無用な殺戮を生み出す「世界」の構図を本質的に見抜き、行動に移したらどうなの? そんな声には、ぼくも賛成だ。だが、かといって食についての考察を放棄する必要はないだろう。爆弾とともにピーナッツバターを投下する巨大国家の姿に、狂気が潜んでいる。家庭の食卓には、そのまま、世界のすべてが響いている」

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