紫外線浴歩き。
先月の13日(木曜日)から、早朝5時ごろに起きて近所を歩いている。
治療のため4週間ごとに2種類の注射をしているうちの1本が、骨粗しょう症の副作用の可能性があるため、その予防。それから、もう1本の骨転移抑制のための注射の効果を高めるためだ。
骨のメンテナンスには、紫外線とビタミンDが不可欠だそうで、1日に30分ぐらいは紫外線にあたる必要があるとか主治医にいわれ、素直に従っている。
つまりこれは「治療行為」なのだ。
本当は季節や時間帯などによって紫外線の量がちがうらしいから、だいたい、約、30分ぐらいってことらしい。
とはいえ、どこかでじっと紫外線を浴びているというのもツマラナイから歩いている。
早朝にする前は、毎日のスーパーの買い出しのついでに、少し回り道するなどして、往復30分ぐらい歩くようにしていたが、あまりに暑くなったので朝にした。
なにもがんばって5時に起きることはないのだが、なぜかタイマーをかけなくても、朝歩きをすると決めたら、5時前後に目が覚めるようになってしまった。仕事なら、こんなことは絶対ありえない。おれの身体、なにを張り切っているのだ。
日が昇ったあと5時半ごろに家を出て、遊歩道が多い近くの芝川や見沼代用水沿いを歩く。芝川に架かる二つの橋の、片方を渡り対岸へ行き、もう片方で対岸からもどり、ぐるり回ると約4キロだ。
最初は、早足で歩いていた。約30分ぐらいの速さだが、呼吸もジョギングのときのような感じになり、負荷がかかる。紫外線浴が目的だから、がんばることはない、40分ぐらいで歩くようにした。
8月の終わりごろになると夏バテもあってか、あるいは薬の副作用もあってか、少し身体がかったるいので、50分近くかけて歩くようにした。
一度だけ5時半ごろに小雨が降っていてやめたけど、7時ごろになったら雨がやんだから出かけたということがあった。あとは雲の多い日もあったが晴れていた。
雲が多いときは、紫外線の量はどうなんだろう。ま、厳密である必要はない。
今日は、出発の5時半ごろは雨が降りそうな空だけど降っていなかったから出かけた。気象庁が最大級の警戒を呼びかけた強力な台風10号が九州の西側を通った影響か、剣呑な雲行きで、コースの3分の2ほど行ったあたりで、急に強い雨に見舞われた。トツゼン降り出して、3分ぐらいでやんだのだが、その間にパンツの中まで濡れた。
日が昇る様子、ここ何日間は西の空に月も見えている、雲の形と動き、ときどき見かける芝川の鴨の群れ、橋の下の東大宮操車場の列車の動き人びとの労働の始まり、そうそう「我が世の夏」を謳歌していた蝉の鳴き声は頼りなく情けなくなり、しだいに虫の声が盛んになる移り変わり、いろいろおもしろい。
興味深いといえば、すれちがったり、追いこされたり、追いこしたりする、人びとだ。
毎日平均、50人ぐらいの人たちと遭遇しているだろう。
一人のひとが多い。犬の散歩の人もいる。ジョギングの人もいる。60代以上が4割ぐらいか。杖をついて身体を引きずるように歩いている人もいる。
みんなとても自由にやっている。
ひとり一人がおもいのままやっている。服装や恰好もおもいのままだ。
気が向けば、言葉をかわしたり、挨拶をかわしたり。立ち止まって長話に興じるおばさんたちもいる。急におかしな体操を始めるひと。
共有する情報は、直接的にはないし、知らぬだれかに批評されたり評価されたり、それをしあう関係もない。実際に、だらしない歩き方に見える人がいても、自由だ。
正しい姿勢だの、もっとキビキビ、かっこよくスマートにやれないのか、星一つ、とか、そういうことをアレコレいう関係はない。
人の目なんか気にしていない。
メディアが介在しない関係、あるいはメディアに毒されてない関係は、なかなかおもしろい。
人間とは、こういうものだったのではないか、と、考えることも多い。
皇居の周辺あたりで見かけたことのある、かっこいいジョギングやウォーキングの人たちとは、だいぶ様子が違うと思う。そのあたりのことも、おもしろそうだ。
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