「生き方」と「ライフスタイル」。
「ライフスタイル」という言葉と概念が、メディアを通じて一般化されるのは、1970年代からだったと思う。
その頃から支配的になった「ライフスタイル論」なるものは、「生き方」とイコールに扱われながら、「労働(あるいは「働き方」あるいは「収入」の得方)」と「消費」のことへ偏向していった。
「生き方」は、ほんらい、自然と人間のあいだにあることだったはずで、「ライフスタイル」と「生き方」は違うことなんだが、その頃から「ライフスタイル」と「生き方」の違いは、あまり問われることなく、イコールの関係になった。
いまでは、普通に、「ライフスタイル」が「生き方」のようになっている。
「食生活」の「リアリティ」とやらも、体制と大勢としては、そういう枠組みで語られている。「食べること」は「生き方」ではなく「スタイル」になったのだ。
だけど、「食生活」は、かなり「ライフスタイル」に吸収されたとはいえ、「食生活」から「個」を奪いつくすことは、難しい。たぶん、不可能だろう。
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