充実泥酔。ありがとうございました、ヒグラシ文庫8周年トーク。
去る13日の鎌倉「まちの社員食堂」での、ヒグラシ文庫8周年トーク、ありがとうございました。
定員以上の集まりで、立ち見も出てしまいましたが、トークのあとの蕎麦屋での懇親会、そのあとヒグラシ文庫へ移動しての懇親会まで、たくさんの方にお付き合いいただきました。
人前で話すのは今回が最後になると言っていたヒグラシ文庫主宰の中原蒼二さんも、元気そうな姿を見せてくれてうれしかった。
按田さんとは、ずいぶんひさしぶりだった。彼女が7年前に按田餃子を出すことなど空想にもなかったころ、中野で数十秒ぐらい言葉を交わした以来だったが、二人とも覚えていた。「こういうところでお会いすることになるとは、想像もしてなかったですねえ」と、お互いに。
丸山さんは、中野にあったカルマに1990年前後だったか、入って食べたときチラッと見かけた以来だった。
なんだか、ここで会うのは必然のようでいて、やっぱりスペクテイター42号「新しい食堂」がもたらした偶然なのだ。
トークは、13時半開場で14時スタートだったが、スタッフのみなさんは10時に集合し準備をしてくださった。
登壇者のみなさんも12時に集合だった。みなさん、懇親会まで、長時間お疲れさまでした。
おれは司会だったけど、もともと起承転結が苦手のいい加減な人間なのでキッチリしたことはできない。登壇者の方と茶のみ話をしているところを見てもらう感じでということで始めた。
それに、じつは、東大宮を10時ごろ発ち、鎌倉までの2時間ほどのあいだ飲み続けで、会場に着いて打ち合わせの時も、みなさんはコーヒーなどだったが、おれだけ酒だった。すみません、アル中なもので。
このトークは、とくにこれから飲食店をやりたいと思っている方に聞いてほしいという企画だったから、最初に「飲食店をやりたいと思っている人」に手を挙げてもらったら、半数近くいたので、正直おどろいたし、うれしくて調子にのった。
懇親会のヒグラシ文庫の途中から泥酔意識喪失、その状態で2時間ほど電車に乗って東大宮の自宅まで帰った。どうやって帰ったのかわからないが、とにかく無事に帰っていた。
いい集まりだった。
おれは、司会のために、イチオウいろいろ読み返し準備をしたのだが、だんだん面白くなってメモにした。それを簡単にまとめたものを50部ほどコピーし会場で配った。
1ページ目だけを、ここに載せる。これは、トークの最初の出だしで、登壇者の方々を紹介するためのメモだ。
このあと4ページほどあるのだが、トークの内容に関係することで、これがけっこう面白い、と自分では思っているので、もしかすると明日以降に、ここに載せるかもしれない。
とくに丸山さんが関わっていた1960年代中ごろからのインディーズ・カルチャーの台頭と、当初は「無国籍料理」などと自称したり他称されたりした食文化の動向は、おれも意識していなかったが、もっと検討されてよい。カルマのスタッフだった高山なおみさんなど、按田さんの料理もそうだし、この流れは脈々と存在する。
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2019年4月13日(土)ヒグラシ文庫8周年トーク 司会資料(エンテツ作成)
「飲食店ラプソディ——何の飲食哲学の欠片もなく」
スペクテイター42号「新しい食堂」が縁になってのトーク。「新しい食堂」「これからの食堂」を始めたい人のために。トークを参考に、自分がやりたい食堂を自分なりにイメージしてもらえたらいい。
丸山伊太朗さん(ウナ・カメラ・リーベラ)
1950年生まれ。1980年、無国籍料理「カルマ」開店。2014年「カルマ」閉店のちシェアカフェ「ウナ・カ メラ・リーベラ(ウナカメ)」発足。
按田優子さん(按田食堂)
1876年生まれ。2012年、「按田餃子」開店(写真家・鈴木陽介さんと共同経営)。代々木上原と二子玉川。
中原蒼二さん(ヒグラシ文庫)
1949年生まれ。2011年、立ち飲み屋「ヒグラシ文庫」開店。鎌倉と大船。
三者三様
シェア、共同経営、ワンマン、性格や好みなどの違いによる料理と運営→丸山さん複合融合的、按田さんファンタジー的、中原さん私小説的。
だけど、共通点があるようだ。
◆「新しい」からよい「古い」からよいではない。◆ボヘミアン―旅人的—より自由、解放的かつ開放的。きちっとした生き方(「特定の業界」に位置づいていく)からの逸脱。出たとこ勝負に強い。◆素人からの開店(料理について系統立てた勉強や修業をしてない)◆それぞれの日々の生き方としての料理や食事…家庭料理、日常性、「ふつう」を基本にしている。
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トークのあとアンケートをお願いしたのだが、片づけでワサワサしているにも関わらず、多くの参加者のみなさんが熱心に書いてくださり、感動した。一部をここに紹介する。
・大学を卒業して、何をなりわいとして生きていくか悩んでいたところ、参加しました。食堂、飲食店に関わらず、人の集まる場づくりを、自分の地元、鎌倉で開業したいと思いました!
・食堂や場所つくりに興味があり参加しました。どうしても、お店をつくるというとなんとなく難しいコンセプトを考えつめなければいけないような気がしていたのですが、お三方のお話、特に丸山さんのお客さんの意見でお店をつくっていくという話に、大切にする部分を忘れないようにしながら、色んな意見をとりいれて、やっていけばいいのかと少し気が楽になりました。
・今、何かをはじめたいと思っているところです。(家以外の、ひらけた場所を使って皆が幸せになるところをつくりたいと思っている)皆の話をきいて、すぐ私でも始められると嬉しい気持ちになりました!
・ほったらかしの話がよかったです。暇でも大丈夫なのは能力なのだと思いました。私もようやくそうなってきました。
・生のお話が伺えてよかったです。多分語りつくせぬほどのご苦労があったと思うのですが、それを感じさせない内容が強い生き方だと思いました。
・司会の遠藤さんも含め、四人四様の面白さを楽しめました。
・皆さん個性的で楽しかったです。
・とても楽しかったです。またやってください。
・最後の苦労話のところが面白かったです。私は専ら客の側なので、居場所としている店がこういうふうにできている、的に聴いていました。
・自分の今に丁度良い内容でした。
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