癌治療三回目。
16日火曜日は、4週おきの治療通院日だった。
4週間前は、いわゆる「緊急事態宣言」の最中だったが、5月30日に「解除(白紙)」になった。ガラガラだった電車も7割ぐらいはもどった感じだ。そういえば、通院のとき以外は、電車に乗ってないし、東大宮から出てない。3月ぐらいから、そうだろう。もう東京へなんか行く気もしないね。
前回5月19日火曜日の治療のあと、25日月曜日に、歯科口腔外科で検査を受けるため病院へ行った。これは、前回の血液検査の結果、転移の可能性を示す数値が見られたためだ。
その抑制に効果のある注射を追加したいのだが、虫歯があったり顎の骨に傷があったりすると「口腔崩壊」を起こすからと、なにやらおそろしそうなことをいわれ、この検査になった。
歯科口腔外科の予約は10時だったが、9時に来てレントゲンを撮るようにいわれていたので、そのようにした。
すでにナマの歯は下前歯が5本残っているだけで入れ歯であり、その入れ歯も壊れて部分的に残っているだけの状態だ。というわけで、入れ歯を完全にしておかないと、噛み合わせが悪く顎の骨に傷がつく可能性があるといわれたが、検査の結論としては、注射をするに差支えはないとのこと。
16日は10時半の予約だったが、診察の前に検査のための採尿採血があるから9時半頃着いた。朝から汗をかくほど暑かった。
診察は、尿と血液の検査の結果を見ながら、主治医とおしゃべりするのだ。今回は、癌の数値は、前回よりさらに下がり基準値以内のゼロに近い低レベルだった。
が、主治医は、肝機能に障害が出ているという。それは前回も基準値をけっこう上回っていたし、だから飲酒のほうは控えるようにということだった。
おれが「前回も数値高かったですよね」というと、主治医は「これですよ」とプリントアウトされた数値の表を見せて、肝臓機能に関する数値のところをシャープペンで印をつける。
げげげげっ、その数値にはびっくりした。ガンマー値だけでも1400越え(基準値の上が60ぐらい)。ほかも基準値の8倍ぐらい。なんという数値だ。
おれは45歳のとき、急性肝炎で救急車で運ばれ、ただちに検査されたのだが、そのときの「劇症」並の数値を上回っているのだ。
しかし、あのときは、背中は痛むし、立ち上がることができず救急隊のひとに両脇から担がれたほどだったし、そうそう、吐き気もした。そういう症状は、まったくない。
そういえば、いつからか太もものへんに湿疹のようなものが出たり、1週間ほど前から胃がもたれたり、空腹時には痛んだりした。そのことを主治医にいう。
服用している癌対処か患部の痛み止めの副作用にちがいないから、とりあえず、その薬は全部やめて、予定していた転移を抑える注射の追加もやめて、肝臓の薬だけで様子を見ましょう。
2週間後の30日に再検査ということになった。
癌対処の薬が使えないことになると困ったことになる、らしい。主治医は、想定外の結果に、ややとまどっている感じだった。
おれは、とりあえず、癌の数値が、これ以上下がりようがないほど下がっていたので、気分よく、注射の処置室へ向かった。
自分で血圧と脈拍を測り、紙に記入し、注射手帖と一緒に受付に出す。手帳は、腹部の図の、注射したところに印をつけるようになっている。初回は、左右下腹計2か所、前回は、右上腹だった。今回は左上腹だ。右上腹には、まだ前回のしこりがわずかに残っていた。約1分かけて80㏄を皮下にうつ。
会計をすまし、病院に隣接する薬局で処方箋を出し、薬をもらう。肝臓の薬と、注射の副作用を抑える3日3回分の薬だけで、癌対処はなし。
その後、今日まで、肝臓の薬は、とてもよく効いているようだ。太ももの湿疹のようなものはなくなり、胃も正常化している。
薬について調べたら、どうやら、癌対処薬ではなく、患部の痛み止めに飲んでいた薬が原因のようだ。これはもとは解熱剤として使われるもので、だいたい解熱や痛み止めなどは長期に連続服用するものじゃないもんなあ。そのあたりのこと、30日の診察のときに話してみよう。ま、すでに主治医もわかっているだろうけど。おしゃべりしながらすすむ、というのが大事なんだな。
治療が始まって28日×2が過ぎた。こうして、完治のないステージ4は、ぐずぐずデレデレ生きているのだが、もともと直線的な生き方は苦手のほうだったから、白黒つかずクネクネ曲がりくねったテキトーな生活は性に合っているようだ。
2020/05/22
癌治療二回目。
https://enmeshi.way-nifty.com/meshi/2020/05/post-96aa24.html
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