「下手味」と「下手糞」。
きょうもあまり時間がなくなった。もう23時をすぎている。
「下手」という言葉がある。「下手味」とか「下手糞」というやつだ。「下手糞」は、「ゲテクソ」じゃなくて「ヘタクソ」と読まれる。
いまでは、だいたい見下されたり軽蔑されたりする対象だ。
というぐあいの傾向が強まったのは、1980年代以後のことじゃないかなと思う。
1990年代になっても、「下手味」や「下手糞」などの「下手」を上手にさばく評論や批評がなかったわけじゃないが、しだいにそのひとが亡くなったこともあって姿を消してしまった。
いまどきの世間は、インターネットのおかげもあって「批評」や「評論」らしいものがあふれているが(それ自体はよいと思うけど)、この「下手」を上手にさばくひとを、ほとんど目にしなくなった。
ま、おれもひとのことをいえるほどじゃないが、たいがい、「上手」を素材に、「批評」や「評論」らしいことをして、うまくやっている気になっている。「下手」は、無視するか見下す対象でしかない。イチオウ名のあるメディアにおいてもだ。
「下手」を上手にさばいてこそ上手だと思うが。
かつては、「下手」をうまくさばく批評や評論があった。そういうことを書けるひとがいた。
ところで、「下手」「上手」って、なに? 規準はあるの?
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