2013/10/01

10月7日発売『大衆めし 激動の戦後史』(ちくま新書)の見本刷りが届いた。

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今日、午前中に、ちくま新書から10月7日に発売の『大衆めし 激動の戦後史:「いいモノ」食ってりゃ幸せか?』の見本刷りが届いた。なにしろ今回は、三校でも、けっこう直しを入れたので、まちがいがないかドキドキものだった。

まずは、チェック。

ザル目のうえ、もう何度も見慣れてしまっている、自分の目で見たかぎりでは、表現上の問題はたくさんあっても、まちがいにあたるものは見つからなかった。まあ、よしとしよう。

カバーの表紙には、「まえがき」からの抜粋がある。「…70年代以後、これほど「うまい」「健康によい」「安全な」「いいモノ」を求めて、全国民的に右往左往したことは、かつてなかった。「いいモノ」は見つかったのだろうか。「いいモノ」を追い求めて、忘れたり失ったものはないか。…」と。

カバー折り返しの、出版社の方が書いてくださった要約は、「現代の大衆の食や料理を語るなら、この一冊を読んでからにしろ!」で終わっている。そういうこと。

腰巻には、「日本の「食」の構造的な変化の中で自分の「めし」のことを考える。ありふれたものを、おいしく!」。

もくじなどは、下記をご覧ください。

2013/09/14
『大衆めし 激動の戦後史』のもくじと、「まえがき」「あとがき」の書き出し。

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2013/05/10

とりとめのない歩行 東大宮往来者。

去年から、別にブログを立ち上げようと思っていたのだが、新しいブログを立ち上げてしまった。

こんなことしている場合じゃないけど、そんなときにかぎって、エイッヤッとやりたくなって、やってしまうものだな。しかし、今度は、FC2を使ったのだが、使いこなせば、よさそうなんだが、ほとんど全貌がわからないまま、テキトウに設定をして始めた。

これまで当ブログのカテゴリーに、「見沼区・宇都宮線・東大宮(店)」と「見沼区・宇都宮線・東大宮(散歩)」を設けて、東大宮界隈をいろいろ書こうと思っていたけど、ここではほかのことが優先しがちで、うまくいかない。なのに、地元のことだから、しょっちゅうふらふらして、ネタも写真もたまるのに、ほっておくうちに、あちこちで聞いたネタは忘れてしまう。そのうち、めんどくせえ、ってことで、そのまま。

近頃は、ツイッターやフェイスブックが中心になりつつある人が多いようだけど、どちらも、のんびりしたところに欠けるようになった。

余裕がないというか。とりとめのないつぶやきを楽しむより、目的や目標の追求、それもあらかじめ絞られたテーマにそったプロモーションのような機能というか。それは、その必要があって、大いに有用という人も多いだろうし、それについて、とやかくはない。しかし、けっきょく、マスコミや大手広告代理店のミニ判じゃないの。マスコミや大手広告代理店がやるなら悪だが、自分が小さくやる分にはよいとか、同じクラスタならよいという感じで、それはチョイと違う感じがする。

小さいからよい、面白いじゃなく、なんだかはみだしているから面白い、こんなのは誰も面白がらないだろうなあということを、ツイッターやフェイスブックだから楽しむ。そんな余裕が、だんだん無くなっている感じだ。なにかにつけ、なにかの得点稼ぎ。それも、成功という階段につなげるための。

ま、世間が世知辛いから、仕方ないのだろうが。ニッチにしがみつきながら、マスにのることを目指しているような動きもあり。自分が好きに出来るメディアで、これでは、どうもな、という感じもある。

こういうおれも、近頃は、もっぱら告知などのプロモーションが多くなっているような気がして、ますますツマラナイ。ツマラナイことは、あまりやりたくないから、ばかしか書いてなかったフェイスブックでも、近頃はほとんど投稿してない。ツイッターは、酔ってるときが多いが、おれは酔うと、割とまっとうなことを言いやすいので、オモシロクナイ。

それに、おれは、あまりひとのことには、興味がない。この場合の、ひとは、個人のことだが、誰がこういった、誰がこんなことしている、そんなことは、どうだっていいじゃないか、大雑把にいこうよ、なのだ。これでは、ますます、ツイッターなど縁がなくなる。でも、ツイッターは続けるだろうけど。

とにかく、見られることも、何かの成果も期待することなく、ま、何かになったらなったでよいが、とりとめのない歩行をやるには、ブログがよい。これまでも、そうやってきたのだ。そんな気がしている。

ってことで、「東大宮往来者」、サブに「とりとめのない歩行 さいたま市見沼区東大宮と東大宮から」とのたもうて、はじまり、はじまり。
http://entetsuhigashioomiya.blog.fc2.com/


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2009/05/06

「ふきお売りします」という土地の「麻こころ茶屋」やエコ系など。

Huki003ウチから東大宮駅へ行く途中の、「離農過程」にあると思われる農家の庭先に「ふき」が密生し、「ふきお売りします」のサインがあった。

何度か書いたように、このあたりは、東京から鉄道沿線に沿って続いている家並みが途切れ、田畑が広がっていく「都鄙臨界地帯」だ。駅から5分も歩けば、「田園都市」なんていうオシャレなものではない、野雑な景色がある。そう、おれは「野雑都市」と呼びたい。耕地と荒地と空き地と住宅が、雑然と入り混じる「まち」なのだ。都心の猥雑とはちがう猥雑感があって、おれは好きだ。

なんて書くと、土地の人に、東大宮のイメージを落とすなんて怒られるかも知れないが、こういうところでは、「なんとなくエコロジー」「なんとなくナチュラル」「なんとなくスロー」が成り立つ。つまり無理のない、エコロジー、ナチュラル、スローが可能なのだ。それは東京の都心から「発信」される、バリバリのヨロイを着たようなエコロジーやナチュラルやスローと大いにちがう。だいいち、都心と比べたらのんびりしているもん。

道路端の「ふきお売りします」も、そうした景色の一つだろう。きのうのエントリーに、ちょっとだけ書いた「むすび市」を開催の、「麻こころ茶屋」「麻こころ商店」も、そうだと思った。

「麻こころ茶屋」「麻こころ商店」は、ここに越してまもなく、ある物書き女子がメールで、こんなところがあるよとサイトを教えてくれた。見ると、バリバリのエコ系ナチュラル系という感じだった。でも、行ってみようかと、何度か近くを通ったのだが、それらしいのが目に入らない。

これは、あとで考えると、ヒジョーにおもしろいことだった。つまり、ネットで見て、バリバリのエコ系ナチュラル系という印象を持った瞬間、おれは都心から発するメディアに登場する、いかにも「地球にやさしい」感じを押付けがましく主張する、ソフトでウディでペンキな外観を知識として、イメージしていたのだ。知識がモノゴトの実際を見誤らせる、よい例だった。何度も、その建物を見ているのに、そこが、「麻こころ茶屋」「麻こころ商店」だとは思わなかった。

そこは、なんの変哲もない、味も素っ気もない高度成長期的新建材の外観が、そのまま古くなっただけの建物なのだ。まさに経済的合理性を追及した、昭和の建物だけど、「昭和レトロ」の仲間にはされない、安っぽいだけの、それなのだ。

おれは少なからず感動した。これは、自分のやれるやり方で、一歩づつやろうということではないか。もちろん、いまのところ仕方なく、そうしているのかも知れないが、見かけより内容で始めようという意思を感じた。なんてのかな、無理がない。土地に根ざしている。

いま、エコ系ナチュラル系というと、ハヤリの宝石を身につける感じのものが少なくない。都心あたりで、そういうのって、無理があるなあと思う。身体に悪いこと、たくさんやりながら、ナチュラルローソンで買い物をしているような無理というか。やたら「高級感」にあふれている。

ま、バリバリなヨロイを着たようなヘビーでマニアックもよいけど、無理なく自然に少しずつやる「なんとなくエコロジー」「なんとなくナチュラル」「なんとなくスロー」でないと、おれのような俗悪な凡人は近づけないのだな。

とにかく、そんなわけで、きのうは混雑していたこともあり、何も買わなかったのだが、「麻こころ茶屋」「麻こころ商店」は、また行ってみたい気になる存在になった。


「麻こころ茶屋」「麻こころ商店」のブログ「MacocoroDiary」
http://macocorochaya.typepad.jp/diary/

きのうの「むすび市」に出品していた気になる農場。
見沼たんぼで有機農業を始めた若いご夫婦の「風の谷農場」。「季節のお野菜宅配便」もある。
http://wvfarm.exblog.jp/

重松荘シアターでお会いした、気になる「エコ見沼」。
http://estrela.ciao.jp/minuma/

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2009/04/28

東大宮駅立ち食い「小庵 喜多」のうどんそば。

Kita009宇都宮線東大宮駅改札口入ったところにある。立ち食いだが、腰掛も数席ある。電車を一本遅らせても食べることがある。いまのところ、えびのこうばしい味わいのかきあげ天ぷらを最も多く食べているが、かけでも十分よい。

汁が、好みの味に近いこともある。かつお節のほかに、さば節をつかっていると店内のポスターに説明があるが、そのせいか、少しクセのあるダシがおれの好みなのだ。

ウチでつくる味噌汁は、たいがい混合の雑節でダシをとる。なんでも、たいがい雑節を使用するのが、近年のおれの傾向だな。ま、うふふふ、上等の野暮な味を追求しているというか。「雑味」を排除するのではなく、うまくコントロールすることを考える。深い「旨み」を得るには、よいのではないかと思う。

かつておれは、たいがいダシは煮干だった。麺つゆも煮干だけでつくっていた。その場合、けっこう醤油を選びたくなるのが難点だなと気づいて、雑節を多用するようになった。煮干で育っているから、かつお節や昆布その混合のダシは、嫌いじゃないしうまいとは思うが、それほど執着はない。

それから、この店のうどんそばは、麺と汁のバランスが、埼玉あたりの特徴を持っているように思う。埼玉というより、詳しくは調べてないが、北関東的な傾向かも知れない。

まだ、おれとしては仮説的だが、うどんそばに、三つの大きな傾向を感じている。

麺の喉越しを味わうために汁を用いる。あるいは、汁の賞味が主眼で麺にたっぷり汁を含ませる傾向。そのどちらでもない、麺と汁の微妙なバランス、つまり麺に汁をからめた状態で麺をかじり粉の風合いを賞味しようというもの。

いまのところ、この三つの傾向を、おれは考えている。それは、すいとんやそばがきなど、麺以前の、ほかの「こねもの」と汁の関係でみると、そんなに外れてはいないような気がしている。もちろん、その中間的なものもあるだろうし、かなり均質化されているのだろうが、大きな傾向としては、この三つというのが「体験的」な整理なのだ。

地域的な特徴も関係しているように思う。そして、ここ埼玉あたりは、この三番目の傾向が、わりと濃厚ではないかと思っている。

ま、そういうことは、いずれボチボチ書いていくとして、喜多で食べながら、あらためてそのことを思っている。とにかく、この立ち食いが東大宮の駅にあるので、うれしい。

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2009/03/24

ド派手ジャンクな、ジャンクガレッジ。

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『大衆食堂の研究』に「東京ジャンクライフ」というサブをつけたおれとしては、見逃せない店名だ。ときどき前を通り気になっていたが、いつも時間の関係で閉まっていた。その見た感じは、クルマの部品屋なのか、といったところだ。

去る2月28日、昼ごろ店の前の長イスに座って待つ客がいて、ちょうど開店時間だったらしく、店員が中へ案内するところだった。

Web検索したら、ラーメン店で、けっこう話題の店らしい。ガツンとくるメニューのようだ。「ジャンク」をウリにするなんて、いいね。近くだし、そのうち入ってみようと思っている。

↓カテゴリーの、前に掲載した、ジャンクな佇まいの「もつ焼きセンター」の並び、第二産業道路を、ちょっと北へ行ったところにある。

食べログのジャンクガレッジ…クリック地獄

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2009/02/17

「大物」な「大宮名物 餃子の大雅」。

忙しい。文章は、あとで。と朝書いた夜、下記の文章を掲載。

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じつに堂々たる名前だ。「大宮名物 餃子の大雅」を知らぬか!と、さいたま市は大宮の東北のはずれ見沼区の東大宮に店をはる。東大宮駅西口から5分かからない。よく行くスーパーの近くにある。

「大雅」より「大河」が似合う、「大」な幾何学的な店といえる。店の建物も雰囲気も親父も、そして味覚も。幾何学的「大」な精神にあふれている。おれの幾何学的「大」な精神の部分が感応する。まずは、いまの都心では難しいだろう。駅から5分かからない立地を考えれば、大宮だって難しい。

大通りから入った、だけど裏通りというには広い片側一車線の通りに目立つ「大」な看板。そこに「大宮名物 餃子の大雅」とある。一度見たら気になって、入らずにはいられない。こんなところに「大宮名物」、本格中華料理屋風な名前の「大雅」だ。

しかし、いや、しかも、か。その建物は、まったく飾り気のない、単なる長方形の箱。工事現場の事務所や倉庫にしては上等なプレハブのように見える、学校の体育館のような。入り口に屋根の突き出しもない。まさに幾何学的だ。

なかに入れば、すぐ目の前は、奥に向かって直線のカウンター。カウンターをはさんで左が客席、テーブルもある。約50席ぐらい。そして右に厨房。カウンターで仕切られた客席と厨房は、1:2といったところか。つまり客席は3分の1面積ぐらい。まったく飾り気がない。

メニューは、焼餃子450円、水餃子350円、ライス250円、キムチ300円、ラーメン500円、味噌ラーメン700円、チャーシューメン700円。生ビールと酒とウーロン茶とコーラ。のみ。直線的な幾何学的メニューといえる。

画像のラーメン、これまた幾何学的に「大」のイメージだ。チャーシューは落し蓋のように大きく麺が見えない。餃子は一人前10個ある。大きい丸々とした餃子。見た目の大きさの割りにアンは少ないが、ジューシーで、かじった瞬間、煮込みスープの袋詰めかとおもう。

味、もちろん幾何学的だ。たくましい。ニュアンスとしては「骨太」といってもよいのだが、誤解されるおそれがあるから、幾何学的という。卓上には都内ではめったに見かけない一味唐辛子があった。これをラーメンの表情が真っ赤になるほどかけて食べようかとおもったが思いとどまった。でも、そうすべきだったかもしれない。生ビールについてきたキムチがうまかった。

すべては「大雅」より「大河」が似合う。が、「大雅」である。その精神というかセンスというかを、おれは厨房の大陸的雰囲気の親父と、その妻らしき女将を見ながら考え、食べた。神経症的過敏といえるほど、都会的繊細な精神の洗練をよしとする傾向が失った味覚。幾何学的精神に感応する味覚。東大宮という立地ならではのことかも知れない。

また行くだろう。餃子とキムチで、一杯やりたい。生餃子の持ち帰り販売もやっていて、おれがいるあいだ、10人ほどの店内の客より、その客の方が多かった。

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2008/11/14

パドゥドゥ洋菓子店と、メダカも売っている、もつ焼きセンター。

いつも前を通るとはかぎらないが、東大宮駅西口とウチのあいだにある。

Higasioomiya002

このあたりでは少ないオシャレ系、だけど、素朴で堅実なモノヅクリをしている印象。そこが「宇都宮線ぽい」といえるか。健康な田舎都会娘の感じ。通販もしている「パドゥドゥ洋菓子店」のMEDE TAIクッキー。 

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見れば、ワカル。国道5号線沿い。

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2008/11/02
ミーツ12月号は「旨い旅」。気になる見沼区東大宮、鉄砲屋やホルモンや。

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