東京新聞連載「エンテツさんの大衆食堂ランチ」88回目、赤羽・自由軒。
だいぶ遅れてしまった。今年の一回目、1月17日(金)の朝刊に掲載の分だ。
もちろん、すでに東京新聞WEBサイトでご覧いただける。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyoguide/gourmet/lunch/CK2020011702000179.html
赤羽の自由軒は、おれ好みの一軒で、けっこう行っているし、赤羽在住の知り合いからは「あそこ、載せないの」といわれて、「優先順位があるから」なーんてテキトウなことをいって先送りしていたのは、ほかに先に載せたい食堂があるからではなく、おれ好みなので後回しにとっておきたいという気分だったからだ。
だけど、おれの急速の老化からすると、この連載を今年一年続けられるかどうか自信がない。そこで、今年の一回目にした。
おれ好みを、本文にこう書いた。「常連さんが描いたという額装のない絵がたくさん、カレンダーが数点も、壁を埋めている。その光景は、地域の人たちの「たまり場」「休憩所」といった感じで、妙にくつろぐ。このように地元に生きる姿そのままの食堂は、本当に少なくなった」
と、これではまだその雰囲気は伝わらない気がしているけど、カレンダーにしても常連が持ち込んだもので、ほかにも誰の好みかわからないものがいろいろあり、美的なものは一つもないのだが、エントランスからしてキチンと商売の空間に仕立てるのではなく、成り行きでこんなぐあいに店と街と客が混じりあって生きてきましたという感じが濃厚に漂う空間なのだ。赤羽の街の猥雑感がしみ込んでいるような。
そして、中華洋食中心の料理のほうは、なかなか普通にうまい。食べ終わると、底に店名が入っている器を使っている。
どういう人が料理をつくっているのか、いつも気になるのだけど、厨房は上の階にあって、料理運搬用の小さなエレベーターが運んでいるから、姿は見えない。その「謎」さ加減もいい。
「謎」といえば、以前に掲載の赤羽の「暖母」も「謎」だ。赤羽の面白さは「謎」だね。
とりあえず、そういうことで。
近頃は、長年誇ってきた「快食、快便、快眠」のペースが維持できなくなり、やはり長年67キロ前後で安定していた体重が減っている。身体的なしんどさを感じる日々、本当にこの連載をいつまで続けられるのだろうという感じだ。
何をやるのも面倒で、ブログなんかどーでもいいの気分だけど、次の本の原稿だけは、なかなか面白いこともあって、コツコツ進めている。でも、すぐ疲れるからね~、文章は次々浮かんでも、パソコンに向かう体力が追いつかない感じだ。
やれやれ。
食うのも、書くのも、体力勝負だ。
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